山代悟

建築家/博士(工学) 1969年島根県出雲市生まれ。ビルディングランドスケープ一級建築…

山代悟

建築家/博士(工学) 1969年島根県出雲市生まれ。ビルディングランドスケープ一級建築士事務所 共同主宰、芝浦工業大学建築学部建築学科 教授、NPO南房総リパブリック 副代表理事、元 大連理工大学建築与芸術学院 客員教授

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続続・オーストラリアにみる都市木造の可能性(2023+2024)

本来は2024年2月17日の19時過ぎ成田発でメルボルンへフライトの予定でしたが、機材到着遅れで21:30発、22:30発と2回遅れの連絡。嫌な予感はしたのですが、3回目で明日17時発に延期とのダメ押しの連絡、、。成田空港は23時にはクローズだからもう一回遅れたらやばいと思っていましたが、、。 気を取り直して18日日曜日の17:00成田発で出発。19日月曜日メルボルン空港に朝5:25に着陸。シティバスで市内に出て7:30に予約しているレンタカーをピックアップ。メルボルンから

    • 誰のために働くか

      建築デザインを大学と大学院で学んだ自分が就職を決めた時に何を考えていたのかなと振り返った時に、一番は「尊敬できる誰かのために働いて、技術を身につけたい」ということだったと思う。独立することは前提だったので。 大きな企業にも入れたかもしれないけど、配属であてがわれる設計部長とか室長の元で働くというのはイメージできなかった。なんでこの人の言うことを真に受けないといけないの?という感じ。生意気も甚だしいけど。 縁あって面接を受けて槇総合計画事務所に就職した。槇文彦さんは言うまで

      • 伝統をもとに考える。新しい憧れを生み出す。

        私は島根県出雲市の出身で、東京の大学に入学する19歳の春まで出雲で過ごしました。母方の家系は大工で、父方の家系は製陶業を営んでいて、木を建材として、あるいはエネルギー源として利用するのを見ながら育っていました。東京に出て大学で学んだり、設計事務所で就職してからは、出雲の大人たちと触れ合う機会はほとんどなかったのですが、30代になってから出雲で建築ワークショップをしたり、まちづくりのお手伝いをする機会もでき、地元での建築関係者の方との縁もできてきました。 そのような縁がきっか

        • 楽器やスポーツをひとつ身につけるように

          noteの記事を読んで色々と得心いったと学生に言われたので再掲。読んでくれるのは嬉しいね。 学生に伝えておきたいことは、学びにおいては「作業時間の短縮」は学びの時間の短縮、すなわち、学びのチャンスの減少にしかならないケースが多いということ。 手描きで何時間も製図にかかるものをCADでは数分で描画することができるケースがあります。その「製図」の効率性は「設計」というスキルを身につけた後に仕事の効率を上げてくれる有効なものですが、まだ十分に設計のスキルを身に付けていないうちに

        続続・オーストラリアにみる都市木造の可能性(2023+2024)

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          ビルディングランドスケープ:戸建住宅

          ビルディングランドスケープ:戸建住宅

          ペーターとオンジとハイジ。仕事の未来

          朝シャワーを浴びながらの思いつき。 労働時間の短縮が叫ばられる。もちろんこれ自体は結構なこと。一方で自分自身に高い課題を課して成長を続けられる人以外はスキルが低いまま置かれる。そしてAIやロボットに仕事を奪われていくだろう。 労働時間短縮の次の論理的な帰結は、労働者自体の削減だろう。実際は同時に起こる。 近未来の仕事はどんなものになるか。アルプスの少女ハイジになぞらえて考えてみた。 ひとつは、おんじ、みたいな感じか。手づくりで家具やチーズをつくり、ある程度社会から自立

          ペーターとオンジとハイジ。仕事の未来

          市民防災に向けて

          昨晩はウェビナー「被災屋根応急補修構法に向けて」を開催しました。令和元年、2019年9月の台風15号をはじめとする台風で大きな被害をうけた千葉県館山市富崎地区。NPO南房総リパブリックで空き家をお借りして、二地域居住体験施設「布良ハウス」を運営し、事務局長として春日広樹さんが住んでいた地域です(台風当時のことについてはこちら )。 台風時の第一報を受け取ったのは、イタリアのキアンティのワイン畑。アグリツーリズム調査ということでワイナリー巡りをしているほろ酔い加減の時に連絡を

          市民防災に向けて

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          ビルディングランドスケープ:教育施設

          ビルディングランドスケープ:教育施設

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          モデルをみる力、そしてモデルに描かれていないものをみる力

          2010年くらいまではスタディは極力模型でやるようにしていましたが、大連理工大学の客員教授を勤め、日本と中国の両方で仕事をするようになったことがきっかけで、さすがに日中両方で模型をつくるほどのマンパワーもないので、SketchUpやRhinoを使ってのスタディの比重が上がってきました。 ただし、スナップショットを送ってもらって判断するのではなく、3Dモデルを送ってもらって自分でモデルのなかを「ぶらぶらする」ようにしています。模型に比べれば情報量は落ちるけど、このぶらぶら作戦

          モデルをみる力、そしてモデルに描かれていないものをみる力

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          ビルディングランドスケープ:集合住宅

          ビルディングランドスケープ:集合住宅

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          セブ|よいとこ

          今回は環境建築の国際会議「GREEN 2020 from Ridge to Reef」に参加するためにフィリピンはセブ島に行ってきました。 空港から市内へ。さすが。早速セブの洗礼を受けます。世の中、リスクってなんだろう。 マゼランを倒した国民的英雄ラプラプを記念した公園へ。公園の東屋。葦のようなもので葺かれた屋根と、草で編んだスクリーンの壁。壁は外に倒れた角度で取り付けられている。他の小屋でも同じような作られ方をしているので、一般的な作られかたなのか。 雨を防ぐ

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          二地域居住と「サピエンス全史」

          ここのところ飛行機移動が続くため、iPhoneのKindleでの読書。ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」を再読。 「サピエンス全史」https://www.amazon.co.jp/サピエンス全史-上下合本版-文明の構造と人類の幸福-ユヴァル・ノア・ハラリ-ebook/dp/B01KLAFEZ4/ref=mp_s_a_1_4?keywords=サピエンス全史&qid=1583108515&sr=8-4 大著でもあり、隅々まで精読するわけではないが、飛行機の中で

          二地域居住と「サピエンス全史」

          続・オーストラリアにみる都市木造の可能性

          「低炭素社会への環境意識」への適合性の高さが都市木造の大きな魅力であり、林業関係者や一部の建築家だけでなく、事業主側から都市木造を建てたいというニーズが生まれる背景だと言えるだろう。今年は「木造化したビルの方が良いテナントがつき、家賃も高く取れる」というコメントも聞かれた。 日本では自然で素朴な表情の木造が多いが、200 Georgeに見られるようなエコロジーとゴージャスさが組み合わさったデザインは、新しい潮流を表しているのかもしれない。 2017年8月、2019年2月のオ

          続・オーストラリアにみる都市木造の可能性

          木でつくる多様な働き方のためのインダストリアライゼーション

          芝浦工業大学大学院の修士論文の発表会に参加した。いろいろと面白い発表はあったが、最後の方にあった生産系の発表が興味深かった。 ひとつは女性が建築生産の現場で働く状況とその困難について。人手不足もあり、専門工事会社でも女性を積極的に雇用し働く環境を整えようと取り組んでいる会社も多いが、出産を契機に離れてしまうとのこと。子どもが生まれれば朝の家事はさらに忙しくなるし、保育園幼稚園に子どもを届けるまでは仕事に出かけられない。夕方も早く帰らなければならないだろう。現場仕事は作業時間

          木でつくる多様な働き方のためのインダストリアライゼーション

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          ビルディングランドスケープ: アーバンデザイン

          ビルディングランドスケープ: アーバンデザイン

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          ヘルシンキ|よいとこ

          平らな国フィンランドに到着しました。サマータイムなので時差は6時間。 入国審査の列が非常に遅く、予定より40分以上遅れましたが、TAと参加学生計17名と空港で現地合流。ほっ。ホステルまで一般の路線バスで移動します。チケット買うのもひと騒動。 今回ヘルシンキで滞在したアパート。Kruununhakaエリアの集合住宅の一戸(写真右側の一階)。 学生はホステルですが、自分はエアビーで見つけたユニットにチェックイン。Kruununhaka地区にあるアパートの一階のスタジオ。オー

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