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デッキ解説 : エンニュートLO(ライブラリアウト)

どうも、シャロン( @syaronalex )です。

今回は、自分がシティリーグseason1の為に調整し実際に使用した「エンニュートLO(ライブラリアウト)」についてのデッキ解説記事になります。

シティリーグでは、相性の悪い要素を2点満たすデッキに2回マッチングしてしまい、予選を通過することが叶いませんでした。
しかし、今回も調整メンバーとかなり練り込んだこと、これまで使ったこと無い系統のデッキであり得るものが多かったこと、そして非公式ではありますが有名実況者も多数参加する「第13回サントス杯」という大会にて全勝優勝をすることが出来たこともあり、サンムーンレギュレーションの総括の意味も込めて記事を書くに至りました。

この記事では、デッキレシピや採用理由について、各デッキへの戦い方などは勿論ですが、「ライブラリアウトみたいなデッキ使ったことない。難しそう。」と言ったような漠然としたイメージを抱いてる方でも、この記事を読んだら使ってみたくなるような、そんな内容を目指したいと思います。もちろん、細かいテクニックなども紹介していきます。

余談ですが、「LOウザい、使うやつは悪!」というような意見をたまに見ることもありますが、そういった人ほど思考がそこで止まっていて「LO=使うやつが悪 悪人の対策をする意味ない 悪人は消えろ」のようなロジックのまま結局対策を知ることなく終わっているようなイメージがあります。
カードゲームですから、プールの範囲でどんな戦略も存在すると思うので、自分で使うかどうかはともかくどんな対策プレイがあるのかというのは知っておくべきだと考えています。

12月からの新ルール、新レギュレーションでもカードプールによってはLOデッキは組めると思いますし、台頭してくる可能性は十分にあります。今のうちにギミックについて知っておいたり、対策方法を知っておくことに損はないはずです。

自分が、LOデッキを使ってみるまでわからなかった事に関しても細かに書いていきたいと思います。

◆実はめちゃくちゃ簡単。ライブラリアウト。

かくいう自分も、漠然と「なんか難しそう」というイメージのままこれまで使う機会の無かったデッキタイプでした。

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ハイクラスパックの「ジュジュベ&ハチクマン」登場により、これまでより大きく数を増やしたデッキタイプ。
「フーパLO」「エンニュートLO」とか色々タイプはあるっぽいけど・・・どちらにせよ縁がないな、と。

そんな時、調整メンバーのはす( @h_1234567s )が「エンニュートLO」での調整が順調だという話を聞き、シティリーグに向けて練習しないとという焦りはするが、デッキの候補も無かった手前、教えてもらうことに。

数戦でわかりました。はすの教え方が良かったのもあるとは思いますが、特に難しいプレイングやプランニングなどはなく、それもそのはずで、デッキの構造がとてつもなく単純だったからです。

最終的には


勝ちパターン「1つ」
使うワザ「2種類」
サイド確認「必要ナシ」
の神のようなデッキであることがわかりました。

◆デッキリスト

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カードそれぞれの採用理由に関しては、この後説明していきます。

変更した方がいい可能性がある枠に関しては

・ミュウ
・ポケギア3.0
ぐらいでしょうか。全試合でデッキ60枚全てを使用するデッキなので、全てのカードの役割が重要になってきます。

◆勝ちパターン

まず、勝ちパターンは1つです。

相手が何も出来ない状態→ロック状態に持っていく
ことによってライブラリアウト、山札切れを狙います。

ロック状態とは、要するに相手がワザの宣言を出来ない状態を指します。

つまりは
・エネルギーのついているポケモンが場にいない状態
・エネルギーのついていないポケモンが、バトル場から逃げられない状態

のどちらかを作り、その状態を打破出来ない様に妨害することで、ロック状態を作ることが出来ます。

この状態を作るために使用する妨害カードは、「カウンターキャッチャー」「ザクザクピッケル」「クラッシュハンマー」「リセットスタンプ」「無人発電所」「ムサシとコジロウ」「フィールドブロアー」「フリーザーGX」の8種類です。

文章ではわかり辛いかと思うので、参考例を見てみましょう。

ロック盤面

相手の手札は0
バトル場には「カラマネロ」

自分の場にはヤレユータンがいて、毎ターン「ザクザクピッケル」を打って相手の山札を固定出来る状態にあります。

対戦相手はカラマネロを逃してヨノワール&オーロットGXで攻撃するためには「ポケモンいれかえ」「あなぬけのヒモ」「グズマ」のどれかをドローしなければいけませんが、こちらは「ザクザクピッケル」でそれを許しません。

この状態が「ロック状態」です。

ではそこに至るまでの手順について解説していきます。

手順
①ヤトウモリを並べまくる
②エンニュートの特性でカードを引きまくる
③適当に妨害カードを使いまくる
④ヤレユータンのワザ「リソースマネージメント」で妨害カードを戻しまくる

となります。
ふざけているように思えるかも知れませんが、本当にこれ以外にやることはありません。

◆使うワザ

「みちしるべ」「リソースマネージメント」(+コールドクラッシュGX)の2種類のみ。

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1~2,3ターン目「みちしるべ」
3,4ターン目以降「リソースマネージメント」

を宣言するというイメージだけあれば十分かと思います。
特定のマッチアップでは「コールドクラッシュGX」を使用することがありますが、使わない事の方が多いです。

◆サイド確認

「必要ナシ」と書いた理由は、もちろんした方がいい事は事実ですが、サイド確認をすることによる勝利貢献度は他のデッキに比べて高くないということです。

つまり、どういうことかというと、このデッキは試合の途中で必ず「グラジオ」をプレイするからです。

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1~2ターン目 ウツギ博士のレクチャー or オーキド博士のセッティング
3~4,5ターン目 グラジオ
5,6ターン目以降 ジュジュベ&ハチクマン or ムサシとコジロウ

をプレイするというイメージだけあれば十分かと思います。

グラジオで回収するカードは主に「"1枚刺し"の”妨害カード"」になります。1枚刺しの多いデッキですから、グラジオを2枚使わないとロック状態に辿り着けないなんてことも稀にあります。

ここで抑えておきたいポイントとしては、「どの妨害カードがこのゲームのロック状態を作るにあたって必須なのか」というところでしょうか。

例えば、「ゾロアークGX」「シルヴァディGX」等が採用されたデッキに対してロック状態を作るには、ハンデスに成功したところで「無人発電所」が無いとロック状態は成立しません。
しかし、そういった場にいるだけで特性を働かせるGXポケモンが入っていないデッキに対しては、必須というわけではありませんので、他のカードを優先することが出来ます。

こういった点に関しては、各デッキへの相性の部分で触れていきたいと思います。

もし妨害カードがサイド落ちしていなかった場合は、「エンニュート」や「Uターンボード」といった、必須ではないがより展開を助けるようなカードを適宜選択し手札に加えられる強力なサポートとして使うことが出来ます。

総括すると、

・初ターン

ウツギ博士のレクチャー、オーキド博士のセッティングを使用し
バトル場:アローラロコン
ベンチ:ヤトウモリ ヤトウモリ ヤトウモリ アブリー といった盤面を目指す。

・序盤 相手のサイド5~6

アローラロコンの「みちしるべ」を使用して、エンニュートとアブリボンを成立させる。
クラッシュハンマーは相手のテンポを崩せそうなら雑に使って良い。

・中盤 相手のサイド3~4

ヤレユータンの「リソースマネージメント」を使用して、序盤で雑に使った妨害カードを山札に返しつつ、必要なパーツを集める。
グラジオで、サイド落ちしてる必要なパーツを集める。
不要なカード「ポケギア」「ウツギ、オーキド」辺りはトラッシュ出来るならして、相手のリセットスタンプに備える。


リセットスタンプの1枚目をこのタイミングで使う。これは相手のリセットスタンプへの抑止になる。

・終盤 相手のサイド1~2

三種の神器である「カウンターキャッチャー」「リセットスタンプ」「ムサシとコジロウ」を使用して、「ザクザクピッケル」を使い、不要なカードをトップに固定。「ロック状態」にする。

「リソースマネージメント」で「ザクザクピッケル」を含めた適切な3枚を戻し、よりロック状態を強固にするか、相手の山札を減らし勝利を近付ける。

・勝利

全ての対戦相手に対してこの流れを取るため、特に悩む場面が発生しない。

強いて言うなら、序盤~中盤に効率良く妨害カードを使って相手のテンポを崩すことが出来るかという部分で、各環境デッキへの戦い方が変わると言えます。

終盤に「リソースマネージメント」で戻すことが多いカードは以下。

・ザクザクピッケル(確定)

・カウンターキャッチャー、リセットスタンプ
ロック状態に入った場合必要のないカードだが、「ザクザクピッケル」のアタリが悪かった時などに復帰されてしまうとこれらがないとそのまま負けてしまうため、戻しておくことでイレギュラーな場面も再ロックすることが出来る。

・クラッシュハンマー
相手のバトル場「逃げエネ1のポケモン」 ベンチ「攻撃出来るポケモン」
という状態の時にザクザクピッケルで「エネルギー」「エネルギー」「サポート」というハズレを引いてしまった際に建て直されないように、ベンチの「攻撃出来るポケモン」のエネルギーを破壊しておくと勝利が確実になる。

・ムサシとコジロウ
ザクザクピッケルで山札を固定しても、ドローは出来るため手札は増えていく。
そうなると、相手の「ハイパーボール」などが解答になってしまう場合があるため手札が2枚になったタイミングでムサシとコジロウを挟むことになる。

・炎の結晶
毎ターン「あぶりだす」を1回は使うため、どこかのタイミングで挟まないとエネルギー不足になってしまう。「ムサシとコジロウ」の手札コストに困った時も、炎の結晶があれば安心。

・ジュジュベ&ハチクマン
これを使わなくてもゲームには勝てるのだが、これを使わないと制限時間内にゲームに勝つことが出来ない。
基本的にはクラッシュハンマーのような、勝利を強固にするカードを先に使ってからLOに移行したいが、時には制限時間を見て多少のリスクを背負う必要もある。

◆各環境デッキへの相性

ここでは真に勝手ですが、一部特殊なプレイをすることで相性差が変わるマッチアップや、採用率が低いながらも特定のカードが入っていると相性差が変わるデッキタイプもあるのですが、「基本的には」という評価をしています。

・有利
【レシラム&リザードンGX】
【ミュウツー&ミュウGX系統】
【カラマネロ系統】
【3神系統】
【ゾロアークGX系統】
【ルカリオ&メルメタルGX】
【ピカチュウ&ゼクロムGX】
【レシラム&ゼクロムGX】

・五分
【ゴルーグ】
【サーナイト&ニンフィアGX】

・不利
【グランブル】
【ひかるミュウ+オーロット&ヨノワール系統】
【3神+ミカルゲ】

見ての通り、ほとんどの環境デッキに対して有利と判断しました。

・【レシラム&リザードンGX】

アタッカーの要求エネルギーが4枚と非常に多く、逃げエネも重く、多枚取りの手段も無く、復帰出来るカードが少ないと有利な要素が4つ重なりほぼ負けることはないと見ていいでしょう。

キーカード
→特にナシ

バトル場に縛る事が多いポケモン
→カプ・テテフGX デデンネGX マーシャドー等

・【ミュウツー&ミュウGX系統】

先攻カキ+クロスディビジョンGXやレイジングアウトGXといった構築は今ではほぼ存在しません。
「ターボストライク」でベンチポケモンにエネルギーを供給出来ますが、肝心のバトル場の「ミュウツー&ミュウGX」のエネルギーを破壊して、「無人発電所」を設置すれば問題ないでしょう。

「混沌のうねり」を破壊して「無人発電所」を設置するために、フィールドブロアーを確保しておく必要があります。

キーカード
→「無人発電所」

バトル場に縛る事が多いポケモン
→マーシャドー(リセットホール)

・【カラマネロ系統】

一見、無限エネルギー機関であるカラマネロ系統が辛いと感じるかも知れませんが「カラマネロ」を出してくれた時点でそいつを縛ってしまえばいいだけです。
対戦相手は基本的にカラマネロを使って2ターン目から「ナイトウォッチャー」を狙ってきます。ここで「みちしるべ」したポケモンを2枚抜かれたりすると勿論厳しい戦いになりますが、1体でも残っていれば徐々に2ハンデス等気にならない手札の内容になっていきます。
前に出てきたオーロット&ヨノワールに「クラッシュハンマー」をして「トキワの森」を破壊したりすると殴られないターンが出来て余裕が生まれたりもします。

キーカード
→特にナシ

バトル場に縛る事が多いポケモン
→カラマネロ

・【3神系統】

ここを有利とすることに驚いた方は多いのでは無いでしょうか。
しかし考えてみると単純な話で、結局のところは相手のサイドが2枚になったタイミングでロック状態を作るだけですから、それが他のデッキよりも少し早い可能性があるというだけで、ほとんどの構築は「クラッシュハンマー」によりテンポを崩すことが出来ます。

フリーザーGXを使ったところで、サイドを3枚取られようと倒せるポケモンの数は3体と変わりません。なので雑にコールドクラッシュGXを使ってテンポを取っても大丈夫です。

☆tips☆
「3神+ラフレシア」だった場合は、エンニュートにエネルギーを貼っておくことと、「ポケモンいれかえ」をキープしておくことを忘れないようにしいましょう。
突然の「にがにがかふん」により「リソースマネージメント」が出来なくなり自分がLO負け・・・なんて展開になりかねません。

キーカード
→「フリーザーGX」

バトル場に縛る事が多いポケモン
→3神

・【ゾロアークGX系統】

殴りだしが早く、グズマを使って的確にエンニュートを倒してくることなどから手強い相手に思えるかも知れませんがそんなことはありません。

まず重要なポイントとして、ワザに使うエネルギーが「ダブル無色エネルギー4枚」に頼っていることによって、クラッシュハンマーのエネルギー破壊が非常に有効です。単純にエネルギー切れによるロック状態の成立もありえなくは無いでしょう。

☆tips☆
「ジュジュベ&ハチクマン」の追加効果である、「ベンチを3枚にまで減らす効果」はこの対面で非常に重要になります。
ゾロアークGXがワザ「ライオットビート」でヤレユータンを倒すにはベンチにポケモンが5体いることが条件となりますが、「ジュジュベ&ハチクマン」によりベンチポケモンを削るとその返しでヤレユータンが倒されない可能性が高まります。
後半はベンチに「エンニュート✖2」「アブリボン」や「エンニュート✖3」がいれば特に問題もないため、積極的に狙っていきましょう。クラッシュハンマーやリセットスタンプ、無人発電所なども絡めると生還率は増します。

「無人発電所」を絡めたロック状態が必ず必要になります。
リセットホールのマーシャドーをバトル場に引きずり出し、トラッシュされないようにしましょう。

キーカード
→「ジュジュベ&ハチクマン」「無人発電所」

バトル場に縛る事が多いポケモン
→マーシャドー(リセットホール)

・【ルカリオ&メルメタルGX】

基本的には「ヘビーインパクト」を打たれ続ける展開になります。
攻撃のエネルギーも重く、逃げエネも重いため勝ちやすい相手かと思います。

「アローラロコン」「メタモン◇」「アブリー」「アブリボン」は「こうてつのこぶし」で一撃で倒れてしまうため、1ターン目などはバトル場から交代出来るのであれば交代しましょう。余計にサイドを取るのが早まってもいいことはありません。

☆tips☆
相手が「ゲノセクト」を使ってダメカンをバラ撒いて来た際のテクニックです。
ダメカンがいい感じにのってきたところで、「ジュジュベ&ハチクマン」を追加コスト付きで使い、ダメカンの乗ったポケモンをトラッシュに送ります。そしてレスキュータンカを使い山札に戻して、そのまま引き戻す。このテクニックがあれば相手はゲノセクトを使ってサイドを取ることが出来ないため、山札かエネルギーを破壊し切って問題なく勝利することが出来ます。
これはカラマネロ系統の「デプスボム」であったり、「かいてんひこう」などを使ったデッキに対しても同様に使えるテクニックです。

キーカード
→特にナシ

バトル場に縛る事が多いポケモン
→ルカリオ&メルメタルGX

・【ピカチュウ&ゼクロムGX】

少しだけ要求札の多いマッチアップです。

対戦相手が狙ってくるのは「6エネフルドライブ」による2枚取り。
「ゼラオラGX」の迅雷ゾーンにより、逃げエネを縛られなくすることも考えられます。

重要になってくるのは「フリーザーGX」です。アブリボンの「みつあつめ」で水エネルギーを、「オーキド博士のセッティング」でフリーザーGXを呼ぶことが出来ます。相手のピカチュウ&ゼクロムGXにエネルギーが6枚ついたところを「コールドクラッシュGX」でエネルギーを刈り取ります。

その後別のポケモンで攻撃されますが、ハンデスした後ピカチュウ&ゼクロムGXを呼び出し、「無人発電所」で迅雷ゾーンを止めてロック状態を作ります。

相手が逃げエネを縛られないために雷エネルギーを既に多くのポケモンにつけていた場合、フリーザーGXでトラッシュ出来た6エネを含めて山札にはエネルギーが残っていないこともあります。

「ミュウ」を囮にすることで、アブリボンが狙われることを防いだり、フリーザーGXを揃えるまでのターンを稼いだりすることが出来るのも重要です。

キーカード
→「フリーザーGX」「ミュウ」

バトル場に縛る事が多いポケモン
→ピカチュウ&ゼクロムGX

・【レシラム&ゼクロムGX】

大火力を出すポケモンですが、対して意味はないのでゆっくりとレシラム&ゼクロムGXを狙います。

攻撃に必要なエネルギーは「炎」「雷」の2種類なので、どちらか片方を常に狙うようにしましょう。
「クロスブレイクGX」には気を付けたいですが、バトル場のレシラム&ゼクロムが攻撃出来ない状況を作ることを目指すので、ベンチにしかエネルギーの付かないNの覚悟はそこまでの驚異にはならないはずです。

キーカード
→特にナシ

バトル場に縛る事が多いポケモン
→レシラム&ゼクロムGX

・【ゴルーグ】

ゴルーグは、【ゾロアークGX系統】の項と同様に特殊エネルギーに依存している部分を突いて闘うことが出来るデッキです。

ですが、「やぶれかぶれ」を多く積んでいるデッキということ、「ヤレユータン(さいはい)」「ゼブライカ(はやがけ)が採用されていることが多いというデッキであることにより、負けてしまうことがあります。

勝ちパターンとしては、しっかりエンニュートが展開出来た上で、クラッシュハンマーで相手の「ダブル無色エネルギー」を割りながら、相手のヤレユータンやゼブライカなど、攻撃出来ないポケモンをバトル場に引きずり出すことです。

これにより、相手は「いれかえ札」+「攻撃するためのエネルギー」を要求されることになります。
デッキの構造上「グズマ」が採用出来ないので、「ポケモンいれかえ」「Uターンボード」などはそこまでに使った枚数が重要になってきます。

この対戦では、相手に「ムサシとコジロウ」がほとんど効かないため、「ジュジュベ&ハチクマン」をドンドン使って相手のデッキ内リソースを削っていきます。

☆tips☆
「ジュジュベ&ハチクマン」で相手のデッキの「グラジオ」を落とすことが出来ればその時点で勝ちが決まります。博打のようなものですので積極的に狙うことは勿論しませんが、余裕のあるターンというのは必ず発生するもので、そういった時に「ザクザクピッケル」を絡めて探しに行くというのは1つの勝ち筋として覚えておきたいところです。

キーカード
→特にナシ

バトル場に縛る事が多いポケモン
→ヤレユータン、ゼブライカ

・【サーナイト&ニンフィアGX】

ほとんどの対戦では有利に動けるのですが、この構築に関しては相手が「サイドを1枚も取らない状態で、グズマでアブリボンを狙いながら6エネミラクルマジカルGXを決める」というメタプレイを取ってきた場合に非常に不利になってしまいます。

もちろん相手の準備に対してこちらからも「クラッシュハンマー」「リセットスタンプ」など妨害することは出来ますが、それらの上からほとんどの場合相手に上記の戦法を取られてしまいます。

しかしそれはこちらが「グズマ不採用」であったり、「フリーザーGX採用」が知られていたりと完全なメタプレイになってしまうので、五分としました。

ほとんどの対戦相手は、カレイドストームでサイドを取り進め、6エネミラクルマジカルGXを狙ってくるタイミングでこちらはフリーザーGXを当てたり、アブリボンを倒されなければそのまま復帰したりと立ち回れるため勝てるはずです。

キーカード
→「フリーザーGX」

バトル場に縛る事が多いポケモン
→サーナイト&ニンフィアGX

・【グランブル】

グランブルは、「マグカルゴ(じならし)」+「ヤレユータン(さいはい)」がどうしようもないです。

勝ちパターンとしては、トキワの森をトラッシュしておきつつ「カウンターキャッチャー」「クラッシュハンマー」を使って毎ターン「エネルギー」+「いれかえ札」+「手札0」を要求しつつ、山札を「ジュジュベ&ハチクマン」で削り切るです。これらのうち1枚はじならしで確実に加えられてしまいますが、3点要求を序盤から常に行うことが出来れば勝てる可能性はあります。しかし毎ターン「リソースマネージメント」で「カウンターキャッチャー」「クラッシュハンマー」を加えながら「ジュジュベ&ハチクマン」を狙うには表を出す確率をある程度求められますし分の悪い戦いであることは間違いないでしょう。

・【ひかるミュウ+オーロット&ヨノワール系統】

準備段階での「みちしるべ」の返しに「やぶれかぶれ」+「ナイトウォッチャー」をされてしまうとまず勝てません。

特に現在流行の形は「リセットスタンプ」が3枚搭載されており、雑に打たれても厳しいです。

オマケにひかるミュウの逃げエネが0ときてます。なので縛れるポケモンがヨノワール&オーロットになってくるのでフリーザーGXでエネルギーを破壊する必要があります。

先攻を取り、2ターン目でエンニュートやアブリボンを擁立出来るかどうかが鍵となりますが、「みちしるべ」を使わずに揃えるということなので、厳しいことには変わりないでしょう。

・【3神+ミカルゲ】

こちらも「ヤレユータン(さいはい)」が入ってることと、1エネで攻撃出来る「ミカルゲ」が入っていることが厳しいポイントになってくる相手です。

勝ちパターンは【グランブル】の時と同じで、「エネルギー」+「入れ替え札」を要求し続けることになるのですが、「ヤレユータン(さいはい)」によりハンデスが狙えないことと、グランブルと違って3回攻撃されてしまうと負けてしまうという部分が異なります。

「ジュジュベ&ハチクマン」で相手の「グズマ」などいれかえカードを多く落とすことが出来ればといった感じでしょうか。


以上になります。

最後に、上記で紹介しなかったテクニックについてです。

☆tips☆

・メタモン◇

このデッキはHANDと違い、メタモンが倒されてしまっても特に何の問題もなく、アブリボンに進化する選択肢を持てるポケモンなので積極的に序盤から使用して問題ありません。
ただし、HP40であることによって倒される可能性がある対戦相手の場合は慎重になることや、アローラベトベトンによって腐ってしまう危険性などは考慮しましょう。

・アブリー

アブリーは逃げエネが0のポケモンです。なので、オーキド博士のセッティング ウツギ博士のレクチャーを用いた初動のポケモン選択では余裕があればメタモンとセットで並べておきたいポケモンです。
注意点としてはアブリボンに進化すると逃げエネは1になってしまう点でしょうか。

・フリーザーGX

フリーザーGXは逃げるためのエネルギーが2、GXワザは自分のエネルギーもトラッシュしてしまうため次のターンにスムーズに「リソースマネージメント」に繋ぐことが出来ません。

「ポケモンいれかえ」の採用はこの部分のテンポを埋める意味合いが大きいです。

「ポケモンいれかえ」でフリーザーGXをベンチに下げてから、「ジュジュベ&ハチクマン」を追加コスト付きで使用すると、GXポケモンをトラッシュに送り込むことが出来るため、サイドを2枚取られる心配がなくなりつつ、ヤレユータンをバトル場に送り出せます。
このテクニックは多くの試合で使うため、覚えておきましょう。

・フィールドブロアー

主には「混沌のうねり」を破壊しながら「無人発電所」を設置するための採用ですが、エスケープボードのついた逃げエネ1のポケモンをバトル場に引っ張り出す選択肢に加えるためにも使えることや、相手のトキワの森をトラッシュしてエネルギーを貼れないターンを作る可能性を高めることは重要です。
「ポケモンのどうぐ」に関しては、「こだわりハチマキ」など試合に関係ないグッズは無闇にトラッシュしないよう気を付けましょう。エスケープボードなどを貼れるようになってしまい、逆転される恐れがあります。

・手札コスト

「オーキド、ウツギ、ポケギア、アローラロコン、ミュウ」は後半完全な不要稗となるため、「ジュジュベ&ハチクマン」「ムサシとコジロウ」のコストで積極的にトラッシュしておき、リセットスタンプに備えましょう。

・相手のリセットスタンプ

常に相手のリセットスタンプを受けても山札を引ききれる状態をキープしましょう。
自分の場に「エンニュート」「エンニュート」「エンニュート」「アブリボン」がいる状態であれば、「6枚ドロー」「ターン開始ドロー」「みつあつめ」「あぶりだす✖3」で18枚まで引くことが出来ます。つまり山札がリソースマネージメントの後の3枚だった場合、手札は15枚まで持っていていいことになります。こういった計算は試合中にやるより、事前に一人回しで理解しておくといいかも知れません。

・対ミラー

ミラーでは、最終的に「レスキュータンカ→3枚戻す」「リソースマネージメント」という流れを作ることで相手の「ジュジュベ&ハチクマン」によるLOを防ぐループ状態にお互い入ってしまいます。

そこで編み出した対策として、

溜め込んだ「クラッシュハンマー」「リセットスタンプ」と併せて相手が逃げ辛い状態を作り、ヤレユータンのワザ「うんちく」を使って相手のヤレユータンを混乱にするというものです。

これによって相手が「ポケモンいれかえ」等を採用していなかった、もしくはトラッシュに送ってしまっている場合50%で相手の「リソースマネージメント」を使えないターンを作ることが出来ます。

勿論これは知られていては決まらなかったり、相手の構築によっては決まらないような戦法ではありますが、実際のトーナメントシーンではこの勝ち筋を知っているかどうかで変わることもありますので、大事な考察だったなと考えています。

◆第13回サントス杯 対戦レポート

1R ほっぺすりすり ◯

「すりすりはつでん」された後に「ジュジュベ&ハチクマン」の追加効果により、エネルギーを大きく削る。
それにより、ヤレユータンが生き残るタイミングが出来、クラッシュハンマーを多く使うことが出来た。最終的に相手のエネ切れで勝利。

2R ルカリオ&メルメタルGX ◯

まさかの、ヤレユータン(さいはい)入。ハンデスは難しいと見て、エネルギーを割り切る展開を狙うことに。
ダブル無色エネルギーをクラッシュハンマーで壊すことで相手のテンポを崩すことに成功、相手がクラッシュハンマーに怯えて余分にエネルギーをつけたところを「コールドクラッシュGX」。エネ切れに追い込んで勝利。

3R 3神+ラフレシア ◯

相手の3神GXをクラッシュハンマー複数枚でテンポを止めることに成功。「にがにがかふん」を警戒しつつ、エンニュートにしっかりとエネルギーを貼りながら相手のエネルギーを破壊。出てきたラフレシアは、「かえん」2発でしっかりと倒し、LOさせ勝利。

4R ゴルーグ ◯

相手にゼブライカを立てられてしまうが、エネルギーを引けないターンがあり、その隙にエンニュートを並べることに成功。
エネルギーを割り続け、ギリギリだったが「エネルギー」+「いれかえ札」要求しつつ「ジュジュベ&ハチクマン」でLOを狙う体制となり、勝利。

5R レシラム&ゼクロムGX ◯

カキでエネルギーのついたレシラム&ゼクロムGXに対して、コールドクラッシュGX。ロック状態に入るも、エネルギー28枚型のデッキということでザクザクピッケルで見てもエネルギーしか見えない。常にクラッシュハンマーを複数枚持って、相手のエネルギーをしっかり割り切るようにして、LO勝ち。

6R アーゴヨン&アクジキングGX+ムウマージ ◯

相手は「レッドバイキング」のアクジキングにエネを貼って戦ってくる姿勢。

「コールドクラッシュGX」を使いエネルギーを全てトラッシュ、ダブル無色エネルギーもクラッシュハンマーでトラッシュすると、攻撃するためのエネルギーがなくなったようで投了。

決勝戦 3神+シルヴァディGX ◯

相手は3神にエネルギーを貼るスタートだが、そこをクラッシュハンマー複数枚で妨害に成功。
すると相手はエネルギーとサポートが引けない事故、何もしてないのにロック状態に突入する。
すかさずザクザクピッケルを使ったループ状態に持ち込む。そのままLOで勝利。


7-0,全勝で優勝することが出来ました。

この日は時間制限の無いルールだったこともあり、無理に「ジュジュベ&ハチクマン」を狙わずにゆっくりとエネルギーを破壊して確実に勝利するルートを選べたことも一因としてあったかと思います。

こうしてレポートを書いていると、一見クラッシュハンマーで凄く表が出ているように見えますが、実際の表率は3~4割でした。2枚使って1枚割れるカードとして捉えておくのが丁度いいかと思います。


◆使ってみるまでわからなかった、その対策。

ここまでで、各デッキ相手の戦い方を読んで頂いた方にはわかるかと思いますが、現状のトップメタデッキでは具体的なプレイでの対策というのは特にありません。

・逃げエネが重いポケモンを出さない

というのは昔からLO対策として有名な手法と自分も思っていましたが、このエンニュートLOは相手の場に「逃げエネ1のポケモン」が存在していれば良く、仮にエネルギーがついていても「クラッシュハンマー」してしまえば良いのです。

ただ、「ザクザクピッケル」でエネルギーもハズレになってくれる点や、相手のクラッシュハンマーの表を要求出来ることなどで当然対策にはなるでしょう。無駄ではありません。

・攻撃に必要なエネルギーが少ないポケモンをアタッカーにする

これも重要でしょう。エンニュートLOに対しては「120」ヤレユータンを倒せる打点さえ確保出来ればいいわけですから、自分のデッキに採用されているアタッカーの中で誰を選ぶかというのをしっかり考えることも対策の1つです。

個人的にベストな対策、それは

・事故らせる

これに尽きます。

この「エンニュートLO」の弱点は、「みちしるべ」でのパーツ集めに依存しているそのラグです。

相手がHANDであることを考慮し、「リセットスタンプ」を温存・・・なんてことを考えてはいけません。「みちしるべ」のタイミングで即打ちます。「やぶれかぶれ」なら尚良いでしょう。

引き直した手札でエンニュートを1体作られてしまったら、そこをグズマで狩りながら、また手札を流すことを目指しましょう。

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「アブソル」なんかも序盤は重要です。
逃げエネ切って「みちしるべ」という流れが基本となるデッキなので、そこで1ターンラグを作れることは非常に重要ですので覚えておきましょう。


もう一つは、

・ピンポイントの対策カードを入れる

ことです。


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無色エネルギーで動かせるポケモンによる対策もあります。

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面白いところでは、相手が山札を3枚にしてきたところで突然「ジュジュベ&ハチクマン」を打ち込んでやるという選択肢もあります。

どうしてもデッキは歪んでしまいますが、これだけ強いエンニュートLOというデッキです。もちろん使う人は一定数いるはず、となれば対策カードに枠を割くしかない・・・そんな考え方ももちろんあるでしょう。「当たったら事故」そう割り切ることも大会では重要です。対策カードの枠をしっかりと考え、どれぐらいメタを貼るかという部分の話になってきますね。

◆終わりに

いかがでしたでしょうか。

拙い文章にはなりますが、これを読んで「LOを使おう」「LOを対策出来た」という方が一人でもいらっしゃれば幸いです。


シティリーグでは、「不利」とする【グランブル】【3神ミカルゲ】に2敗してしまうという結果に終わってしまい、不甲斐なさを感じると共に、「ルカリオ&メルメタルGXを使用してLOに2回当たったCL東京」に続き、どうしても当たり運の悪さを嘆いてしまう部分もあります。

ですが、常に新しい発見があり自分の成長を感じることが出来て、ポケモンカードは凄く面白いです。
この後のCLも、抽選にはなってしまいますが考察を続け良い結果が出せたらと思います。

最後は自分語りになってしまいましたが、ここまで読んだくださった方々へ、ありがとうございました。


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