近況報告(3月14日)


 ■「キネマ探偵カレイドミステリー 輪転不変のフォールアウト」が発売します
 3月23日発売です。アンコールの方は1冊目を読まなくても読める構成になっているんですが、フォールアウトは1冊目を読まないとちょっと話がわからないかもしれません。逆に言うとキネミスを読むとそのままフォールアウトを読んでも大丈夫です。
 キネミスで描いたものを全て反転させて描こう、ということと、それでいて根底に流れているテーマは一貫して書こう、ということを大切にしました。というわけで話の内容がキネミスと対になっています。読んだら『うわっ対だ!』になると思うので、併せて楽しんで頂けると幸いです。美しいフィクションが凄惨な現実を救う。
 今回、本の中に見取り図を入れたい! と言ったら本当に入れて頂けることになったんですが、絵が下手なのでデザイナーさんに結構な迷惑をおかけしてしまいました。ミステリー作家は絵が上手い人が多い気がするんですが、あれは必須スキルだったんですね。

■台湾とクソガチャ
 1000円ガチャ自販機が好きです。ご存知でしょうか? 1000円入れるとディズニーランドのチケットやPS4が当たったりするかもしれない夢の自販機なんですけど。今まで謎の大仏や壊れかけのイヤホンしか当たってませんが、いつかはPS4が当たるんじゃないかと期待しています。
 新刊の出るストレスに耐えきれず台湾に逃亡したら、台湾にもそういう自販機がありました。値段は100台湾元(300円)でした。iPodが当たったりiPhoneが当たったりするようです。やりました。車のエアコンの部分にスマホが取り付けられるようになる器具が当たりました。そこにつけたらエアコン作動しなくないですか?
 このクソガチャの他はよく覚えていません。台湾楽しかったです。

■「パン屋初襲撃」
 大学卒業記念短編でした。小説について語る小説、メタ小説ラブストーリーです。
 現実はただ過ぎ去るのみであるが、フィクションによって永遠を生きることは出来る、即ちどれだけ現実を蹂躙しても麗しのフィクションに尽くすべし!
個人的に大学生活の総括だったので、キネマ探偵のテーマの逆を行こうと思いました。
 菱崖小鳩と瀬越歳華の思想にはズレがあるけれど、気付かない内はハッピーな話です。ままならない現実を下敷きにしてフィクションを生み出すことは、逆説的に現実を愛せるんじゃないか? という考えは、現実の犠牲を簡単に踏み越える。
 タイトルは村上春樹『パン屋再襲撃』より。これも大学生活で傾倒していたので、そういうことです。瀬越歳華と菱崖小鳩の話はあと二本くらい書きたいですね。

■「出られない部屋の殺人」
 確かどこだかの教会の家具搬入方法が話の基になっています。壁沿いに無い家具の話です。SAWが好きなのでセックスしないと出られない部屋も好きです。
 助手半年目くらいの策間一利と、そこにいない誰かの為に目を覚ますハイムリック北崎の話でした。午前四時は他人の時間。不在であるから影はより濃い。
 この短編の話を聞いた先輩が「テレフォンセックスでクリアできるだろ」と言っていました。そうですね。

■「死体埋め部と恋するエウヘメリズム」
 ここ一年の内に書いた小説の中で一番好きです。ぐちゃぐちゃに絡み合ったのっぴきならない関係の中で、一人凪いだ振りをしている織賀善一の話でした。信仰と愛情ってあまりに似ているから困る。
 あと一話で終わりの予定なんですが、17日に間に合わない予感がします。ソシャゲはやめたくありません。

■「グレイテスト・ショーマン」と「シェイプ・オブ・ウォーター」を観ました。
 二つとも大当たりでした。グレイテスト・ショーマンを観た後は踊りながら劇場を後にしました。夢に対して愚直に頑張る物語は心にくるものがあります。何を諦めて何を諦めないで良いのかをどうやって知ればいいのかわからないまま生きていくのは恐ろしいから、こうして直接手を引いてくれる映画は道標になりますね。
 誰かを笑顔にするエンターテインメントと、芸術として評価されるエンターテインメントの話も面白かったです。誰に見て欲しいのかを見誤ると苦しい。何をしたいかを見誤るとつまらない!
 『シェイプ・オブ・ウォーター』が特に踊ろう! という映画ではなかったんですが、異形のものとのラブストーリーはストレートに良かったです。魚人に肩入れしてしまう研究者のディミトリという男がいるんですが、彼の人間っぽさがあまりに上手い。ディミトリは一時の感情や感傷に弱く、それに振り回されての行動が異様に目立つんですよね。目の前にドラマチックなことが起これば感動しちゃうし、それはそれとして拷問には屈するし、最後の最後でくだらないプライドを使って相手を嘲笑おうとしたりもする。
異形の者とのラブストーリーが主軸に置かれている割には、周りの人間たちがあまりに人間なので愛おしいです。

■ブログ
 復旧して欲しいですね。失ってから大切さに気付くなんて、ちょっと寓話的過ぎませんか?

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