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ディレクターが考える「UXライティング」

こんにちは。ゆぎです。
先日ウォンテッドリーさんで開催されたイベント「テキストコミュニケーションを科学せよ! UXライティングサミット2019」に参加してきました!
主にデザイナー/ライターをメインターゲットにしたイベントでしたが、ディレクター視点としてもかなり勉強になるものでしたので、備忘も兼ねてnoteにまとめたいと思います。

ちなみに、当日の加勢さんのスライドはこちら

UXライティングって何だ

そもそも「UXライティング」とは、何なのだろうか……。イベントに参加しておいて、なのですが、予備知識は全くと言っていいほど持ち合わせていませんでした。

UXは「User Experience」の意味であることは理解しており、また「ライティング」がこの文脈ではコピーライティングに近しいものなのかなと考え、そこから連想して「"良い"ワードをつかってUXの質を向上するもの」だとかなりざっくり定義していました。

そんなとき、ウォンテッドリーさんのイベントページ内に記載されている以下のようなまとめを発見。

「UXライティング」
それはテキストというツールを駆使して、プロダクトやサービスの世界観がユーザに届くまでの最短距離の道筋をデザインすること。

なるほど、深い

ボタンのラベルひとつとっても、そのプロダクト・サービスを表す要素のひとつであり、言い換えればテキストによってプロダクト・サービスの世界観は左右されうる。
テキストで自己(プロダクト・サービス)を表しつつ、それによって自己をユーザーに体験してもらうと。

うまく言語化できている自信がありませんが、UXライティングとは何か、が少しわかったような心持ちで、イベントへ臨みました。

いざイベントへ

ウォンテッドリーさんのオフィスには初めて行ったのですが、イベントスペースの内装がめちゃくちゃ素敵でした。あと照明と音響もおしゃれでした。
あとは駅近くにあるプラチナドンキがすごかった。そういうブランド展開もアリなんだ。

さて話がそれましたが、イベントはゲストスピーカーの永井さんと、ウォンテッドリー編集者の加勢さんのパネルディスカッションからスタート。
UXライティング以前に、UXそのものの勉強もあまりしたことのない自分にとっては、どのお話しも非常に興味深いものでした。

その中でも特に「神は細部に宿る」そして「UXライティングとはプロダクトの声を作る作業」というワードが印象的でした。

日々クラウドサインのプロダクト開発に携わっていますが、仕事をすすめる中で、目線が俯瞰的になりすぎていないか?と、ハッさせられました。

例えば、
「特定のユーザー向けにこの機能を作るのはいいが、この機能自体が不要なユーザーにとって苦痛にならないか」
「並行して進んでいる他機能との整合性は問題ないか」
など、現状機能のディティールを詰める作業よりも、その機能自体やその周囲に目を向けている時間の方が長い気がしています。

俯瞰的な目線でプロダクト開発に臨むこと自体が悪いというわけではなく、そちらに比重を置きすぎて、細部 = テキストひとつひとつへの意識が疎かになってしまっていることが問題だなと思いました。

もちろん各種文言が適切かどうか、誤解を招かないか、表記ゆれがないか、といった確認はしていますが、その作業が、一語一句がプロダクトの声を作っている意識はあるか、と問われると……。

考えてみれば当然で、ユーザーからすれば、開発の過程や他機能との兼ね合いなんて気にする必要はなく、実際、ほとんどの人がしていないと思います。
それよりもユーザーにとっては、日々目に触れるテキストやボタンに書かれている情報の方がはるかに重要なのでは?ならば、そこに意識をもっともっと向けるべきなのでは?

この気づきを得られたことは、この日一番の収穫だったと思います。

「スカウト」を言い換えるなら?

パネルディスカッション後には「Wantedlyの『スカウト』のボタンを他のテキストで言い換えるなら何が良いか?」を考えるワークショップに取り組みました。

その結果がこちら。
4人グループで取り組み、これだけ様々な意見がでました(ゆぎは赤字のやつです)。個人的には「パーティーに入れる」が好き。パーティーに選ばれたい。

この中からベストをひとつ絞り……

ゆぎのグループでは「見つけました」を採用!
他のグループは「会いたい」や「やっと会えたね♡」などの案が出ていました。実際ボタンに「やっと会えたね♡」って書いてあったら笑いながら押しまくると思う。

UXライティングにおいて、ディレクターができること

さて、イベントを経て多くを学んだわけですが、ここで、じゃあデザイナーでもライターでもない、ディレクターである自分に一体何ができるのか?という疑問が生まれます。

これについて、クラウドサインにてゆぎが取り組んでいる「ユビキタス言語一覧」の作成が一つの回答になり得ると考えています。

これはいわゆるクラウドサイン内での用語集で、例えば「書類送信者」は「送信者」「送信ユーザー」「送信側」「作成者」など様々な言い回しが可能ですが、原則表記ゆれをなくし「書類送信者」にまとめましょう、といったルールの一覧です。

実際に加勢さんのスライドにも

声の統一性を担保し、UXの基盤を強くするためにも、用語集やコミュニケーションガイドラインを運用・保守する専任者がいると良い。

と記載されています。

この「ユビキタス言語一覧」自体、作成はしたもののまだまだ甘く、完璧に運用されているとは言えません。
しかし、このワードが営業資料にはなんと書かれており、それがプロダクト内ではなんと言い換えられているか、また、FAQでは資料・WEB両方からきたユーザーにとってわかりやすい表記がされているか、などの確認の際に有用なツールになっています。

営業やCSなど、ビジネス側との連携を深め、「声の統一性」をより高めていくことが、開発・ビジネス両サイドに関わっているディレクターならではの立ち回りだと考えています。

まとめ

今回参加させていただいたイベントは、これからのプロダクト開発においてもっともっと細部のワーディングに意識を向けること、そして、クラウドサイン全体の言語にもアンテナを貼っていくこと、これらに改めて気づくことができた非常に有意義な時間でした!
ディレクター向けのイベントももっと増えるといいな〜


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