「世の中はさ、2種類に分けられると思うんだ。」

友人のCに向けて、Mは続ける。

「現金を持ち歩く派と持ち歩かない派だ。
まぁ僕はもちろん持ち歩かない派なんだよ。
よく考えてみろよ。
銀行なんかに毎回お金を取られてまで現金を持ち歩いてさ、お金を払う時には小銭と札束を数えて毎回考えるわけだ。ちょうどよく払えるのはどう使えるのか。なんてことを。頭を余計なものに使ってるじゃないか。
スマートじゃないよな。それってさ。
俺なんかだと、クレジットカードと、携帯の電子マネーだけあれば充分だね。
小銭もないし、財布なんてのもいらない。携帯とそのポケットだけで十分さ。」

Cは、「たしかに。スマートだね。でもさ、現金しか使えないなんてところもさあるじゃないか。どうするんだい？」とまぁありきたりな質問をした。

「それなんだよ。問題は。でも簡単さ。
俺は考えに考えた。現金を持たずにどう現金だけの場所で精算するかを。
簡単さ。現金払いしかできないところは全て暗記して、さらに分からないところ、行ったことのない所に行くとなれば、現金払いしか対応してないかどうかを調べるんだ。
そんで、まぁ現金しか対応しないけど行かなきゃならないところは、誰かと一緒に行って、一旦払ってもらう。そして、送金サービスでその分を送金する。
これで完璧さ。現金を持ち歩かずに全てが解決するんだよ。
ところでC、お前はどっちなんだよ。持つ派なのか持たない派なのか。」

「あぁ、なるほど。その分け方で行くと持つ派ではなあるね。
僕もね。キャッシュレスのがスマートなんで、完全キャッシュレスの世界を待ってはいるが、どうも現金がないといけないところのために、財布に現金を少しばかり入れてるからね。」