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私を闇から救ってくれた彼らの話



私は某国民的アイドルグループのファンだ。
これを書いてしまうと
どのグループだかバレてしまうが、
現在活動休止中の5人組である。



話は10年以上前に遡る。
私がまだ高校生だった頃、
精神的に不安定になってしまい
学校へ行くことができず、
昼夜逆転した生活を送っていた。


夜中に起きていると碌なことを考えない。

「私はどうして学校に行けないんだろう」
「世の中もっとしんどい人がいるのに」
「こんなの甘えだ」
「これから先どうしよう」
「みんなに迷惑かけてる」
「生きてていいのかな」


こんなことをグルグル考え、
思考の闇に飲み込まれる日々。

そんな私の心を救ってくれたのが、彼らだった。

寝室へ行っても寝られないのが怖くて、
リビングに布団を敷き、
夜な夜な彼らのコンサートDVDを鑑賞した。


外が真っ暗だろうと、将来が不安だろうと、
時間も忘れて
彼らのキラキラした姿を見続けていた。


国民全員が口ずさめるのでは?と思う大ヒット曲から、
アルバム収録曲、メンバーのソロ曲。

私の、いつ溢れ出すかわからない
不安でいっぱいの心を
あたたかく包み込んでくれたのは、
彼らの笑顔であり、彼らが歌う楽曲であり、
彼らのパフォーマンスだった。

前からファンではあったのだが、
更に強い気持ちで応援するようになった。


その後、私は何とか日常生活が送れるようになり、
高卒認定資格を取得。通信制の大学に入学した。

そして、
何の偶然か私の24歳の誕生日
彼らが2020年いっぱいでの活動休止を発表。
すぐには信じることができなかった。

それでも、彼らが私たちに
心の準備をする時間的猶予を
与えてくれたことに感謝し、
時間の許す限り彼らを応援しようと思った。




活動休止前に行われた20周年記念のコンサート。
運良くチケットをゲットし、ナゴヤドームを訪れた。

コンサートのオープニング。
前方スクリーンに、
彼らの20年間の軌跡が映し出された。

10代の初々しい彼ら。懐かしい楽曲。
私が心救われていたコンサートの映像。

彼らも20年の間に
辛い時、しんどい時、泣きたい時が
沢山沢山あったことでしょう。

それでも
画面の中の彼らは、舞台に立つ彼らは
いつだって笑顔だった。

闇に飲み込まれた私にそっと手を差し伸べてくれた。

そんな彼らへの感謝の気持ちが
とめどなく溢れてきて
オープニングから大号泣。

ありがとう。
いつも私たちの前で
笑顔でいてくれて、
キラキラと輝いてくれて、
闇を明るく照らしてくれて、
本当にありがとう。



コンサートの最後、
とあるメンバーの挨拶。

「僕は、コンサートのタイトル"5×20"の
"20"という数字に感動すると思っていました。
そうではなかった。
この"5"という数字が変わらなかったこと。
そこに感動しています。」

ますます溢れる涙。
活動休止という選択肢をとり、
"5人でのグループ活動"を守ってくれた彼らに
心の底から感謝した。



ただの一ファンの我儘ではありますが、
もしも願いが叶うなら
遠い未来でも構わないので
いつかまた
笑顔の5人を見られる日が訪れますように。


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