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モレスキンは、シンプル・イズ・ベスト…ながら

  好きな色は、赤と黒

私は、モレスキン愛用歴は、すでに年齢の半分を越えて長いのですが、
基本、選ぶのは、黒表紙です。

または、赤表紙。
赤は、アクティブな気力を活性化させてくれる。

これまで、私的なインスピレーションを書き留めるのは、黒モレスキン。
仕事の記録や、旅記録は、赤モレスキン。

陰と陽。
静と動。

自然と、そうした性格付けが定着していました。

  派手さやデザインは自由さを削ぐ

モレスキンは、近年とみに、
さまざまな色や、コラボデザインが、続々と出ていますけれど、
使い飽きず、最後まで持ち続けられるのは、結局は、シンプルな基本色。

あまりににぎやかで、個性的な色だと、
なんだか集中できないし、
表紙を開く前に雑念がわいて、思考が止まってしまうことが多い。

キャラクターや物語が描かれたデザインものは、
持っているだけで満足するのか、
イメージが固定化されてしまうのか、
インスピレーションがわきづらいみたい。
持ち歩きながらも、明らかに開く頻度が落ちます。

そのため、黒と赤以外で、たまに惹かれて購入してみたデザインモレスキンは、
使っている間は、黒革の専用カバーをかけています。
もう二十年くらい愛用していて、手に馴染みきっている、モレスキンカバーです。

  季節限定・桜モレスキン

黒と赤以外、例外的に注目しているのは、
毎年、春先に登場する、
桜デザインのモレスキン。

優しい桜色の、おとなしいデザインと、シンプルな色合いのためか、
ほんのりほっこり、心が浮き立つパターンが多く、
中間色のわりには、雑念にとらわれず使えます。

このへんの感覚は、無意識的なものなので、
理屈で説明できません。

自作で、スケジュール&日録手帳を作る際にも、
桜モレスキンが最適。
一年中、春の初心をいだきつつ、愛用でき、
毎年、どんなデザインが出るか、楽しみにしていました。

黒革カバーに装着すると、淡い桜色の手帳どめが、とても映えて嬉しいんです。

しかし…最近は、桜モレスキンも、コンセプトが変わったのでしょうか。
昨年の桜モレスキンは、ちょっとにぎやかすぎました。

絵画として、デザインは素晴らしかったと思います。
私が、絵を描くためにモレスキンを使うのだったら、刺激を受けてペンが進むように思えたのですが、
文字書きとしては、絵に意識が向きすぎて、
ページを開くほうに、気持ちが向かわない印象がありました。

織られたような表紙は、絵画としての主張が強すぎて、革カバーをつけても落ちつかず、
ノートとしてではなく、飾っておく、眺める…に、留まってしまいそう。

結局、昨年の桜モレスキンには、手が伸びませんでした。 

  アジアンコレクションは、覚悟が要りそう

そして今年も、2月後半くらいから、桜モレスキンを楽しみにしていたのですが。

まだネット通販の画面でしか見ていませんけれど、
なんて素晴らしい…と思ったのが、第一印象。
画家さんの作品でしょうか。

ポケットサイズでも、通常のラージ以上の価格

西行の和歌を連想させるような、
自然美の厳しさを感じる、樹木的な花の姿。
瞑想するように、思索に誘い込まれそうなデザイン。

しかし、お値段にビックリ!
高級品ですね。

長い目で見れば、たとえばピカソやゴッホがモレスキンを愛用した…の名に連なる、
歴史的に、美術的価値ある一冊として、
そして、そこに自分の記録を書き残し、生涯保管できる一冊としても、
決して高くはないのかもしれない…

でも、この物価高のみぎり、
なかなかに、覚悟が必要です。

アジアンコレクションを、これまで見てこなかったので、
改めて、こちらのデザインにも、心惹かれているのですけれど…

侘び寂びの、近世絵画を思わせます

こちらも、同じくお高い。

もともとモレスキン自体が、ノートとしては特別感があるのですが、
これを雑記に使うのは、勇気と覚悟が要るなぁ…

モレスキンユーザーとしては、お値段のことをいうのは野暮だとは思えども。

  それでもモレスキンでなければ

日本製でお手頃で、書き味優れたノートは、豊富にあります。

モレスキンの難点として、
万年筆だと裏写りやにじみが気になったり、
一時期、アクティブノートでありながら、
とてもインディー・ジョーンズが探索に持ち歩くに適せないような、あり得ない品質の低下が見られたこともありました。

けれど、私が途中で投げ出すことなく、
開かずにいられない、ページにペンを落とさずにいられない、
思索にいざなわれずにいられないと、
書き続ける衝動に駆られたのは、
モレスキンが初めてで、
今もその衝動は継続しています。

似た仕様のブランドノートを試したこともありましたけれど、
手にした時のサイズ感しっくり感が、
どうしてもモレスキンでなければ得られず、

結局は、モレスキンに戻ってきてしまいます。

私が使っている万年筆では、裏写りも毛羽立ちも気にならず、
むしろそのにじみやすさゆえに、筆圧をかけずに、軽やかに書けるため、
立ち作業中の立ち書きや、フィールドワークでの走り書きに最適で、
どんなシーンでも、書き疲れを感じることがなく、思考に集中できるのです。

だから、これからも、
黒と赤の表紙を基本に、モレスキンを使い続けます。
ワクワクがとまらぬ、相棒として。

でも、だからこそ、
趣味的なデザインものに特化するのは、愛好家には好ましいのだろうとは思うけれど、

日常使いを超えるほどに、
高級感を強化しすぎないといいなぁ…と、
アジアンコレクションのデザインが魅力的であるだけに、
悩ましく思ってしまいます。

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