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SaaSにおけるカスタマーサクセスは社内外の「hub(ハブ)」であれ #SaaSLovers Day7

はじめまして!
シナジーマーケティングの西村(@sym_nishimura)と申します。
今回は #SaaSLovers という企画の一環で投稿したいと思います。#SaaSLovers は、有志でSaaSに関するブログを書く企画です。今回で6回目となり、今までで110記事くらい上げています。(noteでは70記事程度をマガジンにまとめています

12月の平日、クリスマスまでブログアップします!

昨日6日目は asai さんの「ハンズオン目線のユーザーインタビュー」でした。インタビューの目的やスタンスから何から、メモが止まりません。
まだ見てない方は早く見に行ってください!w

さて、7日目となる本日は私が今年所属しているカスタマーサクセスというポジションにおいて地味だけど意識していたことをお話出来ればと思います。

自己紹介

簡単に自己紹介をします。
西村 将之介(しょうのすけ)です。
シナジーマーケティング というCRM領域のSaaSを扱っている会社で現在はカスタマーサクセスに携わっています。
昔からバスケが好きで、今年は特にNBAで活躍している渡邊雄太選手と八村塁選手を応援するのが日課となっています。
※まさかバスケでも日本人選手が世界で活躍するシーンがこんなに早く来るとは思ってなかったので、めちゃめちゃ嬉しいです。

そもそも「hubハブ」って?

急に「hubハブ」とか言い出しましたが、辞書的には以下の意味を持つようです。

英単語の「hubハブ」の意味は「車輪とかプロペラの中心部」とか「中心地」とか「拠点」とか「中核」とか「中枢」とかです。

「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典 より

この意味からも読み取れるように、

  • ある物体やコミュニティにおける中心的存在

  • それぞれの構成要素をつなぐ役割を果たす

というのが、「hubハブ」に含まれている要素だと理解しています。
※ハブ的存在、とかたまに聞きますよね。

SaaSの、お客様のご意見とともにアップデートを重ねることで価値向上し利用し続けてもらい対価を得るという性質上、既存のお客様に向き合うカスタマーサクセスというポジションはプロダクトとともにその中心にいるべきだと考えています。

ですが、

  • カスタマーサクセスのミッションである「解約率低減/利用深化」は定量的な月次指標で追いかけづらい部分もあり、故に周囲への存在意義/役割を短期的には訴求しづらい

  • 営業が強い組織ではカスタマーサクセスがコストセンターに見られがち

などの理由からなかなかしんどい立場におかれているケースもあるという風に認識しています。

例えば、CSツールを提供している openpage さんが下記のような記事を書いていたり、

CS人材のコミュニティである「CS KOMMONS」にてカスタマーサクセスの地位向上についてのディスカッションが行われるなど、関心の高いテーマです。

私も参加しましたが、みなさん悩みは尽きずけっこう白熱しました

実際に私も今年から社内でカスタマーサクセスグループに身を置き1年取り組んでいきましたが、

  • 一体何やってるグループなの?

  • 指標って何持っているの?

などと社外だけでなく社内からも良く聞かれました。
(関心は持ってもらっていたのでありがたかったです)

そんな中で、どのように社内外と連携し、「hubハブ」になれるよう動いてきたのか。

このポジションだからこそ取り組めるポイントを試行錯誤しながらもいくつか見つけた気がするので、この記事ではそれをお伝えできればと思います。

前提

そもそも大枠で当社がどういう状況にあってメインで何に取り組んでいたのかを記載している記事が下記になります。
本記事を読んで社内体制など伝わりづらい点がもしあれば、ご参照いただけると補足にはなるかなと思います。

この1年大事にしたこと

シンプルに言うとこれです。

重要だけど手が回りづらい部分への連携/貢献

地味だけど組織としては重要だと信じてやり続けることが大事

いわゆる「緊急度は低い(高くない)が重要度が高い」領域ですね。
ここは得てして組織のグレーゾーン、ボールが落ちやすいポイントです。
そこをカスタマーサクセスの名のもとに拾える部分を拾っていくことを1年間意識しました。

ここからは、各部署に対して意識していたことを順番に書いていきます。

セールス

この記事 でも記載しましたが、弊社では現状直接的な顧客接点をほとんどセールスの部隊で持っている関係上、カスタマーサクセスとしても最も連携が必要な領域でした。

お客様コミュニケーション支援

セールスで全てをハイタッチで賄いきることは出来ないので、
情報提供面での後方支援をメールで実施したり、ツール利活用を目的としたウェビナーを実施し、そこに興味のありそうなお客様を呼び込んでもらいました。
セールスからすると、定期的な情報提供はお客様のニーズ検知のためにも大切なので実施したいところではあるのですが、大概がネタ発掘に苦しむんですよね…
定期的にネタを社内から提供してあげるとセールスもラクですしお客様も嬉しい。一石二鳥ですね。

また、秋にはお客様満足度調査も実施しましたが、その際にはお客様向けの一斉告知だけでなく、回答いただきたいお客様にセールス経由で個別に依頼をするということも実施しました。
ただ、これも本来的にはセールスからすると手間のかかる仕事。
そこで、

  • 社内的なお客様満足度調査の意義とお客様にとってのメリット(今回は回答インセンティブがあること)を伝える

  • セールスが1アクションで済むように候補アカウントのピックアップ/メール件名/本文の作成まで行った上で依頼

ということを愚直に実施しました。
あくまでもセールスに「お客様との関係性」のみ借りるという感覚です。
※ここを取り違えた時になかなかセールスが協力してくれない、、、と感じてしまう経験、ありませんか?

その時感じたことをツイートにもしたためていました。

定期訪問時のスクリプト/蓄積情報設計

セールスがなかなか回りきれていないが利用はし続けてくれているお得意先様に対して、定期的にコミュニケーションを取るためのトークスクリプトやお客様の情報診断基準を設計し、セールス側と共通認識を持って動いていきました。

情報診断基準抜粋(あくまで過程なので見せてます)

ここもセールス側としては新しく売上の立つお客様の対応が優先となる中でなかなか日々手が回りづらいポイントであったが故に、活動のリズムを作る上で役立ててもらえたかなと思います。

マーケティング

カスタマーサクセスがお客様と築いた関係性や事例/意見は、それ自体も尊いものですが、社内外に向けて展開していくことで新しいお客様との接点や気付きにもつながっていきます。

ユースケース/事例候補アカウントの連携

マーケティングに貢献出来るポイントして分かりやすいのはここですよね。
オンボーディングやセールスと連携してうまく活用が出来ているアカウントをピックアップし、候補として連携をしています。
マーケ文脈で内容整理した上で事例として公開し、以下に地道に蓄積しています。

例え優先順位やサクセスの時間軸の問題ですぐすぐの話につながらなかったとしても、「どのアカウントが今うまく活用出来ているのか?」がマーケからは意外と見えないものなので、共有しておくことに意義があるなと感じています。

口コミの連携

主にオンボーディング完了したお客様を対象に、IT Reviewの依頼を実施しています。
地道な声掛けの甲斐もあってか、今年1年で「22件」の口コミをいただけています。(オーガニック含む)

前向きなご期待をいただけているからこそ、こういった口コミにも好意的に協力いただけるお客様には本当に頭が上がりません。

現場で抱えている課題感の共有

現場でお客様に向き合って運用に落とし込んだり、利活用促進に向けて動いていく中で、カスタマーサクセスはお客様の様々な課題にぶつかります。

  • データベース項目は最初何があると良い?

  • アンケートでお客様の満足度を取得していく上での最適解は?

  • ウェビナー実施時のおすすめ運用フローは?

  • 実装しておくべきトリガーメールは?

  • CRMを組織内に浸透させていくにはどうすればいいか…?

シンプルなものから複雑なものまで、運用に落とし込んだり成果を創出していく中での様々な課題感を定期的に共有していくことで、新規リードを獲得していく上での直近のトレンド踏まえた解像度の向上につながっていくと信じています。

プロダクト(PdM)

プロダクトフィードバックの連携

カスタマーサクセスの要とも言えるプロダクトフィードバック。
グループ内でオンボーディング時に出てきた要望を上げていくのはもちろんですが、セールスがお客様から頂戴している意見も吸い上げつつ連携しながら、プロダクトへの意見が届き続けるようにつなぎを意識しています。
また、PdMとしても要望対応のフローをよりオープンにしたことで、要望投稿後の補足やり取りや開発方針に関する質疑応答が発生するなど非常に風通しが良くなりました。

また、単なるプロダクトフィードバックの連携だけではなく、お客様からいただく感想を投稿する部屋というのもSlackに存在しており、社内にも定期的にお客様の声を届けていくべくセールスとの連携含めて取り組んでいます。

若手の投稿にはスタンプがたくさん付いて微笑ましい光景が広がります

機能開発時のヒアリング対象リストアップ/連携

開発時には事前に立てた仮説をお客様にヒアリングしながらアップデートしていくことが不可欠です。
そんなヒアリング対象アカウントのリストアップやヒアリング協力依頼の連携も必要に応じて実施しています。
ここもなかなか難しいところで、PdM側はセールスに変に気を使ったり、セールスは売上につながらない行動の優先順位は下がりがちなので、結局誰のためにもならないもったいない状況が生まれてしまいそうになる瞬間もあります。
そんな時にはカスタマーサクセスからお客様にお声がけをしてしまったほうがスムーズに進む場合もあります。
また、時にはカスタマーサクセスで運営しているコミュニティ内で機能開発に関するアンケートやモニターの募集なども実施しています。

新機能利活用の推進

新しい機能を開発した時に必要になるのが「Go To Market(GTM)」。
対象の機能が既存アカウントでいくとどこに合致しそうかの洗い出しや、対象機能に関する既存向けのウェビナーを開催するなど、リリースだけではなかなか浸透しない部分に対してのつなぎや情報提供の側面でも連携をしています。
特に今年は「Newt」というUIモダナイズのプロジェクトが走っていた関係で、お客様の利用している主要機能であるデータベースの仕様が旧から新に変わりました。
ただでさえ普段から使っているものをすぐに切り替えるのは大変、というハードルに対して新しいデータベースのUIに移行いただくための支援ウェビナーを開催したところ、毎回60名以上の方にご参加いただくほどの盛況ぶりでした。

旧バージョンからの移行方法についても具体的にまとめることで
お客様のイメージ補完につながりました

まとめ&次回予告

というわけで、取りとめもなくざざっと書いてしまいましたが、社内における新参部署にとってはまずもってポジショニングをどのように作るかという問題があり、その解決策として、「関連部署のかゆい部分にいかに助け舟を出すか」ということを意識して活動してきました、というお話でした。

正直、メインの活動とリンクしているところもあればそうでない部分もあるのでタフではありますがw、その分周りとの協力体制も年初よりは明らかに作れてきていると感じます。
大切なお客様に向き合うカスタマーサクセスというポジションであるからこそ、社内外をつなぐ「hubハブ」になりえますし、なるべきだと感じています。
事業とお客様のためなら何でもやろうぜ。

困っている方たちにとって、なにかのヒントになれば幸いです。
詳細聞きたい方はお気軽に Twitter のDMでもなんでもくださいませ!

さて、#SaaSLovers 週明けの8日目は、アルプ佐藤晴香さんによる「SaaS営業必読!?SaaSがない世界の物語」です。もうタイトルだけで興味津々です。
引き続きどうぞお楽しみに!

西村 将之介

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