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「代行と委任と自由」の法則㊷風雷益(ふうらいえき)/64卦

自由、代行、富の増加、負債の増加、調和の増加、不調和の増加、信頼の欠如、博愛、民主、委任、不調和、敵意の増大を養う危険などを説いている卦です。


㊷風雷益(ふうらいえき)の原文(漢文)と書き下し文です。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


㊷風雷益(ふうらいえき)の卦に帰納(共通点)できると思うNOTEをマガジンにまとめています。



現実の生活の体験や経験、マガジンにまとめてあるものを参考にしながら、原文(漢文)と書き下し文を何回もいったり来たりしながら読んでいくとだんだん分かるようになってくるかもしれません。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去の初めて易(易経)を学び始めた自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかの1つ42番目の㊷風雷益(ふうらいえき)の原文(漢文)と書き下し文です。



㊷風雷益(ふうらいえき)


『卦辞』

「益、利有攸往。利渉大川」
「益は、往く攸有るに利ろし。大川を渉るに利ろし」

(えきは、ゆくところあるによろし、たいせんをわたるによろし)


『彖伝』

「彖曰、益、損上下益。民説无疆。自上下下、其道大光。利有攸往、中正有慶。利渉大川、木道乃行。益動而巽、日新无疆。天施地生、其益无方。凡益之道、与時偕行」
「彖に曰く、益は、上を損らして下に益す。民説ぶこと疆り无し。上より下に下る、其の道大いに光かなり。往く攸有るに利ろしとは、中正にして慶び有るなり。大川を渉るに利ろしとは、木道乃ち行わるるなり。益は動きて而して巽い、日に進むこと疆り无し。天は施し地は生じ、其の益すこと方无し。凡そ益之道は、時と偕に行なわる」

(たんにいわく、えきは、うえをへらしてしたにえきす。たみのよろこぶことかぎりなし。うえよりしたにくだる、そのみちおおいにあきらかなり。ゆくところあるによろしとは、ちゅうせいにしてよろこびあるなり。たいせんをわたるによろしとは、もくどうすなわちおこなわるるなり。えきはうごきてしこうしてしたがい、ひにすすむことかぎりな。てんはほどこし地は生じ、そのえきすことほうなし。およそえきのみちは、ときとともにおこなわる)

 

『象伝』

「象曰、風雷益。君子以見善則遷、有過則改」
「象に曰く、風雷は益なり。君子以って善を見れば則ち遷り、過ち有れば、則ち改む」

(しょうにいわく、ふうらいはえきなり。くんしもってぜんをみればすなわちうつり、あやまちあればすなわちあらたむ)


『爻辞』

上九━━━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━◎

「初九、利用為大作。元吉、无咎」
「初九、用って大作を為すに利ろし。元吉なれば、咎无し」

(しょきゅう、もってたいさくをなすによろし。げんきちなれば、とがなし)
「象曰、元吉无咎、下不厚事也」
「象に曰く、元吉なれば咎无しとは、下は事を厚くせざる也」

(しょうにいわく、げんきちなればとがなしとは、したはことをあつくせざるなり)


上九━━━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━◎
初九━━━

「六二、或益之、十朋之亀、弗克違、永貞吉、王用亨于帝、吉」
「六二、或いは之を益す。十朋之亀も違う克わず。永貞なれば吉なり。王用って帝に亨す。吉なり」

(りくじ、あるいはこれをえきす。じっぽうのきもたごうあたわず。えいていなればきちなり。おうもってていにきょうす。きちなり)
「象曰、或益之、自外来也」
「象に曰く、或いは之を益すとは、外より来る也」
(しょうにいわく、あるいはこれをえきすとは、そとよりきたるなり)


上九━━━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━◎
六二━ ━
初九━━━

「六三、益之用凶事、无咎。有孚中行、告公用圭」
「六三、之を益すに凶事を用ってすれば、咎无し。孚有りて中行なれば、公に告ぐるに圭を用う」

(りくさん、これをえきすにきょうじをもってすれば、とがなし、まことありてちゅうこうなれば、こうにつぐるにけいをもちう)
「象曰、益用凶事、固有之也」
「象に曰く、益すに凶事を用ってすとは、固く之を有する也」
(しょうにいわく、えきすにきょうじをもってすとは、かたくこれをゆうするなり)


上九━━━
九五━━━
六四━ ━◎
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━

「六四、中行告公従。利用為依遷国」
「六四、中行なれば公に告げて従わる。もって依ることを為し国を遷すに利ろし」

(りくし、ちゅうこうなればこうにつげてしたがわる。もってよることをなしくにをうつすによろし)
「象曰、告公従、以益志也」
「象に曰く、公に告げて従わるとは、益さんとするの志あるをもって也」
(しょうにいわく、こうにつげてしたがわるとは、えきさんとするのこころざしあるをもってなり)


上九━━━
九五━━━◎
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━

「九五、有孚恵心。勿問元吉。有孚恵我徳」
「九五、孚有りて恵心あり。問うこと勿くして元吉なり。孚有りて我が徳を恵とす」

(きゅうご、まことありてけいしんあり。とうことなくしてげんきちなり。まことありてわがとくをけいとす)
「象曰、有孚恵心、勿問之俟。恵我徳、大得志也」
「象に曰く、孚有りて恵心ありとは、之を問うことなきなり。我が徳を恵とすとは、大いに志を得る也」
(しょうにいわく、まことありてけいしんありとは、これをとうことなきなり。わがとくをけいとすとは、おおいにこころざしをえるなり)


上九━━━◎
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━

「上九、莫益之。或撃之。立心勿恒。凶」
「上九、之を益すこと莫くして、之を撃つこと或り、心を立つること恒勿ればなり、凶なり」

(じょうきゅう、これをえきすことなくして、これをうつことあり、こころをたつることつねなかればなり、きょうなり)
「象曰、莫益之、偏辞也。或撃之、自外来也」
「象に曰く、之を益すこと莫しとは、偏辞なれば也。或いは之を撃つとは、外より来るなり」
(しょうにいわく、これをえきすことなしとは、へんじなればなり。あるいはこれをうつとは、そとよりきたるなり)