フードデリバリーのユニコーンの「DoorDash」が仮説検証に行った人力MVP

数多の飲食店舗とユーザーの「デリバリー(宅配)ニーズ」をとらえ、様々な飲食店舗のフードデリバリーを横断的に提供するサービスとして日本ではUberEatsが有名ですが、本国アメリカでは他にもPostmatesやDoorDashがしのぎを削っていますね。

今回はDoorDashのFounder、Tony Xuのインタビューより。リーンスタートアップの要素が詰まっています。

もともローカルビジネスに興味があった。故にスタンフォードのビジネススクールのプロジェクトでは様々なローカルレストランに実際に行ってヒヤリングしたんだ。どうやって顧客を獲得するかなどを実際のレンストランで聞いてね。そこで課題とチャンスが見えたのが「デリバリー」だった。ひとつの小さなケーキショップのオーナーへヒヤリングしたとき、週に10〜15オーダーを断らないといけないと言っていた。なぜながらこれ以上デリバリーできないからだ、と。

とにかく現場に足を運ぶ。実際に自分で聞いて、課題やニーズのギャップ、そして機会を見つける。

そこで実際にドミノビザでアルバイトをして「デリバリー」の実態を学んだんだ。そこでの大きな学びは「ひとつの店舗がどの程度のデリバリー人員をかかえるかが妥当かを知るのはとても困難」だということ。例えばフットボールのゲームがある日は注文が跳ね上がる。

このこれらの学びから、横断的なフードデリバリービジネスへの可能性を見出す。

プロダクトのファーストステップは、まずスタンフォードの学校内でテストすることにした。ひとつの店舗にフォーカスし、勝手にデリバリーをした。一晩でWebsite「paloaltodelivery.com」を作り、そこにおいたのはpdfのメニューのみ。注文はgoogle callで受ける。店舗のパーミッションはとっていないからフィーは載せていない。なぜならこれは金を稼ぐためではなく、仮説の検証のためだったからね。全てのオーダーをレコードしたよ、もちろんそれはパーミッションをとってね。

最も重要な仮説検証のためのMVP(Minimum Viable Product)は、1ページのWebサイトのみ。実際に自ら注文受け自らデリバリーし、以下の価値仮説を検証していった。

このテストは約5ヶ月続いた。検証したい仮説が3つあったからね。
1. 顧客はデリバリーいくら払うか
2. レストランはデリバリーにいくら払うか
3. 十分なドライバーの採用は可能か

明確に仮説/検証項目立てを行い、プロダクトとしてスケールするのか、ビジネスとして成立するのかを学習している。このプロセスまでは、とにかく「速く動いて学習すること」に徹底してフォーカスしていることがわかる。

実際こビジネスはとても小さく、とてもスケーラブルではなかったが、Y combinatorに採択されたんだ。そこでのトライアンドエラーから、DEMO DAYでピッチしたことは
「我々はフードデリバリービジネスではなく、ロジスティックビジネスだということ。」
$2Mを調達した。この調達によってしたかったのは我々のビジネスがひとつのエリアでViableなことを証明することだ、サンノゼを選んだ。

彼らの調達ストーリーは、足元で提供できている価値が、将来のより大きな絵に線で繋がるものだった。

我々のアンフェアアドバンテージはフレンドシップだ。つまりスタンフォードの人脈が未だに活きている。

このPodcastでは必ず最後に「今までの成功はハードワークのおかげか、それとも運のおかげか」という質問を投げかける。競合ひしめくマーケットにおいて、どんな形であれ胸を張って「アンフェアアドバンテージ」を語れることはとても重要ということですね。


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