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Les Paul Custom

 1年の高校受験浪人を経て志望校に入学することになった僕は入学前の春休みに貯めてあったお金で人生で最初のエレキギターを買いました。

 最初に買ったギターはOrvilleの黒のLes Paul Customでした。国産メーカーですが本家Gibsonから正規にライセンスを取って作っていたメーカーです。なぜそれを買ったかと言うと、お店の人が長く使うのだったらと出してきたのが、Fender JapanのStratocasterとTelecaster、そしてLes Paul Customでした。この3つの中から選びました。

 まったく憶えていませんがお店では好きなアーチストを聞かれてBeatlesとかRolling Stonesと答えたのではないかと思います。その上でちゃんとしたものを薦めてくれたのだなと思います。この先、どんな音楽性に進んでも大丈夫な3択であると思います。その中で手頃な価格のものを提示してくれました。

 ここでStratocasterもしくはTelecasterだったら人生は変わっていたでしょうか?「その二つだったら変わらなかっただろう」が答えです。でもお店の人が薦めるものがJacksonやCharvel、Ibanes、BC Rich ならどうだっただろうか?僕は型式を気にします。この音楽にはこのギターみたいな、それを気にしたら違う人生になった可能性は大いにあったと思います。

 僕と一緒に浪人していて同じ部に入った奴はIbanesのやたらとネックの薄い早弾き向きのギターを買っていました。彼はいまだにHR/HMをやっているようです。

 若くてお金をあまり持っていない頃は買い直すことなんてことは簡単にはできません。知識もあまりなくて、あとで気に入らないなと思っていても、かけた金額よってはそれにしがみつくこともあると思います。それで聴いていく音楽が左右されてしまうこともあるかもしれません。

 ギターの型式なんて気にしないって方もたくさんいるとは思います。でも最初の選択で全てが決まってしまうことがあると思うのです。音楽に一生涯関わっていくと決めていたのであれば尚更です。

 入学する前にバンドすら決まっていない段階で買ったのは選ぶ際に同年代の大したことのない知識に振り回されなくて良かったのだろうと思います。そして知識の少なかった僕に、この先も見越した3つの選択肢を提示してくれたあの楽器店。バイアスが少なく最初の1本のエレキギターを選べたことは幸運だったなと思います。

P.Uやパーツは交換しています

 


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