VIVE XR Elite、気にしてたところは全部いい感じでした。

VIVE XR Elite、仕様見ただけだと判断しにくい点がいくつかあって気になってたんですが、
すべて点がいい感じに仕上がってて凄かったです。
ただ、体験に夢中になりすぎてて写真ほとんどないです。ごめんなさい。

何この記事

HTC VIVEシリーズの新製品「VIVE XR Elite」体験会なるものが、
2023/02/11 から3日間開催されており、
そのうち2日目の体験に参加してきました。

VIVE XR Eliteはサイズ感と仕様が高い水準でまとまっている印象があり、
機会があれば試してみたいと思い続けていた製品だったので、
突然の体験会告知に小躍りして滑り込みました。

この記事はその時に体験したことを、自分が気にしていたことベースで記載したものとなります。

体験前に気にしてたこと

  • PCVR体験

  • ホットスワップはどこまでホットなん?

  • 視度調節の強さ(中度の近視のため)

  • 装着感・強度(主にグラスモード時の)

  • パススルー機能の解像度・利便性

  • 稼働中の熱処理

上記以外、特にスタンドアロンやMR/AR系の機能はあまり興味が無く、
重視して見てなかったため省略してます。ごめんなさい。

網羅的なレビュー記事を投稿されている方は既に沢山いらっしゃるため、
例えば4Gamerの西川さんの記事とかお勧めです。

上記レビューの内容と、体験会ので得た感触に齟齬は特に無かったです。

で、どうだった?

「一日中装着可能な隙無しPCVRデバイスがついに出た」かー、
といった気持ちになりました。

PCVR体験

体験用のマシンは「GeForce RTX 2070 Mobile」搭載のノートPCで、
そこからWi-Fi6ルーターを経由してVRChatを起動し、
近くのスタッフとインスタンス内で会話しながら、
VIVE XR EliteのPCVR系の機能を紹介いただくという流れでした。

ちなみに、その間体験者は一人用の柔らかいソファーに座っていました。
分かってるぅ~。

体験できる範囲で、映像の劣化を感じることはありませんでした。
首をブンブン振り回してもしっかり非同期の再投影が機能していて、
画面酔いの危険性は皆無と判断してよさそうです。
ただ、映像自体のレイテンシー(ボタンを押してからVRCのメニューUIが出るまでの時間)については、
Meta Quest2 + Virutal Desktopでの体験と同じ程度のものは存在します。

また、後述するパススルー機能に関しては、
PCVR実行時でもレスポンス良く機能してくれたので、
安心して飲食することができそうです。

そういえば、PR媒体や体験資料ではやたらとWi-Fi 6E対応を推してたんですけど、
少なくとも日本だとそれはあんまりバリューにならなくない?

ホットスワップ

実際バッテリーを交換したい時にどうすんの?という点。

多少はキーボード&マウス操作が必要になるんじゃ?とか思ってたんですが、
そんなことはなく、新しいモバイルバッテリーに付け替えるだけで、
実行中のVRアプリ(VRChat)をそのまま再開できました。えーすごい。

視度調節

フェイスカバーを外して0~6の7段階で捩じって調節する。

見た通りの機能で、特筆できることはあんまりなかったです。
内部チュートリアルにて、IPDと共に視度を調節する機会があるため、
設定に迷うことは無いと思います。

ちなみにSPHの値で「左-1.50, 右-1.75」の自分だと
「左2 右3」くらいが最も欲見える値でした。
-3を超える値だともしかしたら補正が難しくなるかもしれません。

装着感・強度

ゴーグルモード  /  グラスモード

グラスモードの場合、側圧のまあまあ高めのフレームと、
上方に引っ掛ける小型バンドで装着します。
この状態だと全体重量は273gと軽く、首を強く振ったり、
ソファーの上で左右180度ごろごろする程度では全然ずれることはありませんでした。
流石に逆立ちしたりするとダメかも。

ゴーグルモードの場合、バッテリー合わせて重量は625gとなるものの、
ヘッドパッドの作りの良さや、重心位置が最適化されるおかげか、
首を強く振ったとしても重たさを感じることはほぼ無く、
こちらは逆立ちしようが回転しようが外れる事はない安心感がありました。

パススルー機能

VIVE XR Eliteはパススルー用のカメラ(単眼)をHMD中央に搭載しており、コントローラのVIVEボタンを二度押しすることで、
どんなアプリを実行中でもこの機能を切り替えて使用できます。

画質良すぎ。
他のレビュー記事でも散々言われてる「スマホの文字が読める」が誇張でもなんでもなく、普段の使用と同じ距離でTwitterやWebページの文字が読める
程度の解像度はありました。ただし立体感は無いです。単眼なので。

熱処理

長時間HMDを稼働していると熱を持つのは良く知られているところですが、
VIVE XR EliteはHMD上部に排熱孔があり、内部に搭載されているファンによって冷却する仕組みがありました。

体験中に手を当てたらしっかり熱を放出してました。

モバイルノートPCでCPUに負荷を書けた時くらいの放熱量は感じられたため、
実際に長時間使う際には違いが出てくるとかなと思います。

その他気付いたこと

  • 視野角110度と記載されているが、体験した限りでは同じ視野角を仕様としているHMD(Quest2やHTC Vive Pro1)よりも広く感じた。
    また、両目の間にあるフレーム部分(目を中央に寄せた時に見えがち)の存在感が薄かった。
    それら関係してるかどうかは体験内容だけでは判断が付かなかった。

  • フェイスクッションがしっかり鼻までガードしてくれて、全く光が入らない。
    従来のHMDだと殆どのデバイスで光漏れが発生していた認識なので、驚いた点の1つ

  • ゴーグルモード(バッテリー付きヘッドパッド)とグラスモードの変更は
    特殊な工具などは不要で、その場で可能。
    ダンス中はゴーグルモードで、チルな時にはグラスモードにするといった運用が、
    優秀なホットスワップ機能と相まってVRアプリを落とさずに可能。
    3D造形が一般家庭にも浸透しつつある今としては、一点物のカスタムパッドなんてのも作れそう。

  • コントローラが軽い。
    グリップボタンが折り返した中指で押すような作りになっているところに新鮮味がある以外は、よくあるタイプの形状。

  • コントローラ自体のトラッキング範囲は広め。
    左右トラッキング用カメラが完全に横向きで装着されているため、体に遮られない範囲での後方トラッキングの範囲は十分でした。

  • 眼鏡付きでの体験は難しそう。
    もともとVIVE XR Eliteの構造上、眼鏡のフレーム部分でぶち当たるため専用レンズが必須になりそうです。
    また、レンズの距離が近いため、専用フレームの設計の難易度も高く感じます。

買う?

買うかなーと思います。
高品質なPC向けHMDの機能と、非シースル―型のARHMDの機能を、
VIVE Flowのサイズと装着感で実現してくれた小型デバイスに、
2023/02時点で18万円という価格設定はなかなか良いところ突いてきてると感じました。
これ一つで今のxR体験を全て網羅できるのであれば、決して高い値段ではないと思います。
ほんと良い物を作ってくれたと思います。

…といいつつも、私自身は先立つものがなく、発売前予約に間に合わなさそうです。
VIVE XR Eliteの出来が思った以上に良いせいで、
発売後の入手難易度が上がりそうで少し不安になっています。

いじょ。

余談:筆者のxR経験値

最後にこれを書いてる人の経験歴を軽く記載。
レビュー内容より先に書くほどの価値は無いので余談としてますが、
「こんな経験値の人が書いてる感想なんだ」程度の参考になれば幸いです。

  • HMD

    • 使用中
      (2020/01~)Valve Index フルセット
      (2020/11~)Meta Quest 2

    • 過去に所有
      Oculus Rift DK2, CV1 + Touch,
      Oculus Quest 1
      HTC VIVE CE, Pro1(アップグレードキット)
      Pimax 5k XR OLED
      Dell Visor + コントローラー(Windows Mixed Reality)

    • 経験のみ
      PICO 4
      nreal Light

  • ボディトラッキング
    (2017/08~)HTC VIve トラッカー(初代・2018)
    装着数は状況による(最大+5点)

  • 普段VRHMDで遊んでるやつ
    Elite:Dangerous(2014~)
    VRChat(2017/05~)
    Microsoft Flight Simulator(2020~)
    がっつりやってるのはこの3作で、その他定番ゲームもそれなりに

  • AR/MRは
    経験がない(興味がない)

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