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伝説のマタギ、山本兵吉がカッコ良過ぎるって話

「三毛別羆事件」

数年前にテレビ(アンビリバボー)でやっていたのをきっかけに知りまして、すっかりハマりました。最近になって小説を読んで自分の中で再度盛り上がったこともあり、ご紹介します。

今から100年以上前の実話。小説にもなっておりテレビなどでも度々取り上げられているのでご存知の方も多いかと思いますが、北海道苫前郡苫前村三毛別六線沢にて起こった、6日間で7人が死亡、3人がケガをしたという日本のクマ事件史上最悪の害獣事件です。

凶暴な羆に襲われ続けた村人が最後に頼ったのが、山本兵吉というマタギ(羆打ち名人)。彼は普段酒癖が悪く暴力をふるうなどするため、村人からひどく嫌われていました。

本当は頼りたくないが、村人も背に腹変えられず兵吉に頼らざるを得なかったわけです。そして、兵吉たちと羆との闘いが始まるというお話。

羆という自然が生んだ獰猛な生き物の恐怖、人間の無力さ、そしてマタギという職業のカッコ良さなどなど、本当に読ませる内容です。描写もリアリティがあって、少々グロい場面もあります。

亡くなった六線沢の方々は、元からそこに住んでいたわけではないんですよね。水害や虫害にあって追われ追われて開拓した村が六線沢だったのです。悲運に手繰り寄せられてしまったのかなと思うと切ない気持ちにもなります。

この事件を知ってマタギに対する印象がだいぶ変わりました。山本兵吉が神格化されてる感もあるのですが、やはりカッコイイなと。

あとは羆に対する何となく怖いという認識も、ハッキリと「羆=危険」に変わりました。「熊出没注意」ってお土産ありますけど、本物はシャレになってないです。

羆の怖さ、山本兵吉というマタギを知るきっかけにもなるし、暑い夏にゾッとする内容なので、興味がある方は是非ご一読を。

※羆嵐の中では山本兵吉は(山岡銀四郎となっています)

羆嵐(新潮文庫) Kindle版 

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