小説家になりたい山葵

なりたい(なれてはいない)

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バッドエンドの正体

バッドエンドとは、不幸な結末のことである これは非常に明快なテーゼである 特に思考する余地なく、テンポよく、それは真であると言える では不幸な結末とはなにか?これは少々問題だ なぜなら不幸とは相対的な概念であり、必ずしもこれは不幸であるという結論をつけられないからだ では、こうしよう 客観的にこれは不幸だ、と結論づけることを諦めることにする それは、「客観性」は物語の中で大きな力を持ち得ないからだ 物語の主役は「主観性」であり、ならば不幸も主観の尺度で捉えれば

    • 小説家はAIに駆逐されるかもしれない

      この21世紀、つとに囁かれるようになったこととして「AIに職を奪われる」なんてものがある 具体的な職種はともかく、単純な作業や計算を介した労働はむこう数十年のうちにAIに淘汰されるらしい 一方でその確率が低いのは芸術系などの創造的な活動だとか へえ、ふーん つまり、僕ら小説家(志望)には関係ないようですね なんて・・・・・・ 本当にそうだろうか? 「売れる」には再現性がある そもそも芸術活動は答えのない分野であるので、どんなにAIが優秀であっても、そもそも「完璧

      • 誰よりも人間みたいな宇宙人を書くこと

        小説を書く時に二つ、心がけていることがある 一つは「未知」 異国とか宇宙とか、未来とか過去とか 人は自分の知らないものを知りたいって思う生き物で、小説の醍醐味はやっぱり「未知」に触れることだろう 好奇心と言ってもいい だから古今東西にあふれる小説も、大抵の場合は「未知」を内包している 突拍子もないファンタジックな設定が跋扈し、それすらもマンネリズムと切り捨てられていく それほどまでに人が未知を欲求する力は強いんだろう もう一つは、けれど逆 「親近感」や「身近

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