23歳の夏、 フランスで無職になりました ⑨

一つ山を越えると、さらに上を求められる。

ここは一つ星。めちゃくちゃ厳しい世界。

指紋一つ、お皿のちょっとした角度。
全てに気を使う。

帰りは0時30分。
そこから勉強して、寝るのは常に2時。
起床は6時。失敗しないように予習と復習をする

私は仕事が出来ない、、、、

休憩時間は私だけ抜き。
もし少し取れても勉強に当てる。

しかも、腰痛持ち。

最近まで寝たきりの私だった。
どうしても俊敏な動きができない。

歩くのがやっと。本当に動けないときは、気休めの痛み止めだ。

そして休日は必ず前日に、時間系列でシェフに報告。

「明日は何時に起きて、何時に顔を洗い、準備をします。」
「明日のお昼はこれを食べ、この食べ物には何産の何が入っていて、、、、、、、」

それをその通りに行動。

(プライベートないやん。。。。。)

これが毎日。。。

疲れも溜まる。。。。

疲れも溜まると、ミスも増える。

 

それも陳腐なミス。

 

シェフもイライラが増してくる。

「同じミスを繰り返すのは、嫌がらせだろ!!普通だったらなくなるんだよ!

なぜ努力しない!!お前は真面目に見せかけた不真面目野郎だ!」

私が出来ないのが悪い。もっと、対策を打たねば。今日のミスを挙げる。

が、電気のつけ忘れ。解凍数の間違え。計量の数の見間違え。

なぜこんな小さなミスをしてしまうのか、、、、、

シェフの一言一言メモをとる。

間違えがないよう、シェフに確認を入れてもらう

が、、、、できない



 今考えると原因は完全に、寝不足だろう。
頭が回っていなかったと思う。

 

あるとき堪忍袋の緒が切れた。

 

完全に委縮してしまっている私。シェフの大きな叱る声で、震える手が止まらない。

さらに、ミスが続き。お皿を数枚割ってしまったのだ。

 

これはやばい!!!やらかした!!!!!!



 

「お前何笑ってるんだーーーー!」


(え、、、、?いやいや笑ってない、、)

 

「お前の歯を折って笑えなくしようか」


(え、、、、、何を言っているんや?)


 

その日から、ミスをすれば、

包丁を突き付けられたり、水をかけられたり、胸ぐらを掴まれて引きずられた。

なにかあれば、物が飛んでくる。

 

同僚の人にも、いるだけでイライラする!と聞こえるように言われる日々。

「仕事ができないのに、何休憩してんの?」

 

自分の居場所がない。。。。。



 

昼ごはんも、みんなで食事をするのだが、私は一人で食事をする。

「お前がいないと、楽しい食事だ」

 

わからないことがあっても、もう教えてくれなくなった。



ここに私がいてもいいのか、、、、、?

ここに私は必要ないんじゃないか、、、、?

ぶるぶる震えながら、勇気を出していった。

 

辞めたいです、、、、、、。

(続く、、)


 

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