ジイよ、ありがとう(下書き消費②)
スーパーでお惣菜を物色していると「これは美味しそうね!!」というジイさんの声が聞こえてきた。なんじゃらほいと声がした方に目を向けると、たった今出来上がったであろう弁当を店員さんが陳列しに惣菜コーナーに来ていて、その弁当を見たジイが思わず放った一言らしいということが分かった。
ありがとうございます、とにこやかに対応する店員にジイは続けざま、「いくらね?!(おいくらですか?の意)」と声をかけている。声がデカい。別にいいけど。
すると、やや間があって「なんね!これ値札が付いとらんたい!!(付いてないじゃないかの意)」という声が聞こえてくる。怒った口調ではなく、なんだよ〜しっかりしろよ〜みたいな声であった。店員さんがお弁当に値札を付け忘れていたらしい。言われた店員さんは「あら」と恥ずかしそうに笑いながら、今持ってきたお弁当をそのまま持って、バックヤードに引き返していった。
その店員さんにジイは大きな声で話しかける。
「よかったねぇ〜」と。
店員さんは笑顔のまま「はい、ありがとうございます」と言い、(おそらく)値札を付けに裏口へ引っ込んでいった。
ジイが放った「よかったねぇ〜」とは、
・今このジイとの会話によって値札が付いてないという事態に気づいて良かったね
・あとで誰かに言われる前で良かったね
・こういう時に怒らない人…つまり自分みたいな優しい人間が気づいて良かったね
という意味合いを感じるフレーズだった。
ま、大げさというか、ちょっと考えすぎだけどね。
なんというか、こういう微妙なフレーズに出会うことがある。なんかちょっと遺恨が残るぞ、みたいなフレーズに。
どの言葉を選ぶかとか、どういうトーンでそれを発するかとかで、ずいぶん受け手の思いは変わるんだなぁと、ジイから学んだ。
自分ではそんなつもりがなくても、相手からしたら「怒ってんの?」「具合悪いの?」と誤解されるような言葉を発している事があるから、気をつけないとな。
「男は度胸、女は愛嬌」なんて言われるけど、男にも愛嬌は必要ですものね。最近思うけど、ぶすーっとしてちゃ駄目ですよね。。
そういう意味では、言葉のチョイスは置いといて、発し方は良かったと思う。ジイは。気さくなジイ。物腰柔らかなジイ。
そういふものに、わたしはなりたい。
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