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【マッチレビュー】2019年J1リーグ第1節 川崎フロンターレ(H)×FC東京(A)

皆さんこんにちは。
ようやく待ちに待ったJ1リーグが開幕しました。
毎年思うことですが、本当にオフシーズンが長かった。。
シーズンオフにはビッグネームの加入や長年一緒に戦ってくれた仲間との別れもあり、嬉し寂しい気持ちで過ごしつつも、海外サッカーを嗜む毎日でした。
ファイフロとデジッちとDAZN特番でなんとかフロンターレ精神を保つことが出来ました。先週はゼロックスもありましたけど、Jリーグの開幕というよりはテレビで見れるテストマッチ的なニュアンスもあるので、リーグ戦が始まってこそ新シーズンの幕開けを感じられます。

試合の方に入っていきたいんですが、もう少し前置きを。
今年は久しぶりのホーム開幕戦。しかも相手はライバルFC東京。
平成最後の多摩川クラシコです。
FC東京は昨年の主力に加えて、マリノスから久保がレンタルバック。
鳥栖から東京世代のFW田川、韓国人FWイサンホ←ナサンホでしたご指摘ありがとうございます。など即戦力を確保。
米本・大久保が移籍していったとはいえ、戦力の上積みが期待できるメンバーがそろっています。
味スタ全然使えへんやん問題でハードなシーズンが予想されるFC東京ですが、今年も攻略が難しいチームに変わりなさそうです。
我らが川崎フロンターレは森谷・武岡・田坂・エウシーニョと功労者たちが去っていきました。新加入はロンドン五輪得点王のダミアン、去年のリーグ優勝を何とも言えない空気にする勝ち越しゴールを決められた男山村、その他にも馬渡、マギーニョ、ジェシエウのDF陣の補強に成功。
早速、先週のゼロックスではダミアン、マギーニョ、馬渡の姿を見る事も出来ました。
今年は4冠を目指すってことで豪華なメンバーが揃っていますが、今年もACLをリーグ戦で敗退するようだと、出場機会を得られない生え抜きたちの大量流出も考えられる状況になってもおかしくないので、スタートダッシュを狙いたいところです。

では、今回の目次です。

■スタメン
■FC東京のボール保持
●東のポジションとマギーニョの裏
■川崎のボール保持 
●出し手のそぶりと受け手のターンで相手を動かす
●馬渡前と馬渡後に分かれる
■雑感

■スタメン

●川崎フロンターレ(水色)
<GK>チョンソンリョン
<DF>マギーニョ、奈良、谷口、車屋
<MF>大島、守田、小林、中村、家長
<FW>ダミアン
●FC東京(白)
<GK>林
<DF>室屋、チャンヒョンス、森重、小川
<MF>橋本、高萩、久保、東
<FW>ディエゴ、永井

両チームの基本フォメでのかみ合わせ的にはトップとトップ下以外は同じ形。川崎もボール非保持はこの2人は横並びとなるため4-4-2同士の1戦と言えます。
同じフォメのかみ合わせなので、ボール保持側が配置を変えてフリーマンを作るのかボール非保持側がズレにマンツーマンで対応することでフリースペースが出来るのかに注目します。

■FC東京のボール保持


川崎の4-4-2に対して東京はCHの橋本を2CBの間に落として3人でビルドアップをスタートします。2CBが広がるのでSBが斜め前に押し出されて残ったCHと同じ高さに位置します。数字で表記すると3-3-2-2のような位置取りです。
対して川崎はがっつり人に付いていくよりはスペース空けないようにしましょうってことで基本の形をあまり崩さずにキープ。
とは言え、ずっと4-4-2のままなのではなく中村憲剛のスプリントをスイッチに相手DFにプレスをかける場面は何度もありました。その中で川崎SHが東京CBにあたりに行くときは、後ろのSBが相手SBの位置まで上がるなどの動きは見られました。
ビルドアップをスタートするときの全体の並びと川崎の4-4-2をかみ合わせたのが上図です。

●東のポジションとマギーニョの裏

東京のビルドアップで特徴的だったのは左SH東のポジショニング。
2列目から3列目に降りる動きは去年も見られた形ではあるようです。
CBがボールを持った時に、SBと自分へのパスコース2つをCBに持たせるように列を降りる動きが多くありました。東が降りることで川崎右SH小林はどっちを切ろう?と動けず。後ろのSBマギーニョもどっち行く?状態になってました。CHが東を捕まえに行くのも良いですが、逆SH久保が間で受けるよーって位置取りしていたように見えた点とCH高萩との2対1にもなるのでスペースを空けづらい状況になっていたと思います。
大島が東に付きに行った時はマギーニョもSB小川に当たりに行ったことで裏のスペースをFWに使われて前進されてしまってました。
フリーマンとフリースペースどっちを取ります?って選択を迫られていました。

このマギーニョの裏は東京の狙いのうちの1つだったようです。
特に顕著だったのは後半。マギーニョ裏に永井が入ってきて奈良がディエゴと永井どっちに行くか?状態になっていました。
マギーニョは捕まえに行った選手が出してすぐ縦に走る動きに後手を踏んで置いていかれる場面も散見しましたので、ここの切り替えのところは改善していかないとです。

■川崎のボール保持

全体の形は昨年と大きくは変わりません。
変わるのは小林が右から中に入り2トップのような状態になる事くらいです。
CHの1人が1列降りて3人でビルドアップをスタート。
両SBは幅を取るために大外に開いて高い位置をキープします。
中村憲剛は相手ブロックの外などスペースがあるところでボールを受けようと動きます。特にSBの位置には昨年同様に良く入ります。ここで受ければ相手は来ないし、仮に来たとしたら出来たスペースにパスを入れればOKって感じだと思います。これに加えてこの試合ではマギーニョを押し上げる意味合いもあったように見えました。
試合中に鬼さんの声が僕には聞こえなかったんですが、どうやらマギーニョのポジショニングが❝低い❝ということを修正すべく声をかけていたらしいです。確かに「本当に俺こんなに上がっていいの?」みたいな迷いがあったように見えたような。見えなかったような。(笑)
憲剛がSBの位置に入ることでポジションが押し上げられる点とその憲剛がマギーニョのビハインドを取ってくれているのでバランスは良くなる時間帯もありました。

川崎のビルドアップに対しての東京のビルドアップ妨害については
後ろが3人になったことに対してどっちかのSHが行く。という感じでした。
ボールサイドが、右が、とか明確な決まりがあったわけではなかったように見えました。

●出し手のそぶりと受け手のターンで相手を動かす

川崎のビルドアップでは出し手のCBや守田と受け手の大島・中村の素早いターン(守田も受け手になる)が秀逸だなと感じます。
後ろから相手を動かすことで1列前進する。
前進して前を向くことで相手が食いついてきてもう1列前進する。こっちが動きまくってバランスを崩すことなくたった2本のパスで危険なエリアに侵入していきます。
これが出来ないと川崎のセンターラインでは試合に出ることは難しいと思います。昨夏入団のカイオや新加入山村・ジェシエウにも当然求められているものだと思います。

●馬渡前と馬渡後に分かれる
この試合1つのポイントになったのは川崎右SBマギーニョが馬渡に代わったことでした。
馬渡になって明らかに右サイドが改善されて川崎は自分たちの時間帯にすることが出来ていました。
マギーニョと馬渡での違いをボール保持時で見ていきます。

①馬渡とマギーニョに求める高さの違いは?
川崎SBのボール保持時での役割は主に幅を取る事・相手のラインを下げる事の2つだと思っています。その視点で見てみるとマギーニョの位置はやや低いながらもある程度は出来ていたんじゃないかなと思っています。
僕には馬渡とマギーニョのポジショニングに差があったように見えませんでした。
ただ出し手が右サイド深くに出したいタイミングとマギーニョの受ける動きが合っていないシーンが見られました。マギーニョはスペースに走りこんで受けるよりも足元で受けるような動きが多かった印象でした。なのでもっと高い位置を取っていいというよりは、高い位置で受けるように動けと指示を出したのかなと考えました。あくまで僕がそう感じたというだけです。
馬渡はボールを受ける時は前に出ながら受けて相手DFを下げることに成功していましたので、馬渡が出てから押し込む時間が長くなった要因の1つかなと思います。

②小林が外に張ったときは?
右SHの位置がスタートポジションに小林ですが、SBが上がると内側にポジションをスライドさせます。では常に内側にいるのかというとそうではなく外に張り出すこともあります。
その時のマギーニョと馬渡の動きは全く違いました。
↓図の感じです。※画像はイメージです。

マギーニョのポジショニングはバランスを取るうえでは間違いではないと思いますが、小林が入っていくスペースがなくなってしまっている点と小林にボールが入った時のサポートがなかったかなと思います。その結果ボールを奪われて自陣に戻るときにマギーニョよりも小林の方が速く戻っていたのでネガティブトランジション時の穴になっていました。
そういったこともあり馬渡は、小林が外にいても中どうぞって馬渡が外を回って小林をスライドさせる動きをするように言われたのかなと思います。
これは2人の比較から話が逸れますが、馬渡が入ってからは守田が馬渡のビハインドを取ってやり直しを出来るようにしていました。ボールを奪われた直後も裏のスペースをケア出来ているので、より川崎の右サイドがよくなった要因だったなと思います。

■雑感
試合後の選手コメントであるようにチャンスは多く作れていたので「勿体ない試合」には分類されるかなと思います。相手の新たなビルドアップや強風の中でハイボール、セカンドボールの処理に苦労した前半から、後半の選手交代から修正して自分たちのペースに持ち込む力は流石でした。
あとはゴールだけという試合は昨年もありましたけど、ビルドアップ~崩しの局面で上手くいってさえいればまずまずかと思ってます。
今年はコンディションを開幕に向けて上げておいてこれで大丈夫?って声もあるかもしれませんが。。
今年は開幕ホーム2連戦ですぐに鹿島戦がやってきますので、この試合の反省を活かして次節も楽しみましょう!
個人的には現地で見て感じたことが見返すと全然違うやんけってなりがちなのでどうにかしたいです。メモ取るか。多分夢中になって忘れる。
今回はこの辺で。それでは。

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