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【マッチレビュー】18-19 ラ・リーガ 第22節 レアルべティス対アトレティコマドリー

皆さんこんばんは
今回はべティス対アトレティコの一戦を振り返りたいと思います。
このカードの前回対戦は第8節。
ホームのアトレティコが1-0で勝利をしています。
べティスは普段アンカーポジションに入るW・カルバーリョが欠場。
この試合ではグアルダードがアンカーに入りました。
アトレティコは移籍したてほっかほかのモラタが早くもスタメン。
モラタへの注目度は高かったですね。
また、この試合基本フォメのかみ合わせがアジアカップ決勝と同じでした。
ナショナルチームとクラブチームで練度に差が出るのは当然ではありますが
日本がカタール相手にできなかった3-5-2対策をアトレティコがどう行うのかという視点を持ってしまいます。

■目次
●スタメン
●●前半
●「べティスのビルドアップ×アトレティコのプレス」
●「アトレティコのポゼッション×べティスのセットDF」
●●後半
●「アトレティコのマンツーマン」
●「ラスト15分」
●●まとめ

●スタメン
今回からスタメンの画像はgoogleさんの力を借りることにします。(笑)


●●前半
●「べティスのビルドアップ×アトレティコのプレス」
べティスは後ろからボールを繋いで前進を試みます。
先月観たマドリー戦ではGK+2CB+アンカーの4人で後ろをセットしていましたが、今節ではGKが入らないパターンと入るパターンの2パターンが見られました。

①GKなしパターン
3CB+アンカーの4人で組む形です。
かみ合わせ的に、両チームのDFラインで2人ずつ余るようになっていました。べティスは後ろでボールを持つ余裕がある状態で、アトレティコがプレスに来たらフリーの選手に預ける事でボールを保持します。
アトレティコはボール奪取をするために、相手のDFラインと同数になるように前に出します。ボールサイドのSHがWBを警戒しつつCBへアプローチをするやり方が見られた形でした。
ただこれは両端のCBの位置で変わっていて、ハーフスペースに位置するときは上記のようにボールサイドのSHが出る。
もっと距離が近いときは、FWが追う形でした。

②GKありパターン
この場合は3CBの真ん中の選手がアンカーポジションに1列上がり
GKと3CBの4人でセットをします。
アンカーの18番グアルダードは高さはほぼ変わらず横並びになります。
アーセナル対シティでフェルナンジーニョが同じような動きをしていたそうで、巷では偽CBと呼ばれてるみたいです。バルトラのこの動きも同じかな?
これを書いてる時点ではその試合を観れてないので分かりません。最近サッカー界に偽〇〇が増えすぎてきてパニックです。
1列上がった5番バルトラには14番エルナンデスが当たりに行く。
横にスライドした18番は5番パーテイが見る形になっていました。
この時、第3レイヤーと呼ばれるアトレティコの中盤ライン・DFライン間のスペースが広がっており、べティスの両IHとFWの17番ホアキンが降りてポジショニングをしていました。
べティスの両IHに対してはSBが当たると思いましたが、最初は当たってませんでした。べティスのIHも間で受ける意識があったと思うので、捕まらないポジショニングをしていたのかもしれません。

上の図は前半に3回だったかな?あった形。
浮いたCHを経由してCBが前を向いて持てる状態で届けて、第3レイヤーへとボールを供給します。どれもアトレティコのDF陣が前に出て対処していましたが、意図的に使っているなーと思ったところです。

・アトレティコの対処
ホルダーのCBに対しては中へのコースを切りながらあたります。
逆サイドのFWはCBを見てる感じでした。
両SHはWBを見れる距離感にポジショニング(図だとわかりづらいのが申し訳ないところです。。)ボールや相手の位置で変わりますが、ハーフスペースを中心にポジショニングしていたと思います。
CHの1人は相手CHをマーク。もう片方はアンカーとは距離を詰めず。第3レイヤーが広がり、相手FW・IHに使われることを警戒してなのかなと思いました。サイドに移動するIHに対してはSBが出て対処していました。

・ミドルゾーンでの攻防
アトレティコはハーフスペース~中央レーンを埋めるように4-4のブロックを作って守っていました。かなりコンパクトです。
相手IHがSH-CH間に入ると近いほうが対処するって理解が正しいかは分かりませんが、降りてきた選手に縦パスが入っても対応に迷いがあったとは感じませんでした。サイドレーンにボールが出た時はSBが前に出て、それによってできたスペースをSHがカバー、CHがスライドしてハーフスペースを埋める。という感じの補完の動きは感じ取れました。
SBが前に出るかどうかも距離感によるので、必ずそのように動いていたわけではありません。アトレティコが迷いなく動けていたように感じた。ということが言いたいがための一例と捉えてもらえれば。
アトレティコがスムーズにスペースを埋めていても、べティスは中央に縦パスを通せていたので、ここの攻防は見ごたえあるなーと感じたところです。

・相手を引き出したいべティス
上で書いたように中央への侵入が出来ていたとはいえ、アトレティコのブロックに苦労するべティスは相手をもっと引き出したい→スペースを作りたい。もう少し攻めやすい状況を作りたい。ということで、CBが持ち上がるようになります。しかしアトレティコのブロックは綻びを見せませんでした。
1列上がっていたCBの5番バルトラが元の位置に戻りますが、後ろにパスコースが出来ただけで前進することが出来ませんでした。この状況で前進しようとWBにあてるとSH・SB・スライドしてきたCHが一気に囲みスペースを埋められていました。中央からの侵入は厳しいと判断したべティスは、右CB→左WBへの大きい展開で前進を試みるも、アトレティコの鬼スライドに捕まるという流れを打破することは出来ませんでした。

●「アトレティコのポゼッション×べティスのセットDF」
次は逆のパターン。アトレティコのボール保持時の動きを見ていきます。
この試合、アトレティコが後ろからビルドアップを行うシーンはそこまでありませんでした。べティスが前から捕まえてきたことと、それによって浮くポジションがあったからかなと思います。

アトレティコはボール保持時は4-4-2から両SHを中に絞って4-2-2-2のような形をとっていました。ビルドアップの場面だと、アンカー脇が空くのでSHが浮いてそれを利用する形でロングボールを入れていたと思います。

前進した場合、べティスの両IHはアンカーと同じ高さにポジショニングするのでアトレティコの両SHが対峙する形。その代わりに両CHが空くようになり、ボールを保持する時間が長くなっていました。
べティスの2トップが戻ればって話かもしれませんが、1人が降りてあたりに行くことは多く見られましたが、2人とも下がって対応することは無かったと思います。ポジティブトランジションに備えてということだと思います。
アトレティコの両CHに余裕を与えた影響が出たのはセカンドボールの回収のように感じました。DFがクリアしたボールをCHが拾うor他のポジションが拾って戻す場所があったので。
ですが、最後のところではやられないということで修正をしなかったということかなと考えます。

ここまで色々と書きましたが、大体が30分までに起きたことでした。
べティスはボール保持時、アトレティコを動かしてチャンスを作る。
アトレティコはブロックを作り早いスライドで対応→ポゼッションで休みつつべティスの攻撃を妨害。という形の前半でした。
細かいところのやり方をいじりながら相手の嫌なことをするという試合展開は非常に見ごたえがありました。
スコアは動かず0-0で前半を折り返します。

●●後半

後半、アトレティコは4番右SBアリアスに代えて3番Fルイスを投入。
前半左SBだった20番ファンフランを右に移して、ルイスは左SBに入ります。

●「アトレティコのマンツーマン」

後半開始から強度の高いプレスでべティスのビルドアップを妨害するアトレティコ。前半とは形を変えてマンツーマンのような状態でプレッシングを仕掛けていました。

CBがホルダーの時は上の図のように前から人を捕まえに行きます。
ホルダーに当たりに行って縦や斜めにパスが出された場合は必ずプレスバックします。ワンツーで交わされたり前に出たことで出来るスペースを潰してべティスの前進を妨害します。
マンツー→プレスバックの連続によってべティスから高い位置でボールを奪ってシュートまで持って行けたシーンは何度かありました。
ただこの試合のアトレティコはシュートが枠に入らずに勿体ない攻撃が続きました。

こちらはGKがホルダーの場合。べティスは前半同様に中央のCBを1列上げます。この場合でもアトレティコはGKにまでプレスに行きます。そしてSHはWBにパスが出ても追いつける距離感にポジションを取ってました。
べティスはGKにプレスをかけられた場合はWBにロブパスを出すことが多くありました。GK→WB→CBで前を向いた状態で持たれない為にGKへあたったFWはちゃんとバックしてケアを怠りませんでした。

●「ラスト15分」
PKで先制をされたアトレティコは後半開始からの強度の高いプレスでショートカウンターを繰り出しつつ、ボール保持時はアンカー脇を使ったり、アイソレーションからチャンスを作りましたが決めきれず。
残り15分になったところで10番→SHコレアに代えて9番カリニッチを投入。
グリーズマンをトップ下に落としてカリニッチを2トップの一角に。
基本ポジションを4-3-1-2に変更して勝負をかけます。中央を強引に突破してエリアに侵入することも出来ていましたが、べティスも17番FWホアキンに代えて3番ハビガルシアを中盤に。最後5-4-1に変更して9枚のブロックで凌ぎ切ったべティスが1-0で勝利となりました。

●●まとめ
後半の入りでアトレティコが勢いのまま先制するかと思いましたが、上にも書いたようにアトレティコのシュートが悉く枠を外してました。
90分で13本シュートを打ちましたが枠内1本。
アトレティコは強度を一気に上げて先制点奪う→都度ポゼッションしながら休みつつ、非保持はカウンターを強かに狙うってことやりたかったと思いますが、休む余裕がなくなってしまいました。
ポゼッションも前半6:4でべティスが上回っていましたが、後半は5:5とアトレティコがボールを持つ時間が増えていました。
アジアカップ決勝で日本が苦しんだかみ合わせと同じ戦いになった試合でしたがアトレティコのプレスがハマるケースが多かったです。

上の画像は両チームのボールロストしたポイントです。
※下記にリンクを貼りつけたサイトから引用したもので、「Dispossessed」→ボール保持を失効する→ボールロストって感じで解釈しています。ファウルなどによってボール保持が相手に移った場合はターンオーバーになるようでこちらには含まれていません。
オレンジがべティス、青がアトレティコのポイントです。
画像左側べティス陣地になりますが、自陣側でのロストが多いです。それだけアトレティコのプレスに苦戦したということだと思います。
システム的に不利と言われる3-5-2×4-4-2でしたが、不利と言われる4-4-2のアトレティコの強さを感じた試合でした。結果は負けなんですが。。
相変わらずポジショナルプレーも偽○○もよく分かっていませんが、べティスも定期的に見ていきます。
今回はこの辺で。それでは。

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