小説じゃないー『風邪とかさぶた』

小説じゃないし詩でもない、なんかよくわかんない文です

『風邪とかさぶた』

風邪で痛んだ喉を舌で引っ掻いたり、治りかけで縞模様に滲んだかさぶたを剥がしたり、病熱に浮かれながら夜桜並木の下で風に体を冷やしたり。
身体を痛めつけることには七味唐辛子のようにピリリとした快感が走る

薄利多売、剥離他売
体からピリピリと剥がしたかさぶたが一枚5円くらいで売れる世界
流氷と共にしか生きられないクリオネや岩にぶつかれば死んでしまうマンボウを僕らはライトアップする
バナナフィッシュは岩から出られない

「彼らに深入りしすぎてはいけない」とピストルを持った男がこちらを向いて警告する
それは脅し、そして優しさ
それでもかさぶたの下に隠れた鮮やかな赤を見つけたいならニルヴァーナ

「桜を鑑賞するときは毒を飲みながら。」男は最後に忠告する
だってそれが礼儀なんだって言うからさ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?