[review]循環器疾患におけるジルチアゼムの有効性・安全性~ジルチアゼムの臨床的な位置付けってどんな感じ?~

カルシウム拮抗薬は、血管拡張作用とそれに続く血圧の低下をもたらします。 心臓においては、この遮断作用が心収縮性を低下させ、房室伝導速度を遅くすると言われています。
N Engl J Med. 1999 Nov 4;341(19):1447-57. PMID: 10547409

加えて、いくつかのカルシウム拮抗薬、例えばジルチアゼムは、慢性の安定狭心症または心房性不整脈に用いられます。大規模臨床試験では、高血圧、慢性狭心症、または心房性不整脈を有する患者においてジルチアゼムの有用性が検討されており、効果的で安全な降圧剤であると結論されています。ジルチアゼムはまた、狭心症の発症頻度を減少させ、運動耐性を高めると言われています。

ジルチアゼムの徐放性製剤は、1日1回の投与を可能にし、高血圧治療および狭心症治療に用いられることの多い薬剤です。ジルチアゼムは、ニフェジピンやアムロジピンなどのジヒドロピロリジン系カルシウム拮抗薬ではなく、非ジヒドロピリジンカルシウム拮抗薬に属し、このクラスはジヒドロピリジン系よりも強い、陰性変時作用および陰性変力作用を示すと言われています。したがって、房室伝導速度の有意な低下を誘発し、これらの作用によって急性および慢性期の心房性不整脈予防に有用であると考えられています。

本稿ではジルチアゼムの有効性、安全性についてまとめていきます。

[目次]
■高血圧治療におけるジルチアゼム
■安定狭心症治療におけるジルチアゼム
■不整脈治療におけるジルチアゼム
■個人的な結論

続きをみるには

残り 5,300字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?