尿路感染症予防に対するクランベリーの効果

 クランベリーにはフラボノイド類、アントシアニン類、カテキン、トリテルペン類などが含まれており[1]尿路感染症を予防するための民間療法として使用されてきた経緯がある。[2]

 クランベリーの尿路感染予防効果は尿路酸性化の結果と考えられていたが、現在では、クランベリーに含まれる成分が大腸菌の尿路上皮細胞への付着を妨害し、それによって感染症の発症を予防するという仮説が支持されている[1]大腸菌による尿路感染症において重要なのは宿主組織へのその接着性であり、接着しなければ粘膜表面に感染することができないという理論的説明である。1989年には、クランベリー由来のA型プロアントシアニジン(PAC)が、大腸菌P繊毛の泌尿生殖器粘膜への接着を阻害する可能性を有する化合物として同定されている。[3]

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