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第54回 湯川秀樹とオッペンハイマーの出会い。

1939年9月25日、湯川秀樹はアインシュタインに別れを告げ、ニューヨークを発ちます。アインシュタインにとは戦後に涙の再会をします。
湯川はいくつかの大学を回った後、西へ大陸横断鉄道列車で向かい、また大学訪問を重ねました。
10月8日、湯川は太平洋岸のサンフランシスコに着き、9日に最終目的校のカリフォルニア大学を訪ね、オッペンハイマーと初めて会いました。
「細身のハンサムな人だな」と湯川は思いました。

湯川が、原子核を構成する陽子と中性子を結ぶ中間子論について説明すると、学生ではなく、教授のオッペンハイマーが何度も口を挟んできました。それはヤジではなく、本当に興味があるものでした。
そして最後には、湯川を差し置いていつの間にか、オッペンハイマーが推論を一人述べていて、湯川は唖然として苦笑しました。(続く)

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