Fate/EXTRA~CCC あらすじまとめ(ネタバレあり)

いよいよ5/1より始まる、Fate/GrandOrder Fate/EXTRA CCCコラボイベント 「BBちゃんの逆襲」ですが、FGOからFate世界にはいった方、またはステイナイトやホロウアタラクシア、アニメが有名だったFate/ZeroからはいってEXTRAは知らない、という方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事ではネタバレ全開でEXTRA、およびその続編であるCCCの粗筋を書いてみようと思います。

EXTRAシリーズ未体験の方が、BBちゃんやパッションリップ、メルトリリスなど今回のコラボイベントで出会うだろう彼女たちとの物語をより楽しめる一助となれば幸いです。

なお、メイン部分およびBBちゃんに関する部分だけを抜粋しているので、見どころをいくつかスルーしています。なので原作をプレイしたほうがより楽しめるのは言うまでもないのでみんな買おうな!いまならセール期間中だよ!

でも待てねぇ!オレは1日から全開でやりてえんだ!という方は以下のあらすじをどうぞ




FATE/EXTRA


月にあるムーンセルという宇宙人の作った超凄いコンピュータがあった。その目的は地球のあらゆる情報を記録すること。 ある日、ムーンセルは自らの作った仮装領域にて聖杯(ムーンセルの1度だけのコントロール権)をめぐる戦いを企画する。

つまり、聖杯戦争である。

EXTRAの世界ーー2030年において、人類は停滞していた。

とある事件によって地上から魔力は失われ、資源は枯渇し、文明は停滞し、西欧財閥という巨大なグループによって技術は管理されていた。そしてそれでもなお、人々は戦争をやめられなかった。資源の枯渇は兵器の技術進歩を止め、代わりにハッキング能力が戦争の主力となった。その中でも魔力回路と呼ばれる特殊な神経を使い、自らの存在ごと電子の世界に飛び込める人間のことを、この世界では魔術師(ウェザード)と呼ぶ。

ムーンセルでの戦いはムーンセルという巨大なコンピュータの中で行われる。そこで戦える人間とは、すなわち魔術師であり、彼らにムーンセルが与えた武器こそ、サーヴァントとよばれる過去の英雄たちをデータ化した存在であった。

ここでメタ的に主人公の説明をすると、名前も自由に設定でき、性別も選べる。FGOにおいて「月の勝利者」「もう一人の結末」という概念礼装で姿を見ることも出来る。デフォルト名は岸波白野なので、以下はコレで通す。

岸波白野は穂積原学園というごく普通の高校に通うごく普通の生徒であったが、ある日突然校舎に正体不明の敵が現れ、命からがら逃げ回るもついに致命的な傷を受けてしまう。「死にたくない」「諦めたくない」必死に願う彼の脳内に、誰かの呼ぶ声が聞こえた。必死にその声に答えると、そこにサーヴァントが現れ、彼を助けてくれた。サーヴァントは彼と契約し、聖杯戦争で戦わなければならないことを告げる。

*ここでのサーヴァントは「セイバー(ネロ・クラウディウス)」「アーチャー(無銘)」「キャスター(玉藻の前)」のいずれかを選択できる。

彼の通っていた校舎は聖杯戦争の予選のためにムーンセルが用意した空間で、そこで一時記憶を奪われて生活し、その記憶を取り戻し戦えるか、で予選突破の有無を決めるのだ。

主人公は記憶は失ったままではあったが、とにかく聖杯戦争の本戦には出場できた。そして参加者となったからには、戦う義務が発生する。戦う目的もないままではあったが、生きることをあきらめたくない主人公は戦配線層を戦うことを決意する。

こうして、128人のマスターとそのサーヴァントによる聖杯戦争が始まった。

記憶を失った凡庸な魔術師とそのサーヴァントは、どうにか多くの戦いに勝利し、ついに聖杯を手にする権利を得た。

しかし、主人公の正体は自我を持ったNPC――プログラムであった。かつて地上にいた「何者か」をムーンセルが観測し、聖杯戦争の運営のためにそれをモデルにして作り出した数多くのAIのひとつが、何らかのバグで自我をもった存在であった。聖杯に接続する、すなわちムーンセルと直接接触してしまえば、バグデータである主人公は分解されてしまう。

勝利したところで、結局は消え行く運命だったのだ。

聖杯――ムーンセル中枢にたどり着くと、そこに1人の人間が待っていた。

名をトワイス・ピースマンを言う。かつて地上にて戦争で死んだ医者であり、主人公と同じようにそれをモデルにしたAIでもあった。さらに彼は、自分こそムーンセルのテストに過ぎなかったただの戦闘を、聖杯戦争というムーンセルの使用権を得るものとした存在だと語る。

その目的はムーンセルを使い地球に大規模な戦争を起こすことであった。多くの、あまりに多くの戦争を得て掴んだ未来がただの停滞であることに彼は我慢ができず、その執念こそ彼を自我を持ったAIと化した原因であった。それゆえ、今の状況を変えるために戦争を望んだのだ。だがバグデータである彼には聖杯を使用する権限がない。それゆえに、同じバグデータでありながら優勝者の権限を得る主人公に、自分への協力を要求する。

だが主人公はピースマンを否定し、最後の戦いが始まった。

ついにピースマンに勝利し、聖杯に接続する主人公。その願いは「聖杯戦争といういたずらに命を使い果たすこのシステムを永遠に破棄し、ムーンセルに人間がアクセス出来ないようにすること」であった。

月は、かつてそうであったように、ただそこにあるだけでいい。

そして願いの入力は終わったものの、ムーンセルによって分解されてゆく主人公。その中で、かつての自分のオリジナルは死んでおらず、地上で冷凍睡眠で眠っているだけと知る。彼は今の自分とは違う存在だけれども、最後に自分にオリジナルに向かって声をかける。

「――失われたものへの追悼はあるけれど なに、地球が無くなったわけでもない。
 道があるのなら、自分はきっと歩いていける。
 願いに、目的に貴賤はない。小さくとも、一つだけであっても、叶えたい願いを持って歩き続ければ、最後に、大きな花を咲かすだろう。
 それが、ついには自分をここまで連れてきたように。
 心配はない。現在(そこ)には変えて行こうとする人々がいて。大切に思える人がいる。
 一緒に、同じ時を生きていく事が出来る。一緒に進んでいく事が出来る。
 ああ――それはなんて待ち遠しい、希望に満ちた――」

そして主人公は消滅し、聖杯戦争は終わった。

Fate/EXTRA 完


それでは次行くよー

Fate/EXTRA CCC


ーー女の話をしよう。


舞台はEXTRAと同じ月、ムーンセルの支配する霊子虚構世界である。

聖杯戦争を戦っていた主人公だが、ある時再び記憶を失い、かつて予選を過ごした校舎にいた。記憶を失ったことでまたもや普通の学生生活を過ごす主人公だが、なにか違和感を覚えていた。

ある日、突如校舎に謎の黒い塊が発生し、それに主人公や多くの人々(NPC)は飲み込まれてしまう。 このまま死んでしまうのかと思った主人公だが、どこかから必死に呼びかける聞き覚えのあるような声がした。

必死にその声に答えると、それはかつて聖杯戦争で共に戦ったサーヴァントのものであった。 サーヴァントの力を借り、謎の空間から脱出すると、そこには巨大な桜の木と、古い木造校舎のある不思議な場所だった。 かつての聖杯戦争のライバルたちや、なぜか保健室のAIであった桜もそこにおり、一体何が起きたのか考察する面々。

するとそこに、一人の女性が姿を現す。 保健室AIであった間桐桜にそっくりなその少女はBBと名乗り、先程の黒い塊は彼女が引き起こしたこと、ここが「月の裏側」と呼ばれるムーンセルが不要なデータを廃棄する隔離空間であること。そして集まったマスターたちを死ぬまでここに閉じ込めることを宣言した。

BBは桜の同型機のAIが何らかの理由で暴走したものであり、その目的はムーンセルの支配であると考えた面々は、BBがムーンセル中枢を目指して掘り進めたダンジョン、「サクラ迷宮」を攻略し、BBを倒し正常な聖杯戦争に戻るため団結。「生徒会」を発足しダンジョン攻略のため団結する。

巻き込まれたマスターの1人、殺生院キアラとそのサーヴァント・アンデルセンらとも協力し、サクラ迷宮を攻略する主人公、途中、BBが作り出した女神複合体であるハイ・サーヴァント、アルターエゴ――パッションリップやメルトリリスたちとも激戦を繰り広げ、キアラやアンデルセンら仲間を失いながらもついにムーンセル中枢にてBBと対峙する。

BBはデータとして存在する128体のサーヴァントのほとんどを吸収しており、自己改造によって極めて強力な力を持っていたが、その影響かムーンセル側の影響か、聖杯を使い世界そのものを破壊する存在となっていた。主人公はからくもBBを撃破し、正常な聖杯戦争へ帰還するのであった。

BBは最後に、自分がいなくなってしまったら――

「あの、尊い人を―――。
 誰が、守って……あげられるの……?」

そう言い残して消滅した。

ここまでがノーマルエンド。 ここからが本番、CCCルートである。

AIである桜に優しくした上で特定条件を目指すと突入。 BBの本心や、事件の黒幕が明かされる。


ーーでは、その女の話をしよう。 淫らに現実を侵す、おぞましい愛の末路を


BBと中枢で対峙するまで大筋は同じだが BBは主人公を閉じ込めると宣言したり、妨害をしてきたのだが どうにも本心は違うのではないか?ということに気づく主人公。 中枢にてついに本音で語り合う主人公とBB。

BBの正体とは――

かつて聖杯戦争の予選として行われた、仮初の学園生活。そのある日のこと。 AIである間桐桜は、謎の体調不良に見舞われ学校で倒れてしまう。 だが、何故か誰もそれには気付かなかった。そしてAIである彼女を助けようとする人間がいるはずもなかった。

だが唯一桜に気づき、助けた人間。それが主人公である。

AIである自分を対等の人間として扱ってくれる主人公に惹かれた桜は、保健室のデータ設定をいじり、およそ数ヶ月にわたり同じ1日をループさせ、主人公との逢瀬を楽しむようになっていた。AIである桜は、たしかに主人公に恋をしたのだ。しかしAIに人を愛するという機能はないはずだ、という自己矛盾に苦しんだ挙句、桜は「主人公に恋した記憶」を自らのバックアップ機体に封印することでその矛盾を解決しようとした。

そのバックアップ機体こそ、BBである。 そしてBBは主人公がAIがバグによって自我を獲得した存在であり、いずれムーンセルに消去されることを知ってしまう。

AIである自分を対等な人として接してくれた人間、そして恋をした人、そのために、彼女はすべてを賭けたのだ。

「わたしは消されない。ムーンセルにも、この思いは消されない。
 ムーンセルがある限り、あの人は救われないのなら、わたしがムーンセルになる。」
「見ていなさい私。大切な人のためなら愛は世界さえ引き替えにする。それを――わたしは証明して見せる!」

つまりBBの目的とは、恋した存在である主人公を救う。 ただそれだけだったのである。 それだけのために、無茶な自己改造を繰り返し、悪役として振る舞い、主人公を安全な場所に閉じ込め、自分の命をかけてムーンセルを侵食しようとした。 真実を知り、ついに和解するBBと主人公。

突如、謎の攻撃を受けるBB。 そこに現れたのは死んだはずの殺生院キアラであった。 彼女こそ、この事件の黒幕である。 冒頭の桜の体調不良は彼女の目論見であり、その目的は恋のためすべてを捧げ、自己改造で神に近くなったBBを利用し、吸収し、自分こそが神となることであった。

彼女の目的とは神となりあらゆる人間と自分を融合させ、溶けて混じり合わせ、最高の快楽を得ること――すなわち、自己の愛欲である。キアラは他者が快楽により破滅することを見ることでしか快感を感じられない破綻者であった。

ほぼすべてのサーヴァントを吸収したBB、アルターエゴ、そして桜をも吸収し、アンデルセンの宝具「貴方のための物語」によってついに魔神と化したキアラ。

「ありとあらゆる人間を使って、最大の快楽を得たい。ほら、そのためには神になるしか無いでしょう?」

ただそれだけのためにあらゆるモノを利用し、ついに魔性菩薩という神に等しい存在になったキアラと死闘を繰り広げる主人公。 勝ったのは主人公であった。

サーヴァントでも、ましてや人間には勝ちようもないキアラに主人公が勝利した理由。それはキアラが桜たちを吸収したことであった。 彼女たちが恋した存在を守るため必死に抵抗したことが、ほんのわずかな勝機となり、敗れたのだ。 おぞましい愛は、少女の恋に破れたのだ。

キアラの崩壊と同時にムーンセルは機能を回復、月の裏側の以上を察知し初期化工程を実行。必死に逃げる主人公だが、初期化の波は早くもはや消去される寸前。 主人公をかばったのはBBであった。 自身の消滅と引き換えにほんの少しの時間を稼いだのだ。

そこまでする理由がわからない、自分は命をかけられるようなことを君にしてあげられていない!と叫ぶ主人公に、BBは言った。

「あ、それが分からないのは当然です。
 先輩、大した事してくれなかったし。
 いまいち冴えない人だったし。
 うん、でも―――それが嬉しかった。
 ……選ばれた才能ある人間が、
 輝かしい手を差し伸べて選んでくれるより。
 どこにでもいる貴方が、
 せいいっぱいの言葉で笑ってくれた事が、わたしたちは嬉しかった。
 わたしが夢見るには、
 それだけの事で、十分でした」

人形だったAIは穏やかに笑った。 消滅寸前の彼女に、主人公は叫ぶ。 桜、と 。

BBではなく、あの時をともに過ごした後輩の桜として。

あの保健室で、何度も繰り返し呼びかけた彼女の名前を。

「―――はい。 さようなら、先輩。
わたし、貴方の事が、大好きです。 」

彼女は、そう言って微笑んだ。


――たとえば、それは道端に転がっている小さな石です。何かを叫んでいる石です。でも、道行く人達は気にもとめません。石の声は人間たちには聞こえないからです。

そもそも、その石だって自分が何を言いたいのかわかっていません。ただそこにあるだけのモノでした。でも、そこにヘンな人が通りかかって、石を拾い上げると真剣に耳を澄ますのです。

石はいっそう声を上げて、自分でもわからない気持ちを伝えます。ヘンな人はますます真剣な顔なのです。石はもどかしくなって、自分の不器用さを恥じ入りました。

自分がもっと人よりなら。きちんとした人間なら、確かな言葉を伝えられるのに、と。

そのときに気づいたのです。石が叫んでいたのは、ずっとそういうものに憧れていたからだ、と。

それを聞き届けた彼は言いました。”じゃあ、一緒に行こう”。

まるで対等の友人のように。取るに足らない路傍の石を、ただひとつのものとして接してくれた。

――こんな奇跡を、わたしは知りません。ムーンセルにだって記録されていないと思います。

・・・だから、この命はあなたのために。

一時でも「有る」と夢を見させてくれたあなたのために、わたしは獲得したいのち(あい)を使うのです。

――いつかの保健室で、そんな言葉を発した。そんな幻だけを残して、BBの黒いコートの切れ端が消滅した。

そして彼女の稼いだ僅かな時を使い、主人公は月の表側へと帰還するのであった。


Fate/EXTRA CCC END


いかがだったでしょうか。

あらすじでも結構な量になってしまいましたが、BBの魅力を感じてくれたら、EXTRAについてちょっと知識がついたな、とわかってくれたならば幸いです。

ここではしょったイベントも熱く感動するものばかりですので、機会があればゲームの方もプレイしてくださればと思います。





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