「自殺者数、2000人超の衝撃。女性は82.6%増加。」という記事を読んで男性にも注目してみる

ハフポストの記事によると、10月の自殺者数は2000人を超えるという。

警察の発表によれば、新型コロナウイルスが流行りだした2月の自殺者数は1400人程度であったというから、およそ600~700人も増えているということになる。

痛ましい話である。

ところで、ニュースのタイトルにもなっているが、コロナ過における自殺の記事において、特に女性の自殺率の増加について着目する記事が非常に多いと思う。この記事では、82%の増加とうたっている。

確かに、女性の自殺者数はこのコロナ過で急増している。それは間違いない。しかし、それだけ増えても女性の自殺者数(800人程度)は男性の自殺者数(1300人)にまったく追い付いていない、という点にもう少し注目すべきではないだろうか。

これまでの統計を見ても、自殺者における男性の割合、特に中高年の男性の割合は非常に高いのである。

私も男であるから、理由については察せられるものがある。

30代も後半を過ぎると、よほどの経験・人脈・技術がなければ、正社員での再就職は難しい。40前後にもなって新人のような振る舞いは、社会は受け入れない。

もちろん失業による経済的な不安は男女ともに同じである。今は、女性であっても社会人として働いているのが当たり前で、専業主婦などほとんど見なくなったからだ。

しかし、男女で違うものもある。

それは、世間のまなざしである。

ある夫婦のうち、女性側が働いておらず、家事・育児に専念していたとしても、何も言われることはないだろう。

翻って、男性の場合はどうだろうか。専業主夫という言葉もあるが、はっきりいって仕事をしていない男性、特に中年男性に対する世間のまなざしは非常に厳しい。

必死に就職活動をして、それでもうまくいかなかった人に対して「その年まで何をしていたのか」「努力不足だ」「実力がなかったから首になった」等の心無い視線が向けられることはよくあることである。

ニュースを見てもわかるが、女性の失業や自殺、特にシングルマザーに対する世間の関心度は高い。何らかの社会的救済処置が取られる可能性も高いだろう。

だが、中年男性にはそれがない。一度レールから外れれば、まっとうな生活に戻るのは厳しい。

定年を70歳にするという話もある。少子高齢社会の中、それほどに働く人を増やしたいのであれば、不幸に見舞われている働き盛りの中年男性にももっと目を向けるべきではないのだろうか。そんなことを思うのである。








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