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ゲームを作るための5つの習慣

「脚本を書くための101の習慣」という本があります。

これは、一流の脚本家、小説家にインタビューを行い、彼らがどういった行動パターンで優れた脚本を書いているのか、ということを解き明かした本となります。

この本は、脚本家や小説家に向けて書かれたものですが、ゲーム開発にも応用できる部分もいくつかあるので、一部を私の解釈を加えて紹介したいと思います。

■001: 極めて独創的になる


よくある表現になっていないかチェックすることを自分に課す。執筆途中に手を止めて、自分に「同じことを20通りの方法で表現してみろ!」と迫る。この2人の登場人物が出会う最高の方法を20通り。追跡の方法を20通り。
アイデアを出せば出すほど場面は生きてくる。
素晴らしくなくてもいいから、ともかく20通りだのアイデアを捻り出していくと、9番目か10番目に光るやつが出る。
「最初の思いつきでいいや」って言わないことが大切なんだ。


ある漫画家さんは、アイデアをいくつか考えたら、漫画に詳しくない友達と話してみるそうです。そして、その友達が思いつくようなアイデアであれば「ありきたりのアイデア」と判断してボツにするとのことです。

斬新なゲームのアイデアを思いつくには、繰り返しの試行錯誤が必要になるのかもしれません。最初に思いつくのは、どうしてもありきたりなアイデアになってしまいがちだからです。
ゲームで言えば、一つのジャンル、例えばシューティングゲームであれば、それをいくつかのバリエーションで作ってみるのが良いかもしれません。
個人的には、小さくたくさんのゲームを作ってアイデアを試すには、1週間に1つゲームを作る「Game A Week」というチャレンジをオススメします

■004: いつも観察する


描写するためには、観察しなければならない。ほとんどの人は、身の周りで起きていることの半分も見ずに人生を過ごす。人生や人間性の細々としたことを観察するには、日々日常は忙しすぎる。そう言うわけで、素人の脚本家は自分の目で観察した実世界からではなく、昨日見たテレビ番組とか一昨日に見た映画を参照したりする。
一流の脚本家は他人を観察する習性を身につけている。そして人がどのように話すかを聞き取る耳を、人がどのように振る舞うかを見る眼を養っている。自分を取り囲む世界を微細に把握し、鮮やかに世界を視覚で切り取りながら、静かに頭の中でメモしているのだ。カフェで、空港で、食堂で。いかなる場所でも周りの人を見つめ、聞き耳を立てて人の会話を盗み聞かずにはいられない。
ようするに彼らには、”注意力” がある、ということだ。

脚本の世界では、人間観察が重要で、しっかり人間が描けているかどうか、などが評価の基準となります。
人がどのように行動し、どのように会話をして、どのようなリアクションを取るのか、などを観客が納得できる表現で描く必要があるわけです。

これをゲームに応用すると、ゲームの面白さは「ルール」とそれにより得られる「効果」と私は考えています
ゲームを作る人が観察すべきは、世の中にどのような「ルール」があり、それがどのような「効果」を発生させているか、というところにある気がします。

もしくは自分の作ったゲームの「ルール」がどのような「効果」をもたらしているか、しっかり考えることにあると思っています。
「敵の弾を跳ね返すことができるルールは、”弾を避ける” という面白さを損なっているかもしれない」
「いつでもダンジョンから帰還できる仕組みは、快適であるけれども緊張感を薄くしてしまっているかも」
というように、客観的な視点で自分のゲームを見ることができると、よりゲーム作りは面白くなるかもしれません。

■007: 自分の才能を信じる


才能があるかどうかというのは、青い眼を持っているかどうかというのと同じ。
目が青いというだけでその人を尊敬するわけではない。
私は、自分の才能で何かを成し遂げる人を尊敬する。
(俳優:アンソニー・クイン)

世の中には優れたゲームはたくさんあります。
それと自分のゲームを比較すると、自分ゲームがいかにチープであるかということに気がつき、ひどく落ち込むことがあると思います。
高く評価されているゲームは、洗練されたゲームグラフィック、スケールの大きい世界観、感動のシナリオ、魅力的なキャラクター、奥深いゲームデザイン、などを兼ね備えています。
それらとの差に落胆するかもしれません。ですが、あなたの作っているゲームは、あなたにしか作れない要素が何かあるはずです。
そこには何か特別なゲームの面白さが潜んでいる可能性があります。それを信じてゲームを作っていくことが大切なのではないかと思います。

■029: 道具に慣れる


自分の考えを伝えるために必要な道具。
鉛筆、ペン、絵筆、コンピュータ。そして紙、キャンバス、プリンター。
”これを使えば成功する” という魔法の道具は存在しないが、以下のインタビューからわかるのは、
皆それぞれお気に入りの道具があるということだ。
重要なのは、皆、自分が使う道具になれていて、だからリラックスできて、つまり創造力も高まる、ということなのだ。
書くことの邪魔にならなければ何で書いても構わない。
「最新の脚本ソフトを使えば勝てる」と信じることで書けるのであれば、それだって結構なのだ。

ゲーム開発にとって環境選びはとても重要です。
個人的な話ですが、ある環境を選んだ時は、やりたいことをするための手順がとても長く、とてもストレスだったので、その環境でゲームを作るのをやめました。
私の場合は、GameMaker:Stuidoという環境を使っていますが、この環境だと思いついたアイデアをすぐに形にできるので、少なくても自分にとってはとても優れたゲーム開発環境だと思っています。
ただ、何が良いかは、人の感性によって大きく変わるので、結局はいろんな環境を試すしかないですね……

■031: 定期的に書く


私は創作心に火が点いた時にしか書かない。
幸いにも、毎朝9時になれば必ず私の創作心に火が点くのだ。
(作家:ウィリアム・フォークナー)

創作というのは、何日かそれについての作業をしないでいると、手をつけるのに気が乗らなくなります。
なので、毎日続けるという姿勢がとても大切になります。

個人的にオススメなのが、1kg程度の軽いノートパソコンを持ち歩くことで、それなりの性能であればゲーム開発を行うことができます。
また、プログラムを書く気がしないのであれば、ExcelやPowerPointなどで、設計やゲームシステムに関する仕様をまとめるという軽い作業をするのも良いです。
ノートパソコンがなかったとしても、コンビニの100円ノートに、今作っているゲームの分析をまとめたり、資料をまとめたりすることはできるはずです。
常に自分のゲームについて考える、ということが重要ではないかと思います。

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創作のモチベーションを高めるために、毎日ブログを書いてみるのも一つの手です。毎日ゲーム制作について何か考えるようにすると、脳が活性化して自然に創作活動ができるようになった気がします。

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