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プレイヤーのモチベーションを上げる方法

プレイヤーのモチベーション」という記事が面白かったので、これを読んで感じたことを書いていきます。

■「プレイヤーのモチベーション」の記事のまとめ

こちらの記事で書かれていることはおおよそ以下の通りです。

▼プレイヤーのモチベーションを維持するための方法

1. キャラクターの成長
操作可能なキャラクターのパラメータが上昇して成長し、それによりゲームを効率的に攻略できるのが楽しい

2. 謎
プレイヤーに謎を提示して、それをプレイヤーの手で解き明かしていく過程、謎の正体が意外性のあるものだったの時の驚きが面白い

3. 目標設定
提示された目標を達成を達成するのが面白い。ただし、達成が難しすぎる場合や、プレイヤーに退屈を感じさせるような目標(例えば単純作業など)は楽しくない。一番いいのは、オープンワールドのゲームのように、プレイヤーが自主的に目標を作れるようにすること

これらをもう少し私なりに考えていきたいと思います。

■1. キャラクターの成長

記事の中では「クッキークリッカー」を例に出してパラメータの上昇について書かれています。これは攻撃力の上昇や生産率の上昇といった、成長してより強くなる、という要素について書かれているものだと思います。
強くなると、「より強い敵を倒せる」「より生産性が上がる施設を購入できる」といった "強くなることで、より効率的にゲームを進められるのが気持ちいい" となり、それがプレイヤーのモチベーションに繋がるのではないかという気がします。

もう1つの成長ベクトルとしては、「スキル」の取得が考えられます。例えばゼルダの伝説やメトロイドといった探索型のアクションゲームでは、パラメータの上昇もありますが、「岩を壊すことができる」「二段ジャンプできるようになる」といった新しい操作方法を取得するゲームシステムが用意されています。これにより、"今まで行くことができなかった新しい場所に行くことができる" という探索の楽しさが強化される面白さがあるのではないかと思います。

なお、これらはパラメータや能力が累積・蓄積するタイプのゲームデザインです。私が大好きなローグライクでは "PermaDeath" となっていて成長パラメータがそのプレイ内のみでしか持続しません。

関連記事:PermaDeathをクソゲーにしない方法

この場合はキャラクターそのものの成長ではなく、プレイヤースキルの成長(ゲームが上手くなった)を楽しむことができるゲーム性となります。
シューティングゲームなど、アーケードライクのゲームを作る場合には、プレイヤースキルの成長を楽しめるようにした方が良いかもしれません。

■2. 謎

ゲームのおける "謎" は私の解釈では「不明なもの、未知のものを探し出す」というイメージで捉えています。
例えば、小さな謎としては、パズルゲームでどうやったらパズルを解けるのか、もしくはゴールまでたどり着けるか、というのも謎といえますし、お使いイベントでアイテムを探しに行くのも謎解きといえます。メトロイドのように「探索」して、新しい場所に行けるところを探すのも未知のものを開拓する謎解きと考えています。
それ以外にも、例えばステージクリア時にアニメーションが流れる(例えばパックマンなど)という演出があると、「次のステージクリア時にはどんなアニメーションが見られるのだろうか」という期待が高まり、先に進めたくなるモチベーションとなり得ます。

謎についての解釈とは少し離れたところにありますが、コレクション要素・コンプリート要素も "未知のものを探したくなる" モチベーションを高めるために有効です。例えば、アイテム回収率、イベント(CG)回収率、などが表示されると、100%にしたくなる(不完全なものを埋めたくなる)心理が働きます。

■3. 目標設定

記事で書かれていたような「プレイヤーが目標を自主的に設定できる」というプレイスタイルをしてもらうには、まずは "様々なプレイスタイルを許容する" という柔軟なゲームデザインでなければなりません。端的にいうと "自由度が高いか" ということとなります。
例えば、解法が1つしかないパズルゲームでは、プレイヤーはその道筋をたどる以外にゲームを正しく進めていく方法がありません。プレイヤーが好きに攻略方法を構築することはできないため自由度は低いです。
しかし、様々な解法があれば、プレイヤーの好みで自由に選ぶことができます。

* 攻略ルートを好きに選んでゲームクリアできる
* 性能の異なる主人公キャラクタが複数存在する
* 複数のエンディングが存在する

このようなゲームを作るには、プレイヤーの行動に対して複数の評価方法を認めることが基本の考え方となります。

例えば、「特定の敵を討伐するクエスト」を受注したとします。この場合に、敵を倒す方法が複数あったとすれば、攻略の自由度が高くなります。

1. 通常は敵のHPを 0 にして倒す
2. 敵がダウン時にうまく追撃を入れていくと、効率良く敵を倒すことができる
(ただし失敗すると反撃されてピンチになることも)
3. さらに高難易度のクリティカル技を狙うと一撃で倒すことができ、もっと効率が良くなる

敵を倒すだけでも、これだけの攻略の幅を持たせることで、遊びの自由度が高まります。リスクを避けたいプレイヤーは 「1」の方法でちまちま倒してもなんとなりますし、熟練のプレイヤーであれば「2」「3」の方法で RTA さながらのスーパープレイで楽しむことができます。

もちろん、正攻法でボスを倒す以外にも、「谷底に突き落として暗殺する」「NPCに依頼して討伐させる」といった攻略法が用意されていると、さらに遊びの幅が広がることは間違いありません。

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