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インターフェースデザインの原則

インターフェースを作る上での最も重要な原則は「必要な動作を十分に表現し、かつ可能な限りシンプルなものを目指す」ということです。
操作方法があやふやでまとまりがなかったり複雑であると、楽しいゲームプレイの妨げとなってしまいます。

◾️3つの基本的な要素

シンプルでわかりやすいインターフェースをどうやって作るのかについてですが、まずはインターフェースの要素について理解します。
たいていのゲームに共通するインターフェースは以下の3つです。

1. ゲームの操作性: プレイヤーの操作などメインゲームで最も重要となる操作
2. インゲームメニュー: ゲーム中にアクセスされるメニューとスクリーン。HPバーやスコア、ミニマップ、目標示唆などのHUDや中断メニューなど
3. フロントエンド: ゲームプレイ以外で表示される、すべてのメニューとスクリーン。タイトル画面、オプション画面、ステージ選択画面など

この中で一番重要なものは「ゲームの操作性」です。ここがわかりにくいとゲームをプレイされにくくなります。次に「インゲームメニュー」です。これが複雑になってしまうと、プレイヤーはゲーム中どれを見て良いのか、何が起きているのかがわからなくなってしまいます。最後に「フロントエンド」です。メインゲームのUIに比べれば重要でないものの、繰り返し遊ぶ際にはこの部分がわかりにくいと欲しい情報が得られなかったりしてしまいます。

◾️インターフェースデザインに取り組むときの3つの原則

インターフェースの設計の際に考えなければいけない3つの原則は「シンプルさ」「表現性」「学習曲線」です。

1. “シンプルさ” の原則: 必要な行動をサポートするのに、インターフェースはできる限りシンプルなものであるべき
2. “表現性” の原則: プレイヤーがゲーム世界で持てる、オプションの度合いと行動の選択が広くなると、インターフェースは幅広い表現性が求められる
3. “学習曲線” を考慮する: ゲームの操作方法、または使い方を習得するのにどれだけの労力を必要とするのかを考える。理解度に応じてインターフェースの表現性を広げていく

インターフェースは可能な限りシンプルであることを目指します。ですがゲームが複雑になるとそれに合わせて "表現性" を広げる必要があります。例えば、アイテムを使うことができる場合には、使った時の効果を説明するだけで良いですが、装備できる場合には装備したらパラメータがどのように変化するのかの説明が必要となるかもしれません。さらには属性効果や特殊な効果がある場合にはその説明が必要となります。文章だけでは説明が長くなる場合はアイコンを表示するなどの工夫が必要となるかもしれません。
このような "表現性" の広がりは "シンプルさ" とトレードオフの関係にあり、どちらを優先するか常に葛藤があり、難しい判断を必要とします

"ゲームの操作性" に関するものは、ゲームの進行に応じて操作を覚えていくようにする、など学習曲線を意識した作りにしていく必要があります。

◾️インターフェースの5つの黄金律

良いインターフェースを作るための5つの黄金律は以下の通りです。

1. 一貫性を持つ: すべてのメニューが基本的に同じ操作性を用いるようにする
2. ゲームプレイの実行に簡単なインターフェースを用いる: 最低限の操作で、最大限に異なる行動が取れるようにする。簡単さと表現性の平衡点を求めるなら、簡単さを優先すべきである
3. 馴染みのあるもを使う: むやみに新たな入力方式を考案すべきでない。ユーザーが知っているインターフェースがすでに存在して、状況にあうなら、まずそこをスタート地点とする
4. 1つのボタンには1つの機能: 各ボタンまたはキーには機能を1つだけ定義する
5. 学習曲線を構築する: メインとなるゲームプレイをしているときに、ゲームの機能とインターフェースの操作方法を徐々に教えるのがいい

まず最初のルールとしては、操作方法を場面によって変えないことです。一貫して同じ操作で動かせる統一性を保ちます。例えばXボタンを「メニューを開くボタン」に割り当てたら、全ての画面で Xボタンはメニューを開くボタンになるようにします。

次にできる限りシンプルな操作性にすることです。例えば口頭で誰かにゲームの遊び方をしていると想像します。その場合、相手はあなたの説明をわかりやすいと思うでしょうか。そうでない場合、どこかわかりにくい操作性になっている可能性があります。
またインターフェースの見た目はとても重要です。スクリーンショットはインターフェースを含めるので、インターフェースの見た目の良さでゲームの印象は大きく変わり、メインゲームのUIであれば、売上にも大きく影響する可能性もありますです。ただ、シンプルさと見た目の良さを天秤にかけ、どちらかを取らなければならない場合は、"シンプルさ" を選ぶようにしてください。理由は、プレイヤーが体験したいのは、見た目ではなく快適に遊ぶことができるゲームのプレイ体験だからです。

ゲームのUIを作る際、斬新な見た目や操作方法を採用したいと考えるかもしれません。これは避けたほうが良いです。奇抜な操作方法はプレイヤーへの学習コストが上がり、習得するまではゲームを楽しむことができなくなってしまうためです。既存のゲームで採用しているメニューや操作が、自分のゲームにも合う場合はそれをスタート地点にして考えた方が間違ったものになる危険性を減らすことができます。ただ、既存のものが100%正解とは限らないので、少し疑いながら設計を行うと良いかと思います。

1つのボタンに複数の機能を割り当てるのは避けます。例えばカーソルキーに "キャラクターの移動" と "弾を発射する照準" を同時に割り当てると、どちらもうまく操作できずにプレイヤーは混乱してしまいます。それぞれを別のボタンに割り当てるか、別のボタンにより操作モードを切り替える、とした方が操作性は良くなると思います。

学習曲線については、以下で詳しく説明します。

■学習曲線について

学習曲線は、横軸に「時間」、縦軸に「プレイヤーが覚えること」を取る図表です。

最初に覚えることが多いゲームは何をすれば良いかわからなくなり、ユーザーに諦められてしまう可能性が高いです。そのため「段階的に覚えるゲーム」にして、少しずつ複雑にしていくのが良いです。できればある程度覚えたら、後はその知識を応用してゲームを攻略できるようにするのが良いです。
例えばステージクリア型のパズルゲームを作る場合には、ギミックのネタが尽きてしまい、新しいギミックを置くことでゲームの変化を作りがちになりますが、覚えることがずっと続くとプレイヤーはうんざりしてしまいます。プレイヤーは「操作方法を覚える」ことがしたいわけではなく、「ゲームを楽しみたい」と考えているからです。

■参考にした書籍

今回の記事は、こちらの本の「7章 インターフェースデザインの原則」を参考にしました。

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インターフェースの1つ形として「チュートリアル」を簡単に、わかりやすく作る方法を紹介しています。

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