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楽してチュートリアルを作る方法

■チュートリアルとは

チュートリアルとはもともと「個別指導」「家庭教師」という意味となります。そこから派生してソフトウェアにおいて、操作方法を説明する画面をチュートリアルと呼ぶようになりました。
ゲームにおけるチュートリアルは重要で、操作方法だけでなく、ゲームの目的を理解してもらうためにも必要な機能となっています。

■チュートリアル実装は大変

ゲームにおけるチュートリアルの実装はなかなか大変です。というのも、ゲームはその世界でしか通用しない特殊なルールが複数存在するため、それらを全て理解させるのは時間がかかりますし、チュートリアルの画面遷移も複雑となります。

■チュートリアルを簡単に作るには

そこでチュートリアルを簡単に実装する方法ですが、方針としては以下の通りです。

* チュートリアルが不要なゲームデザインにする
* チュートリアルの実装コストを最小限にする

■チュートリアルが不要なゲームデザインにする

チュートリアルが必要となるのは、複雑なゲームシステムであったり独自のゲームシステムを採用している場合です。そのため、ゲームシステムをできるだけシンプルにしたり、想像がつきやすい操作方法にするとチュートリアルがそもそも不要というゲームにできます。

チュートリアルを不要にするゲームデザインの方針は以下の通りです。

* 少ないボタンで操作できるゲームにする
* 既存のゲームルールのお約束をできるだけ採用する
* 攻撃ゲージ、必殺技ゲージ、シールドゲージというような複数のパラメータを組み合わせるゲームを避ける
* 段階的に学べるレベルデザインにする

■チュートリアルを最小限にする方法

「段階的に学べるレベルデザイン」についてですが、例えばプレイヤーが「左右移動」「ジャンプ」「攻撃」「必殺技」という4つのアクションを取れる場合、最初のレベルでは「左右移動」「ジャンプ」というアクションだけでクリアできるようにします。

例えば、最初のステージは、敵が全く存在せず障害物を飛び移るということだけをさせ、ゴールにたどり着いたらクリア、とします。
これによりプレイヤーに長い説明文を読むことなしに、限られた操作方法で模索することで、学びながらゲームを進めることができます。

少し特殊な操作方法があって説明が必要な場合は、「ヘルプサイン」を使って新しい操作を覚える段階でチュートリアルを表示する、という方法が良いです。

上記画像では「下キー+ジャンプ」で床を降りるという操作を覚えさせるために、「床を降りることで先へ進める」場面が登場したタイミングで、「ヘルプサイン」のチュートリアルを表示させることで、理解しやすいものとしました。
また、上記画像ではチュートリアル表示がゲーム進行を妨げない(ゲームが停止しない)となっているので、ストレスの少ないものになっています。

ただ、この方法の問題点としては、ヘルプサインを読まずに先に進んでしまったり、想定と異なる解法で偶然クリアしてしまい、必要な操作方法を覚えずに先に進んでしまうことです。

これを回避するには、「狭い場所に閉じ込める」ことで、そこから脱出するために必要なアイテムを探しやすくします

上記画像では、カギをすぐ近くに配置することで、それを取るとロックを解除して先に進める、ということを自然に学べるレベルとしています。

操作方法や説明が画面の端に表示されるようにするのも良いです。

例えば、このゲームでは「画面下」に操作方法を表示するようにしています。この方法はゲームプレイの邪魔にならず、迷ったら下を見ることで操作方法がわかるようになるので、ゲームを自然に進められるようになります。

■その他細々とした考え方

* チュートリアルの手間を最小限にするために、一枚絵で説明できるようにする
* 動画で説明する
* インゲームにチュートリアルを用意しない
* チュートリアルにクリア目標を設定し、それをクリアすると報酬が得られるようにする

市販のゲームでは、ゲームを進めるとチュートリアルが表示されたり、チュートリアルのためのイベントが発生したりと手間のかかったものがあります。ただ、それを作るのは大変なので、一枚絵で済ましたり、操作を説明するトレーニング動画を再生したり、タイトル画面から専用のチュートリアル画面へ遷移して、インゲームと無関係なところで説明するようにすると実装が楽です。

また、ゲームの進行に応じて(ゲーム内の)メールが来てチュートリアルとなる情報を教えてくれたり、ゲーム内通貨でチュートリアルを購入できるようにする、といった遊びの一部として組み込むのも面白いのではないかと思います。

もしくはチュートリアルをチェックリスト表示し、それをクリアすると報酬が得られる仕組みにするのも良いかもしれません。

◾️まとめ

* 一枚絵で操作方法がわかる「操作一覧カード」で説明する
* トレーニング動画を再生する
* 1ステージにつき、1つの操作方法を覚えられるようにして、ステージクリアすると段階的に覚えられるようにする
* 「ヘルプサイン」はプレイヤーの邪魔をせず操作方法を教えられる
* ある操作方法が必要になったタイミングでチュートリアルを表示する (状況対応コメント)
* メインゲーム外でチュートリアル専用画面を作る
* チュートリアルをクリアすると報酬を与えるようにする。もしくは遊びに組み込む


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