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にじpexの「Apexの性質」と「にじさんじファン」の考えの違い

Apexのゲームとしての性質

私自身、ApexはS3から始めて、それからカジュアルもランクも回し、バトルパスも買っているくらいに好きなゲームだし、おもしろいゲームだと思っている。自分の詳しい話は過去の記事にあるので、そちらを見ていただきたい。

Apexというゲームは「FPS」というゲームジャンルの「バトルロワイアル」というタイプのゲームだ。3人1組となり、総勢20組60名が最後の1組となるべく、FPSで戦う。そしてApexの個人的なイメージとしては(あくまでカジュアルのイメージで)
・他のFPSよりもAIM以外要素も勝敗に大きくかかわり、初心者でも生き残れる可能性が高い
・他のFPSよりも1マッチで即死しても精神的ダメージが少ない

というものがある。初心者にもとっつきやすいのではないだろうか。事実、私自身はFPS経験者でApexを始めているが、私の周りでも、Apexで初めてFPSをやったとか、PUBGや荒野行動などのバトロワ系しかやったことなくてApexをはじめたとか、そんな話をよく聞く。
ただ一方で、現在のVtuber界隈でのApexの盛り上がり様から、その中に初心者として飛び込んでいくのが難しいと感じるのもわからなくはない。

大会としてのApex

Vtuberも参加しているApexの大会で有名なものといえば、CRカップとVtuber最協決定戦なのではないだろうか。ほかにもいくつかあるが、ここ最近定期的に開催されていて、Vtuberが多く参加しているのはこの辺だろう。

これらの大会の参加は
・主催者がリーダー権を20名に与え、リーダーが3人集める。
・チームを組むうえでポイント制をとっており、ランクマッチのランク等により、ある程度戦えるように各チームに制限を与える。
という形でチームが決まる。V最協決定戦の主催者渋谷ハルによるポイントの話についても触れている記事はこちら

渋谷ハルは「なるべく横並びになるようにしたい」という方針を立てている。一方でCRカップの主催者であるおじじは第5回について「強い人の強さも見てほしい」ということで、横並びを目指すだけでなく、強い人は強いという一面が見えるようなポイント制度になっている(あと女の子は-2などの特殊なルールもあるが)。
また、長い期間行われるカスタム練習(スクリム)というのも、Apexの大会を慣れ親しんでいない人にとっては不思議なことかもしれない。バトルロワイアル系のFPSゲームではこのスクリムを長くやることに意味がある。一つは単純に練習試合である(といっても、スクリムと大会本番では動きが違うので、どこまで練習になっているのかわからないが)。二つ目はランドマークの確保である。このランドマークの確保というのが、なかなか理解が難しいのだと思う。

ランドマーク争奪戦

ランドマークとは、そのチームが最初に降下する地点を指す。このランドマークを決めるのがスクリムである。バトルロワイアル系のゲームでは、物資(武器や回復アイテムなど)が一定の場所にしか湧かない上、その物資に勝負の優劣が左右される。そのため、まず物資が潤沢に湧くまたは物資を回収しやすい場所の確保が重要になってくる。また、何の物資もない状態で複数のチームが同じ場所に降りて、物資運ゲーの初動ファイトや、場合によってはただの殴り合い(格闘:武器を使わずにこぶしで)となってしまっては、大会として面白くないという考えの元、初動はほかのチームと被せないためにも、ランドマークの確保が重要になってくる。そしてそのランドマークの争奪がスクリムで行われることとなる。
数回行わるスクリムの中で、自分たちの降りたいランドマークへ降り、そこで被っているチームを排除していく。逆に初動ファイトで勝てないチームは誰も選ばないような場所をランドマークとして、物資をコツコツ集めてから戦うという戦術をとる。そうやって各チームが大会当日には初動位置が被らないようにする。そういう意味でもスクリムが何回も必要になってくるのである。

参加者の負担

そういった特性のなかで、参加者は自主練習・チーム練習・スクリムと多くの時間を取られてしまう。そういう意味でマリカ杯や麻雀杯よりも、初心者・経験者にかかわらず参加しづらい面はあるのかもしれない。また、普段Apexの大会を見てない人にとっても、この特殊なスクリムというものがあることが、とっつきにくさにつながっていることは大いにあると思う。

視聴者の気持ち

そして今回にじpexの雲行きが怪しい理由が、視聴者の考えと主催側の考えのズレである。
まず1つ目に、にじさんじApexパーティーという名前でにじさんじが主催しているエンジョイ大会であるにも関わらず、マリカ杯や麻雀杯の時と異なり、参加者全員がにじさんじではないという点。にじさんじ非公式WikiのApexのページをみると、海外勢含めて100名以上名前が載っている。つまり、単純な人数で見ると、(やったことあるという意味での)経験者のにじさんじライバーだけで大会を行うことは可能であったのは確かだ。
2つ目に、プロやセミプロの参加。これがよりにじさんじライバーの参加を遠ざけているのではないかという意見がある。
3つ目に、チームの組み方。リーダー権を持つ人が3人を集め、今回はCRカップ等とは異なり、ダメージ数基準のチーム制限となった。ここにはさらに2つの問題があり、1つ目はリーダー権がにじさんじライバー以外に与えられていたということ。これについては、勇気ちひろが「にじさんじの全員がみられる場所にリーダー権ほしい人は言ってくれと言ったが、20人集まらなかった」と言っているので仕方がないのかもしれない。2つ目は、ダメージ数は「カジュアルを回している人」「ランクを回している人」でまた状況が異なり、さらに「ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナ・ダイヤ・マスター・プレデター」のどのランク帯なのかによっても状況が変わる。強い人でも、敵も強いマッチで回している場合はダメージ数が小さくなり、弱い人でも、敵も弱いマッチで回していれば、ダメージ数は大きくなる。そのため、ダメージ数基準ではうまくチームの強さの均衡が保てないのではないかという点である。

視聴者側の特性

そして何よりVtuberの視聴者側の特性がこの問題を大きくしている。箱やコラボチームへの強い意識。ソースのない憶測での「○○はこう思ってる」「○○はだから参加しなかったんだ」という決めつけ。この特性はどんな大会や配信をどう開こうが毎度起きているものだが、推しがいて応援したいという気持ちが大きく、仕方のないことだとは思う。ましてや、箱の中で「てぇてぇ」があるとうれしい勢もいるだろうし(ちなみにチューリンあれるのチーム構成は好きです)。

仕方ないんじゃないかな

今回は初めてのにじさんじ主催のApexの大会で、そのルールや実施方法などが確立されていない上、視聴者側としても初めてで様々なことへの理解が追いついておらず、さらに主催側の様々な印象の与え方にも問題があり、それに対して視聴者側が対応できないのも仕方がないと思う。「今回は仕方ない。から見ない。」という選択肢も「仕方ないけど見る。」でも「普通に見る。」でもいいんじゃないかな。ただ、「思ってたのと違う!」ということがいつのまにか誹謗中傷に変わっている人がいることが、この先のにじさんじ主催大会へ変な影響しなければいいなと願っている。

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