見出し画像

朝吹登水子から見たサガン

 最近ずっとサガンを読んでいて、訳者の朝吹登水子のことがもっと知りたいと思った。図書館に行って朝吹登水子のエッセイ「私の巴里、パリジェンヌ」を借りた。

 朝吹登水子はかなり長い間フランスにいたらしい。パリでの生活が訳に現れているとのこと。なるほど、サガンの小説を読んでパリを感じられるのはそういうことだったのか。

 サガンと会った時のことも、3,4ページ書かれていた。サガンの40歳の頃の写真が大きく載っている。

 僕はサガンを読むといつも「この人、現実でもこんな人なのか」と気になっていた。だから日本人の目で見たリアルなサガン、というのは興味深い。

朝吹登水子が「40歳はいい年だと思うわ」と言ったのに対し、サガンが
「私、年のこと全然考えたことないわ」というところ。僕はサガンほど年齢を意識している作家はいないんじゃないかと思う。この返事も逆を言いたいサガンの性格によるものだと思うが、日常でもこんな感じなら、誰からも心を開いてもらえないんじゃないか……? 

 サガンが電話に出たときの描写が好きだ「ボンジュール・ムッシュー・ジェラール!」。多分、本当にこんな感じなのだろう。

サガンの小説の主人公である上品で孤独なパリジャンがサガンまんまだとすれば、サガンはかなり非現実的な人だっただろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?