村上春樹ライブラリーに行く

今回は村上春樹ライブラリー兼早稲田大学探索について書く。

昨年12月中旬、早稲田大学にある村上春樹ライブラリーに行った。オープンしてすぐに行こうと思っていたのだが、一度も予約できなかった、。土日はもちろん、平日にすらほとんど満席なのである。結局僕は有給を取って平日1時の枠を予約した。予約するのに2か月半かかったのだ。

 その日は早めに早稲田大学に行ってキャンパス内をぶらぶらすることにした。以前村上春樹ライブラリーがまだなかった頃、単純に早稲田がどんな感じなのかを見るために訪れたことがあった。しかし校内には入れなかった。たしか2021年2月とか3月のこと。多分緊急事態宣言が出ていた時期だろう。といっても、2021年の前半でいつ緊急事態宣言が出ていなかったのかなど覚えちゃいないが。
キャンパスは広いのだが、関西大学よりは狭い気がした。早稲田はキャンパスが色んな駅にあるからだろうが、第一印象では関西大学よりは分かりやすいつくりだと思った。正門から真っ直ぐ行って右に行くとライブラリーが見えた。ネットで外観を見ていたので驚かなかった。
 それよりも隣にある「坪内博士記念 演劇博物館」の方が目を引いた。天井が高い洋風の建物で、ワイン色の屋根がぴーんと尖っている。入場時間まで30分ほどあったので迷わずこちらに。
 演劇について何も知らないが、演劇科の学生にとって興味深い博物館であることは伝わってきた。現物のシナリオは凄味があった。演劇科の人はこういうのを見て興奮するんだろうな、と思った。


 時間になったのでライブラリーに入館。すでに列ができていた。年齢層は40から55くらいがメインらしい。若い人もいた。大体女性だった。
 まず入って目立つのがレコード室。すでに何人かがソファに座って何かをしていた。ここは最後に寄ろうと一旦スルー。
 例の本棚の階段登場。これも入ってすぐのところ。地下はあとでいいので、ここもスルー。
 一階の大部分を占めるのがデビューから最新作までを横に並べた本棚のコーナー。これは面白かった。流れとしてはお馴染みの書籍、海外の翻訳版、そして当時の関連する雑誌。これほど海外版を一堂に見るのは初めてだったので、改めて読者の多さに気付かされた。海外版のペーパーバックはみんな装丁が良いですね。何がいいって、「なんでそのデザインだ」というところ。中には内容を一枚で表したセンスのいいのがあるんだけど、全体的に「なんでそこを切り取った」という物が多い。見てて飽きないという点でグッド。
 そして著者自身の翻訳がかなりのペースで刊行されているのも、実際に年表順で見ていくとよくわかる。こんな本まで翻訳してるんだ、というのも結構あった。
順路を進んでいくと羊男登場。実は入口をちょっと進んだ時点で見えてはいたんだけど。その横にはピーターキャットで使っていた実際の椅子(だっけ?)も登場。近くにいた親子「この椅子好き」「千駄ヶ谷にあったやつらしいよ」という会話が聞こえる。
 羊男の前にはテーブルがあって、そこで写真を撮っている人が結構いた。相方にカメラを持たせて、自分は肘をついて考え事をしてる風なのを撮ってもらったり。
一階はそこで終了。階段で上に。
 二階はこのライブラリーの建築過程がレプリカで展示されていた。建築科の人には楽しそう。僕は5分もおらずに一階へ。早く例の階段が見たいので。

 例の階段は、ネットで見るよりも細かく本が飾ってあった。興味深かったのが日本人作家の本が結構飾ってあったこと。外国のはわかるが、例えば遠藤周作の「白い人」(だっけ?)を見た時、なんでここに「白い人」があるんだ?村上春樹とどう関係があるんだ?と気になった。もしかしたら当時の文芸誌とかで触れていたのかも。そういうのは調べてもキリがないので、去年のブルータス特集みたいにまた取り上げてほしい。あのブルータスはかなり面白かった。冒頭のインタビュー含め。
 例の階段を降りると地下のフロアで、カフェとテーブルがあった。地下にある本は音楽とか地理の本があったイメージ。ビートルズとか、ドアーズとか、ジャズとかね。
 書斎のモデルルームもあった。入りたかったけど、よく分からなかった。まず警備員さんがいて無断で入ろうとした人を丁寧にお断りして、それが5分に一度はあった。入ってる人もいた。マダム風の二人組。「この家具って全部村上春樹さんのものなんですか!」とかなんとか言って。ここがよくわかなくて、書斎に入れる人とダメな人の違いがわからなかった。でも外から見る分で僕は満足。長い台にマックとかペンが置いてあって、広い空間にはソファとテーブルなんかがあった気がする。レコードプレーヤーはあったような、、、

 一階に戻ってレコード室に。でかいスピーカーが二つあって、レコードが回ってた。こういう場所が家にあるのはどういう気持ちなんだろうって思った。一番楽しいのはその部屋を完成させた時で、それ以降は僕が部屋でアップルミュージックから垂れ流してるのと変わりないんだろか。


 結局滞在時間は30分ちょっとくらいだったと思う。制限時間は1時間半で、ここに来るまではたっぷり時間内居てやろうと思ったが、意外とすることがなかった。入場は無料なのでちょうどいいと言う感じ。入場料500円でも同じくらい人は来そうだけど。



2167文字 1時間5分

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