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UNITED TOKYOでスーツ買ってみた

高校の友人の結婚式が来週あるので、スーツを買うことにした。今着ているスーツがボロボロになったというわけではないが、3年も着たし、ずっと就活生のままというのもアレだったので、色々理由を付けて買うことに決めた。

就活のスーツは「スーツ・セレクト」で買った。だから今回はスーツ・セレクト、青山、はるやま系で買うのは嫌だった。何か1つ、変化が欲しかった。

外国製のスーツに憧れがある。イタリア、イギリス、アメリカ製のスーツを着てみたかった。でもググってみるとどれも数十万はする。「イタリア
スーツ 安い」でググっても、怪しいスーツばかりが出てくる。外国のスーツの高さを知った。

普通のアパレル店で売ってるスーツも気になっていた。「スーツ おしゃれ」的な検索をかけるとBEAMSのスーツが出てきた。僕はBEAMSで服を買ったことがないが、同年代では人気の服屋だということは知っている。ユニクロや無印で服を買わない人は、BEAMSやアーバン・リサーチで買うイメージ。

普段着をこのおしゃれ系アパレルで買うとシャツ1枚10000円とかで絶対買わないが、スーツならアリだと思った。そもそも僕はスーツをそこまで着ない。取材の日だけだ。週に1回あれば多い方である。いわゆるおしゃれ系のスーツというのは、上司や先方から見てどうなんだろう?という心配はあったが、月に2、3回の僕のスーツ姿なんて誰も意識していない、と思うことにした。

まず「UNITED TOKYO」に行った。これも、僕が思うBEAMS系。1人で店に入ったことはなかった。
服を見ていると、イケメン店員に話しかけられた。長い茶髪で、色白で、甘いマスクの店員。身長は少し低めだが、可愛い系なので自然な感じだ。

イケメン店員はテキパキとスーツを紹介してくれた。カジュアル目ならこれ、かっちり目ならこれ、お仕事でも着るなら、こっちですよ。これが当店一番人気です。試着してみます?……僕はアッ……とか言って、不自然にニヤつく。気づくと試着室の前に黒のスーツが用意されている。

試着してみると確かに良かった。生地は柔らかく、動きやすい。僕は取材で一眼レフを使う時よくしゃがんだりするので、この生地なら柔軟な動きができそうだと思った。就活で買ったスーツは、堅さがある。色は同じ黒だが、生地やシルエットに柔らかさがあって新鮮なので、良いと思った。

イケメン店員はガンガン攻めてくるが、押し付けがましい感じがなく、嫌な気がしなかった。イケメン店員は僕が1人で服を見てる時、女性店員に「〇〇さんこのスカート似合いそうですよね」と言っていた。僕はそういうイケメンの打算的なモーションが嫌だ。このイケメン店員の雰囲気も最初は嫌なタイプだろうと思っていた。しかし、実際スーツは良かったし、喋るうちに彼は営業的なエゴがなく、爽やかで、ただの現代的な男であることがわかった。そして大学を思い出した。そうだ、若者ってこんな感じだった、と。記者になって以降絡む人は年上ばかりだから、こういう僕と違うタイプの若者の存在を忘れていた。

スーツは上下で4万ちょっとした。高い買い物だが、洋服の青山で上下2万のスーツを買ったところで、変化にはならない。「スーツなんて何でも良いだろ」というスタンスの僕が、こうやっておしゃれ系の店でスーツを買ったことに、自分の芯のなさを感じずにはいられない。


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