集英社筆記試験

講談社の落選通知から10日後集英社のウェブテストがあった。落ちる時は案外ころっと落ちる現実の厳しさを知った僕はそこからSPIの勉強に力を入れた。エントリーシートを机に広げ頭を抱えるあの日々に比べると与えられたタスクをこなすだけのSPIは何の苦でもなかった。中高でもそこそこの成績を収めてきた僕は相手が出版志望の高学歴だとうとそれなりに渡り合えるとどこかで過信していた。
テスト本番は自宅での受験といってもやはり緊張した。テスト開始のボタンを押すともうやり直しはきかない。しかし今ここであがいても結果はすでに決まっていると言っても同然なのだ。それに僕は昔から本番で一番の集中力を発揮することができる自負があった。

集英社だからと言ってテスト内容が引くほど難しいというわけではないようだ。対策してきた言語系の問題は初見ながらも形式に慣れていることでの不確かな自信があった。この手の問題は深追いせず一問一問ある程度割り切って読み進めることが結果的にハイスコアを出すことに繋がるのだ。一つの文章につき3から4題ほど小問が出されるので、1問目で詰まったからといって固執しているとじわじわと首を絞めることになる。
続く数学も英語も手のつけられないトリッキーな問題が出されたことは無かったように記憶している。ただ英語に関しては明らかに全て読み切れる量では無かったのでそこの線引きが命取りになると感じた(いや、英語なんてあったか?別の会社のテストだったのかもしれない)。三題噺があったのかこれもまた定かではないが、講談社以外にキーボードであれだけの文字数を打ち込んだ覚えはないので多分無かったのだろう。全て入力し終えると一気に栓を抜かれたように腕に力が入らなくなった。この時点では手応えはまあまあというところだった。早く結果が知りたかった。結果が出るまでは1週間程度かかりますとのことだった。

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