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Vtuberはオノマトペを使おう!

オノマトペって知ってる?


オノマトペ。このなんだか不思議な音の言葉を聞いたことがありますか。

オノマトペとは


オノマトペは擬声語とも言って、赤ちゃんや園児などに「きらきら」「ぱさぱさ」「たっぷり」などと、俗に言う赤ちゃん用語のような印象の方も多いでしょうし、イヤ、子供じゃないんだからそんな言葉使わないよ、という方もいるでしょう。

ところが、このオノマトペ、多用されている分野があります?  なんだろう、わくわく。ずばり、答えは「詩」の分野です。し? はてな? つわものどもが夢の跡みたいな?

詩集、というものは非常にマイナーですが、宮沢賢治や中原中也といった文学家がオノマトペを詩で使うことで有名です。

たとえば、ちょっと長いですが、

幾時代かがありまして
茶色い戦争ありました
幾時代かがありまして
冬は疾風(しっぷう)吹きました
幾時代かがありまして
今夜此処(ここ)での一(ひ)と殷盛(さか)り
今夜此処での一と殷盛り
サーカス小屋は高い梁(はり)
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ
頭倒(あたまさか)さに手を垂れて
汚れ木綿(もめん)の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

中原中也/サーカス

ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよん、はオノマトペであるとされています。それがどうVtuberと関係あるの?  とわなわなされてる方もいると思うので、結論。

結論

オノマトペは、気持ちや感情を表す言葉として非常に優れているので、リスナーに感情を伝えて楽しませる趣味、仕事であるVtuberととても相性の良い言語です。

オノマトペがなぜ、感情や気持ちを伝えることに優れているのか、ぜひ、一緒に見てみましょう。

オノマトペの効果(日常と非日常)

オノマトペを聞いて、まず思うのは違和感のはずです。え? 違和感? いきなり突飛だな……と思うかもしれません。ですが、恐らく社会人、または大学生くらい? のあなたが、オノマトペを日常で強く意識することはないと思います。なので、ゆあーんゆよよーん、なんて言葉は特に、違和感をおぼえるでしょう。

こと配信者において、リスナーにはいつもの日常だけを送らせてはいけません。かといって、完全な非日常を与えてもいけません。配信とは、リスナーが日常からちょびっと足を踏みはずす、ふわふわした空間です。週末のお酒タイムみたいにね。ですから、日常でずっと聞いてるような言葉だけを話すわけにもいきません。かといって、いきなり とんばるんば! とか訳の分からない言葉も発することができません。なので、ほんのりと違和感が残る、でも意味が理解できる、日常と非日常のあいだの言語、オノマトペが効果があります。

オノマトペの効果(音韻、リズム)

そして、オノマトペはそのリズムが独特です。ゆえに、詩や歌詞に使われています。FPSで集中してエイムを定めるのは勝つには重要ですが、だんだん、だん、と言葉にしながら撃つことは、この例はアホっぽいんですが、たまにやる分にはらんらんとした高揚感と、射撃音も相まって独特のリズムが生まれます。相手チームを壊滅させたとき、やったぜ! というより、やったね! しゃきーん! と言う方が、アホっぽいですが可愛いし、より喜びやドヤ顔が伝わってきますし、勝利音と相まってこれまた独特の音楽的リズムが生まれます。逆に、淡々と戦闘報告や勝利敗北のリアクションだけの配信は、それはリスナーさんでもできますよね。配信者を見ることと変わらないのなら、自分でやった方が楽しいでしょう。

乱用はよくない

でも、さきほど2回も出てきましたが、たっぷりオノマトペだらけの配信は、それはそれでアホっぽすぎるし、非日常に入ってしまいます。程よく、ほんのりと置いておく程度。実は、オノマトペを使っているなんて気づかれないくらいが1番のやり手です。

出典

ちなみに、この考え方はもちろん、僕オリジナルのものではなく、石黒圭著『コミュ力は副詞で決まる』という本をベースにしています。
同著の表現力豊かなコミュ力は、コミュ力といっても十人十色あれど、Vtuberという表現者に適しているコミュ力といえるでしょう。ぜひご一読ください。

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