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steam新作『REVEIL』妻も娘も殺した父親の物語……とでも思ったか!?


このnoteの後半にはreveilのネタバレが含まれます。

サーカスが舞台のホラーゲーム『Reveil』

サーカスと聞くとワクワクしませんか。しかもホラーゲームですって。ピエロの殺人鬼、猛獣たちがひしめくテント。そんなものが思い浮かびそうです。
ですが、reveilの舞台は60年代のサーカス。なにもかもが手作りで、サーカスというよりは小学校の学芸会の時の出し物で訪れたお化け屋敷のような。
そんな手作り感を残しつつも、幻想的で美しすぎる光景に息を呑みながら歩いていくゲームです。

REVEIL配信の様子

悪夢を歩く、Layers of fearライク

このゲームはただ歩くだけ。歩いて、ふと後ろを振り向いたらなにかが変わっているというPTライクで有名なLayers of fearに強く影響を受けているといっていいでしょう。
追われることはありますが、戦闘はありません。恐ろしいクリーチャーは、主人公ウォルターの恐れている妻の姿が、悪夢の中で怪物になるだけです。ウォルターの娘、ドリーが私を探してとサーカスの中を逃げ回るのを追うことがストーリーの主軸となります。
この時点でだいぶ私の大好物です。ギクシャクした家庭に苦笑しながら、めまいがするような景色をただただ歩いていきます。私は3D酔いは特にしませんが、一人称視点で酔う方はやらないことを推奨します。でも、どこを切り取っても美術館に一枚の絵として飾れそうな景色を歩く経験ができるホラゲはなかなか希少です。

そして父は家族を殺した

物語中盤になると、ウォルターはある理由で娘と妻を殺してしまう、という衝撃の事実が明らかになります。その理由が、妻を殺すのはわかるのですが、娘の方はなんでそうなっちゃった?? と、ツッコミどころ満載で、まーた悪夢でラリってるパターンかとがっかりしました。ここから過去のトラウマに向き合って、なんとか前を向くのねハイハイと私は流れ作業のように後半のチャプターをはじめました。

ここからネタバレ注意

そして進めると……舞台はなにかの研究施設。まるでSCP財団のような……え? サーカスにこんなとこある? と混乱する中、ドキュメントが示すのは主人公はウォルターという人物ではなく、リアムという全く無関係の男性で、ウォルターという架空の人物の記憶を埋め込まれた実験体という大どんでん返しが見られます。

……はああああ!?

悪夢を歩く系ウォーキングシミュレーター風ホラーに、この設定は新しい!
私は娘の死に苦笑いしたことも忘れて、とにかく1秒でも早くエンディングへ行きたい! と必死で歩きました。

トリックは良いけども

しかし、残念なことに、そのどんでん返しのトリックはとても納得できるものだし、新しいし、とてもおもしろかったのに、その後の結末が正直あまり納得感を得られませんでした。
他にどうするの、と言われればそうなんですが、ウォルターの記憶を流し込まれたリアムは、リアムとして生きるかウォルターとして生きるかの選択をします。そのどちらも救われません。
(リアムとして生きるのは救われてるような気もしますが、彼の境遇を考えると今後の人生は真っ暗闇だよね、彼はこんなに頑張ったのに)
至極個人的な感想で申し訳ないですが、これで彼が救われるルートがあった方が、物語的に盛り上がったと思う。とてもそう思う。異論は認める。
(ホラーゲームのキャラが救われてどないすんねん派の意見もよくわかりますが)
だって救われなさがあまりにも投げやりなんだもの。特にウォルターとして生きるルート。

総評

グラフィックが超美麗な、意欲作。このネタバレを読んだ人がプレイして、同じ評価になるかはわかりません。ネタバレをされたら超つまらないゲームになるやも。
それでも、このスタジオの意欲は買いたくて、私は結末そんな好きじゃなかったけどね、に対して、いや、この結末は良いんじゃないかと言ってくれる人を探しています。その意見に納得した時、私はこのゲームを2024年のベストホラーに推薦できるからです(でも2024も他に強敵がワラワラ出そうなんですよね、今からワクワク止まりません)。

と、いうわけでreveilのプレイした感想、またはプレイ配信を見た感想をお待ちしています。


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