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腕時計は重すぎる

空間に時計が溢れるようになって久しく、完全に趣味の品となっている腕時計。それでも嗜好なのかファッションなのか惰性なのか、身に着けている人は多い。

実用品だった時代からすでに着けずにいた身としては、腕時計はあまりにも変わらなすぎると思う。

正確にはひとつの進化の方向として高機能化し、スマートウォッチとなっている。こちらはまだいい。多機能になるほど電池容量がたくさん必要となるから重いのだ。

しかし時刻を知るためだけの「ただの時計」はどうだ。

大手メーカーは依然として重い金属製の腕時計を作り続けている。あらゆる分野で新素材が開発され、使える素材が従来よりも各段に増えているにもかかわらず、だ。

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ところで身に着けるものといえば、野鳥の生息調査のための足環がある。

この足環は野鳥の生態に影響を及ぼさないよう、できるだけ軽く作られている。空を飛ぶには大きなエネルギーを消費するため、わずかな重みが大きな影響を与えるのだ。

その影響が最も大きい、最も小さな鳥のための足環はわずか0.04グラムだ。ミソサザイという体重わずか9グラムの鳥では体重の0.44%にあたる。

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この鳥の場合は地上を跳ね、空を飛ぶ。そこに足環がつく。

ヒトは二足歩行をし、空いた両手で道具を使う。そこに腕時計がつく。

腕時計の場合は腕の重さに対して計算したほうがよさそうだ。

ヒトの肩から下の重さは片側で体重の6%なのだそう。体重65キログラムの成人男性なら3.9キログラム。そこに足環程度の重さのものをつけるとしたら17グラムとなる。

時計用のボタン電池が1.9グラムなので、その他の部分に15グラム使える。そのような腕時計を作るのは十分に可能だろう。

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ここで某腕時計メーカーの仕様表を眺めてみる。88g, 58g, 124g, ...

重たすぎる。先ほど計算した17グラムの何倍あるやら。

これがいやで公共交通機関を使う移動中以外は外していたし、携帯電話をよく使うようになってからは着けなくなってしまった。

個人的には9グラムを超えると常に着けるには重いと感じる。もしそれより軽いものがあればまた着けてみたいと思う。

何度でも言うが腕時計は重すぎる。

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