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火曜日しばらく雑記帳・30

進化をとげたものを分割してみても、進化をとげるものの原理には行きつけまい。
ベルクソン「創造的進化」p.425


■23日に予定どおり、ベルクソンの「創造的進化」を読み終えた。次の日曜日に最終章の第四章について思ったところを書く予定、全体を通しての感想は11月13日の予定だ。

1日平均 5 ページを完璧に守れば10月16日に読了の予定、それにプラス2週間余裕を持たせて10月30日読了の予定としていたわけだが、その余裕分のうちの1週間を使ったことになる。

だいぶん間をあけての再読ということになるが、何を問題として何を論じているのか、すっとわかったように思う。カントの三批判書を読んだばかりだったことも理解の助けになった。

物事を空間と時間の断面で切り取り、要素を独立の要素に細分化し、それぞれの関係を飽くことなく追及していく、そのような科学的な思考法や知性について、生命の営みや多様な生物のありよう、そして常に変化しつづけ複雑化と多様化が進んできた「進化」を対照にして相対的に捉えることで、その限界と新たな視点を提示している。

世界の本質をどうとらえるのか、生命の本質はどこにあるのか、つまり私たちがこの世界に生きているというのはどういうことなのかという問いに対して、進化論を考察することで、従来の科学でなく従来の哲学でもなくもちろん宗教でもなく、底流にある持続と生命のはずみによる創造を基本に考える新たな捉え方があるはずだ、という論は瑞々しく刺激的だ。

その後、相対論、量子論、遺伝子の発見と分子生物学、複雑系と自己組織化、コンピュータの発明と情報科学、そして現代へ、世界の認識は大きく変遷してきたわけだが、問そのものは古くからの問いでありながら、今でもなお新しい問いだと思う。

やはり1900年前後に生きた知の巨人の叡智は訪ねてみるに値する。

次はそんな時代のもう一人の知の巨人・ポアンカレの「科学と仮説」を読もうと思う。

科学と仮説 (岩波文庫 青 902-1) | ポアンカレ, 伊藤 邦武 |本 | 通販 | Amazon

35年以上前に父の書棚から持ってきて以来、手元にずっと置いてある。
何度か読んだが、今、まさに読むべき本だと思う。


こちらもしばらくぶりの再読だ。280ページなので、一日平均5ページなら56日だから12月末までに読み終える目標でいく。マイルストーンは章ごとの読了で十分だろう。第一編 11/5 第二編 11/17 第三編 11/28 第四編 12/20 で余裕を 11日もった予定となる。創造的進化と同様に、区切りのよいところごとに note に思ったところをまとめていくつもりだ。


■日常の食事は、それなりに季節感を大事にしている。使う野菜を、そのときに価格が安くて見た感じ品質のよさそうなものを選んでいくと自然とそうなる。年中流通している野菜でも旬のころが安くなるし何より美味しい。
先週はレンコン、サツマイモ、カボチャをよく使った。

ちょっとクドイかもしれないが先週・今週の夕食から茶色系の写真を3枚ほど。

2022/10/19 夕食 トンカツ
分厚いロース肉があったので、包丁の背で叩いてスジ切って、塩胡椒、小麦粉はたいて溶き卵にくぐらせパン粉をつけて油で揚げれば誰でも作れる。火加減は緊張する。ギリギリを狙って中が生ではイマイチだし、安全をみて固くなるのもイマイチだ。
揚げ色の変化を見ながら音を注意深く聴くのが肝心。
2022/10/20 夕食 鶏のから揚げ
天ぷら粉を酒と醤油と水で溶き、ニンニク、ショウガを加え、鶏のモモ肉をつけておく。これを揚げれば簡単に美味しくできる。
2022/10/24 夕食 ハンバーグ、赤ワインとトマトのソース煮
ひき肉を玉ねぎとつなぎのパン粉を混ぜて捏ねて丸めて焼けばよい。ナツメグの香りをほどよく利かせるのが大事。トマトで煮込みにするかオーブンで香味野菜と焼くかすると気になる火の通りも大丈夫だ。

レンコンは輪切りにスライスするのが普通で、見通しがいいので幸運を呼ぶ、とも言うが、穴の方向と平行に拍子切りにしてもいい。味はもちろんレンコンの味で一緒だが、見た目も一味違うし、シャキシャキ感がよりしっかりして歯ざわりが一味異なる、と思う。

2022/10/25 昼食
レンコンと豚の炒め物・地中海風、小松菜、サツマイモの天ぷら、だし巻き、紅ショウガのお富さん、麦ごはんにふりかけ

キノコ類も年中出回っているがやはり秋の雰囲気はあるので秋になるとよく使う。エリンギなどはまったく季節感はないが、シイタケやマッシュルームは秋の他、意外と春もいいものが安く出回る。


マネジメントのポイントとして「やらないことをはっきり決める」というのがある。組織変革のポイントとして「ここは変えない、という部分をはっきり決める」というのがある。日ごろの料理も同様の考えを持っておくとバリエーションとメリハリが出来、しかも財布にも優しくなるものだ。


■先週にひっかかった音楽を少し

1.ジョン・マクラフリンの自宅 music room の写真が facebook で流れてきた。惚れ惚れ。

The music room in the home of John McLaughlin. 🏠

Posted by Castor Montes Quintillán on Sunday, October 23, 2022

以前に紹介したこともあったように記憶しているが、2021年のアルバムは Liberation Time。


2.パキスタンのスーフイーズムの儀礼音楽カッワリーの女性歌い手、アビ・サンパのオーケストラとの共演。

ピアノの音が全体をうまくまとめている感じで、ストリングも入った柔らかいアンサンブルで聴きやすいし、悪くない。

この曲は、ノーベル平和賞授賞式でラハット・ファテ・アリ・ハーンが演奏した曲と同じのようだが、ラハット・ファテ・アリ・ハーンの鳥肌が立つようなスリリングでエネルギッシュな演奏を知っていると少し物足りない気もする。まぁ、比べてはいけないのだとは思うけれども。


3.パキスタンのミュージシャンといえば、アルージ・アフタブがアヌーシュカ・シャンカールと共演したロンドンでのコンサートがYouTubeに上がっていた。内省的でスモーキーな声で歌いあげるアルージ・アフタブのボーカルと柔らかいアヌーシュカ・シャンカールのシタールがお互いに浮遊しながら交錯するようだし、バイオリンやベースも邪魔せずにうまく音を作り、ハープの音色と絡みも絶妙だ。これはなかなかよい。


4.ギタリストのフィル・ケギーとスタンリー・ジョーダン、そしてハープ・ギターのミューリエル・アンダーソンのアルバム Percious Gems が落ち着いたサウンドで、3人の個性あるギターの音が織りなすまさしく宝石のような楽曲が揃っている。


スタンリー・ジョーダンについては、あちこちで書いてきた。


ミューリエル・アンダーソンについても、以前にほんのちょっと触れたことががある。触れようと思いながら書ききらず消し忘れて残ってしまった最後の2行「ハープギター Muriel Anderson」。忘れないようにそのまま残してある。

ハープ・ギターはあまりなじみがなかったが、綺麗な音の楽器だ。


5.元気のいいソウルフルなフュージョン・サウンドといえば、女性フルート奏者のアルシア・ルネ。出たばかりのアルバム "Pastel Leather" も軽やかで心地よい。

アルシア・ルネは今年の7月に初めて知ったのだった。


最近、毎週金曜日に更新されて配信される Play List の Release Radar が5時間越えでなかなかじっくりと聴けなくなってきた。


■去年からバレエを好きになって、動画やDVDを見るようになったが、素晴らしいダンサーの躍動する姿を見ていると、なんだか自分も回転できるような気がする。


足をそろえてジャンプして1/2回転ならなんとか、 3/4回転ならふらつきながら着地可能、角運動量保存の法則や、摩擦の法則などを思い出しながら、でも数回繰り返してみるくらいが精いっぱいだ。

運動が出来る人はいいなぁ、とつくづく思う。

毎週週末のジョギングはずっと続けているが、スピードを求めなければ筋力はさほど必要ないと思う。今、私は 7分弱/km 程度のスピードで走っている。フルマラソンなら5時間弱だから、ずいぶんとのんびりと走っている感じだ。以前、6分/km以内のスピードで年間900kmを狙った年があった。2016年のことだ。意気込みはよく6月末まで順調だったのが、やはり疲労がたまったのか、ちょうど仕事が佳境にはいったこともあり夏を乗り切れずに結局600kmに終わった。

目標を欲張りすぎるとこうなる。
健康維持のためにしていることなのだから、身体を壊さない程度にほどほどにすることだ。
2022/10/22 Y.T.D. 547.4km 計画比 101.2% 順調だ。今年ももうあと2か月とちょい。今年の目標の670kmまで、今の調子ならなんとか走り切れそうだ。

目的から逆算して分解してやるべきことをする、という部分と、直感と興味に応じてやりたいことをする、という部分、そして様々な要請からやらざるを得ないことをする、という部分と、それらのバランスを保つことも大事だし、ときにはバランスを大きく崩すことも大事だ。


バランスを保つことで運動が安定し精密な正確さが生まれ、バランスを崩すことから新しい運動が創られ生き生きとした躍動感が生まれる。


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