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ジェーン・バーキン:Jane Birkin "Quoi"

世界の歌姫たち」という我ながらベタな名前だなと思うマガジンを作って、愛している女性シンガーばかり、愛している思いのたけを週1、火曜日に投稿している。世界2周を終えてフランスに帰ってきた26回目の今回は、ジェーン・バーキンだ。

ジェーン・バーキンで好きな一曲は、となると、まず「コワ」 "Quoi" を選曲することになる。1985年にリリースされた少し古い曲だが、か細く高く伸びる声の魅力がたっぷりの一曲だ。 

セルジュ・ゲンズブールのパートナーとも知られ、この曲も彼の作詞だ。最初に言葉もわからず聴いて一発で好きになってそれ以来よく聴いていている。

改めて調べてみたところ、日本では TV CM でも使われたらしく、それほどのファンでなくても聴いた覚えがある人が多いかもしれない。

もう一つ、今日、この記事を書くために改めて調べて驚いたのは、彼女はイギリス・ロンドン生まれで大英帝国勲章も授与されている、ということだ。なんとイギリス人・・・やはり私の知識もだいぶんいい加減だ。

アルバムでよかったのは、1990年の"Amours des Faintes" 「いつわりの愛」 だ。オリジナルとしてはセルジュ・ゲンズブール作の最後のアルバムになるということだが、彼が描いたというジェーン・バーキンのイラストが美しい。CDだったが厚くて柔らかく手触りのいい紙のパッケージで、曲や音づくりもさることながら、モノとしても全体が非常に丁寧に作られている感じで、なんともいえない哀愁がそこにこもっている。

このアルバムはどの曲もいい。1曲目のイントロが流れた瞬間に切ない歌声に浸れる。やはり、タイトル曲が特に好きだ。YouTubeにもオフィシャルのビデオクリップがあがっていた。

しかし、どうなのだろう、こういう曲の構成や音作り・アンサンブルは、今の人が聴くと古めかしく感じるだろうか。
私は、かれこれ30年以上ずっと、思い出しては聴いて、としているのであまり感じないのだが、ふと、今また、聴きなおしていてそんなことを思ってしまった。

去年 2020年、新しいアルバムがリリースされた。"Oh! Pardon tu dormais …"

その際、オフィシャルのYouTube で 2か月間だったか期間限定で、スタジオライブの動画が公開されていた。タイトル曲もいいし、特に気に入ったのが "A Maree Haute" だった。毎日のように繰り返し視聴した。残念ながら予告どおりに、それ以降はアクセスできなくなったが、オフィシャルのクリップは視聴できる。

これまで記事にしてきた歌姫達と違い、特段に歌がうまいとか声がすごい、とか癒されるとか特にドラマティック、というわけでもない。しかし、私に畏れをいだかせる。彼女の歌を聴くのはふと怖いときがある。淡々と歌う歌、つぶやくようにか細く伸びる声の中に、永遠に私には理解できないだろう女性の濃密な情念を感じさせられるのだ。

私にとっては、そんな神秘の歌姫だ。


[2023/7/16 追記]
2023年7月16日に自宅で亡くなられた、とニュースで知った。享年76歳。
R.I.P. …

女優で歌手のジェーン・バーキンさん死去、76歳…エルメス「バーキン」の由来 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)



■ 関連 マガジン

1. 好きでよく聴いているミュージシャンを紹介。毎週木曜日に更新中。ギタリスト多め、たまに懐メロ。

2. 愛している女性シンガーに特化したのが、我ながらベタな名前だと思うが「世界の歌姫たち」。こちらはさらに愛している思いのたけのみの記事ばかり、週一、毎週火曜日に新しい記事を書いている。懐メロ多め。

来週の火曜日に、番外編・日本の歌姫2として最終回、有終の美を飾りたいと思う。

3. いずれも、耳もあまりよくないし、知識も少ない、語彙力もない、なので、基本YouTubeやSpotifyのリンク貼り付けと「好きだー」「愛している」というだけの記事ばかりになっているし、そうなっていく。

「なんだ、超有名どころばかりじゃないか。やっぱり音楽のこと何もわかってないんじゃないの」という批判は甘んじて受ける。

私本人が楽しく書いていることだけは間違いない、それだけは伝わるだろう。

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