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美しいと認識する力・8:ロックバレエ 2023 RBWQ (Rock Ballet with Queen)

一か月ちょい前の話になるが、バレリーナの友人に誘われて、ロックバレエ 2023 という公演を見に行った。

クイーンの音楽でバレエを演じ、もっと広い層にバレエを楽しんでもらおうという趣向だ。クイーンのヒット曲の数々に合わせた舞台のストーリー作りと、オリジナルの振付で、米沢唯と二山治雄という一流のバレエのダンサーと4人の男性ダンサーが踊っていて大変楽しめた。

米沢唯はさすがの存在感で、たった一人のヒロインを表情豊かに見事に踊りきったし、二山治雄もよかった。

二山治雄は「孤高の天才」とか「リアル妖精」などと呼ばれる 1997年生まれ、若干26歳の若手のバレエダンサーだ。

2014年に若干17歳でローザンヌ国際バレエコンクールで1位をとり、アメリカやロシアで研鑽を積み、2017年からはパリのオペラ座の団員となった。しかしパリではなかなか花を開かせることができず、2020年に帰国し、現在はフリーランスのバレエ・ダンサーとなっている。

実際、ジャンプは軽やかに高く、回転は軸がぶれず、静と動のメリハリもよく動きがスムースだ。

観客に見せる踊りは振付によって決まっている。だから、バレエを嗜む人は技量の差はあるにしても、振付いかんで各々の技量に応じて楽しむこともできる。そして基本的には人間業ではないような振付はされない。個人技を競うわけではないからだ。

だから、二山治雄や米沢唯の個人の美しさを見に行った人にとっては少々物足りなかったかもしれない。また、舞台で繰り広げられたストーリーは私にはちょっとピンとこなかった。そういう点では音楽とストーリーとダンスが完成されていて、それを基本に個人個人の見せ場がはっきりとしているクラシックバレエのほうが私のような初心者にはわかりやすいと思った。


とはいえ、そこはさすがに一流のダンサーたちである。ピアノの生演奏も交えたクイーンの楽曲に乗った踊り、十分に楽しむことができた。


さて、実のところ、私はそれほど熱心なクイーンのファンではない。「ボヘミアン・ラプソディー」もそれほど熱心には聴かない。映画「ボヘミアン・ラプソディー」は人気で評判だったらしいが、私は見に行ってない。

始めてクイーンを聴いたのは、中学生になったばかりのことだと思う、FEN (米軍の極東放送網) で聞いた1980年の "Crazy Little Thing Called Love" (愛という名の欲望)と "Another One Bites The Dust" (地獄へ道連れ) だったと思う。

この2曲は好きでラジカセで録音して、当時、よく聴いた。今、改めてこうして聴けるのはいいことだ。

他には "We Are the Champions" (伝説のチャンピオン)も大好きだ。カラオケで私の十八番(*1)なのだ。カラオケは数年前まで職場の飲み会の2次会などで年に2-3回行く機会があった。今はそのような機会もなく、これから墓に行くまでの間にも一回もないだろうと思うが、その点は仕方ないとはいえ、少し残念な気もする。

他に印象的な曲といえば、"I Was Born to Love You"  だろう。日清のカップラーメンのコマーシャルに使われたりしたのはご愛敬。



■注記
(*1) 上手く歌える、というわけではない。こぶしを振り上げて一人で盛り上がる、という意味である。

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