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エネイダ・マルタ:Eneida Marta "Ibra"

世界の歌姫たち」という我ながらベタな名前だなと思うマガジンを作って、愛している女性シンガーばかり、愛している思いのたけを週1、火曜日に投稿している。25回目の今回はフランスに帰って終わり、来週の26回目に番外編で終わるつもりだったが、ちょっと寄り道して1回延長することにした。アフリカあるいはポルトガルから、エネイダ・マルタ。

西アフリカの小国ギネア=ビサウ出身の彼女のことは、2年前だったか最近になって知った。現在はポルトガルを活躍の中心にしているらしい。西アフリカ、ポルトガルのファド、クレオール、そしてカリブ海の雰囲気も感じさせるトランス・アトランティックなミュージシャンだ。

2019年リリースの "Ibra" 本当に素敵なアルバムだと思う。一曲目の "Alma na Fala" でまず引き込まれる。ポルトガルギターの音だろうか、哀愁のこもったファドの雰囲気があって聞きほれる。ビデオクリップも美しい。

"Homis Di Gossis"、ゆったりとしたイントロの楽曲だけでも十分に魅力的だし、現地(たぶん)の人々や大地や海岸も映るビデオクリップもいい。

他に7曲目の "Sunhu" も音はあまり民俗色を感じさせず、リラックスした曲でゆったりと聞けるし気に入ってよく聴いている。

1973年に音楽家の娘として生まれという (ELSURE Records - LINK)。2002年に 4 曲入りの短いアルバムをリリースし、 2006年 "Lope Kai"、2015年 "Nha Sunhu"、2019年の "Ibra" と3枚のアルバムがある。

どのアルバムを聴いても、のりのいいテンポと明るさの中に哀愁・郷愁・憧憬、だろうか、saudade サウダージとポルトガルで表現するらしいなんとも表現しにくい感覚があふれているように感じる。

Lope Kai の一曲、Mindjer Doce Mel はとてもいい。

YouTubeではライブの動画も視聴できる。ほんとにいい時代になったものだ。

やっぱりライブはいい。生き生きとした踊りも楽しそうだ。

ギニアビサウという国については知らなかったのだが、西アフリカの大西洋岸、北にセネガル、南にギニアと国境を接している小さい国だ。ポルトガルの植民地で1974年に独立したものの、クーデターと内戦に苦しみ最近でも子国内政治は不安定らしい。そのためもあるだろう、経済的には非常に貧しい国ということだ。

最近、リリースされたシングル KUMA はそんな祖国を憂いての曲だということだ。そのような曲で歌詞がわからないでリンクするのはどうかとも思ったが、最新リリースの曲なので、オフィシャルのコメントと共に貼っておこう。

My country has been immersed in several COUP for several years. IT IS AN ENDLESS POLITICAL CRISIS. The people ceased to be a priority, personal interest became a matter of honor. The future of the country is increasingly delayed and there is a constant gloom. "KUMA" is a cry for help, to see if the actors of instability wake up to reality because (PEOPLE ARE NOT TRASH).

YouTube her comment to "Eneida Marta - Kuma (Prod: Ruben Azziz)"

繰り返されるタイトルの KUMA とは "助けの叫び" ということだ。People are not trash という強いメッセージの現代的な音作りの "KUMA" もいいが、サウダージとトランスアトランティックな雰囲気がたっぷりの2015年のアルバムもいい感じで、こちらもよく聴いている。


昨今の世界情勢やこれからの世界に思いをはせたときに、このようなアフリカの小国の情勢にも目を向けていくことがますます重要になってくる、と感じている。

そう思ったときに、素晴らしいミュージシャンを知ることを通じて、様々な国の文化や歴史、地理や風土も興味を持って触れることもできる。そんなことを改めて認識させてくれる歌姫だ。



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■ 関連 マガジン

1. 好きでよく聴いているミュージシャンを紹介。毎週木曜日に更新中。ギタリスト多め、たまに懐メロ。

2. 愛している女性シンガーに特化したのが、我ながらベタな名前だと思うが「世界の歌姫たち」。こちらはさらに愛している思いのたけのみの記事ばかり、週一、毎週火曜日に新しい記事を書いている。懐メロ多め。

先週、ヨーロッパに帰って来た。今回、予定外で1週寄り道をしたが、来週に原点のフランスに戻って世界を2周終えることになる。再来週に番外編を一本書いて、このシリーズは終わる予定だ。

3. いずれも、耳もあまりよくないし、知識も少ない、語彙力もない、なので、基本YouTubeやSpotifyのリンク貼り付けと「好きだー」「愛している」というだけの記事ばかりになっているし、そうなっていく。

「なんだ、超有名どころばかりじゃないか。やっぱり音楽のこと何もわかってないんじゃないの」という批判は甘んじて受ける。

私本人が楽しく書いていることだけは間違いない、それだけは伝わるだろう。

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