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【唐突にアイドル楽曲紹介】ユーグレナはわかんない / 美味しい曖昧

※この記事は、私はかつて運営していたブログに2022年2月24日に投稿した記事を、一部加筆修正したうえで転載したものです。オリジナルの記事は以下のリンクから。また、ヘッダーの画像は「ユーグレナ」のリリイベのものではなく別のイベントでのものです。

2/23より配信開始されました美味しい曖昧の『曖昧なシングル2』に収録されている「ユーグレナはわかんない」という楽曲ですが、これがなかなかに良曲でしてね。

踊りだしたくなるような軽快な曲で、ライブで見ていても楽しいのですが、音源が配信されてじっくり聴いてみると、歌詞が結構深いことを書いてるな、と思うのです。


なぜ「ユーグレナ」なのか(私なりの考え)

まずタイトルと歌いだしからいきなり出てくる「ユーグレナ」。
最近は健康食品としても売り出されているのでご存じの方も多いかと思いますが、ミドリムシのことです。
田んぼの水を顕微鏡で観察するとたまに見つかる、光合成ができるくせに元気に泳ぎ回ることができる、あいつです。
一体なぜユーグレナなんてもののことを歌おうと思ったのか、最初に聞いた時はまあそれこそ「わかんない」のでしたが、2番に「カモノハシ」が出てきたことで、一つの答えらしきものを見出すことができました。

ユーグレナ(「ミドリムシ」はそのうちの一種の総称)は「動物と植物の中間」。
カモノハシは「哺乳類なのに卵を産む動物」(鳥類と哺乳類の中間と言えなくもない)。
つまりは、特定の分類に完全に入らない曖昧な存在の象徴として使われているんだな、と。

僕らは日常語としては「植物」「動物」「哺乳類(≒ケモノ)」「鳥類(トリ)」といった言葉を何となく、そして特に問題もなくつかっていますが、では、皆さんは「植物」の定義をどこまで知っているでしょうか。

現実として、学術用語としての「植物」の定義なぞ知らなくても生きていけますし、日常生活に困ることはありません。
ですが、学者にとってはユーグレナが動物か植物か、というのは重大な問題であって、未だに論争が絶えないテーマであるようです。

(最新の学説では、ユーグレナは動物の細胞に植物の細胞が取り込まれて進化したもので、ユーグレナそのものは動物だけど、ユーグレナの葉緑体は植物の一種である緑藻が起源であることがわかっているとか。つまりユーグレナは、一般的な「植物」ではない、ということになるのです。気になる人は「二次植物」で調べてみるといろいろ出てきますよ。)

人を安易にラベリングしない、ということ。違いを、曖昧さを楽しむこと。

さて、学問の世界で生物の分類を決めるのであれば論争になるのは別に良いのですが、人間をカテゴリ分けして、さあお前はどっちだ、と、無理やりにラベルを貼るのは、果たしてどうなんでしょうかね、と思うのです。
何事にも白黒をつけたがるのはどうやら人間の性質であるようなのですが、その「わかりたがり」「白黒つけたがり」な本能を少し抑えて「曖昧」であることをひとまずそのまま受け入れましょうよ、と。別にわかんなくてもいいんです、ユーグレナのことなんて。

世の中の大体なことは曖昧で、でも曖昧なままにしておくとどうにもならないことも多いので、何となくわかったことにして先に進むしかないことはその通りなのでしょう。
でも、その必要がなければ、無理にわかろうとしないで、曖昧なことは曖昧なまま受け入れるのも、それはそれで楽しいと思える人でありたいと思うのでした。

追伸

他の曲も良いからみんな聞こう。

MVもあります。字幕ONで歌詞が出るのでぜひ歌詞も読んでみてほしいです。
メンバーの衣装やメイクが普段と違う雰囲気でかわいいですね……。


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