ドラクエ本編のジェンダーロールを振り返ってみる

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なんか「ドラクエでは男が攻撃役で、回復役は女ばかり」みたいなTwitter投稿があり、それにツイッターランドの住民たちが噛み付いて「的外れだ!!」と言っている。
なので、本当に的外れかどうなのか、6以外のドラクエを、ほぼリアルタイムでプレイしている自分が思い返してみた。
以下の解説に「違う!」と思う人もいるかも知れないが、違うと思った人は、私に書き直せと迫るのではなく、自分で書いて、自分の場所で発表してください。

ドラクエ1
主人公の勇者:男性
回復役:なし
説明:パーティ制ではないので、攻撃も回復も勇者一人。ただし、勇者がドラゴンに囚われたお姫様を助けて、竜王を倒す話なので、ストーリーに関してはジェンダーロール的な偏りあり。

ドラクエ2
主人公の勇者:男性(ローレシアの王子)
回復役:女性(ムーンブルクの王女)
説明:サマルトリアの王子を含む、3人とも勇者扱い。ただし、攻撃が男性の仕事で、回復と攻撃呪文が女性の仕事なので、ジェンダーロール的には偏りあり。

ドラクエ3
主人公の勇者:任意
回復役:任意
解説:勇者を含む、すべての職業で男女を自由に選べるのでジェンダーロール的偏りは無し。

ドラクエ4
主人公の勇者:任意
回復役:男女(クリフト・ミネア)
解説:勇者は性別を選べる。アリーナという武道家タイプの女性もいるので、ジェンダーロール的な偏りは少ない。

ドラクエ5
主人公の勇者:男性(主人公の息子)
回復役:プレイスタイルによるが、主にモンスター
解説:モンスターを仲間にできるので、ホイミスライムなどのモンスターが回復役を担うことが多い。人間キャラの回復役は主人公か主人公の息子が担う。フローラは最初からベホイミを使えるので回復役のイメージがあるが、それ以外の回復呪文を覚えないので回復役とは言えない。
ただし、ストーリーは基本的には家族の絆を扱っており、結婚イベントなどがあることから、ジェンダーロール的にはドラクエ本編シリーズで一番偏っていると言っていいだろう。

ドラクエ6
主人公:男性(ただし、職業としての勇者には、誰でも転職可能)
回復役:特に無し
解説:えー、唯一まともにプレイしていないシリーズ作品なので、多くは言えない。転職システムなので、その気になれば誰でも回復役可能。ただしステータス的に、男性キャラは戦闘系向き、女性キャラは補助役向きの傾向あり。

ドラクエ7
主人公:男性(勇者は単なる職業の1つ)
回復役:特に無し
解説:この時代のドラクエは職業が転職可能で固定ではないので、回復役という概念がキャラクターから離反している。ただし序盤はステータス的に、女性であるマリベルに回復役を担わせるプレイヤーは多いであろう。

ドラクエ8
主人公の勇者:男性
回復役:男性(ククール)
解説:DQ6,7の職業選択制から、キャラクターと職業がくっつく形に回帰。フェミに対してドヤ顔で「回復役は男性だ!」というと、ゼシカのおっぱい強調衣装に文句を言われること間違いなし。

ドラクエ9
主人公:任意(たしか勇者とは設定されていなかった気がする)
回復役:任意
解説:仲間キャラクターはドラクエ3と同じく任意で作成。職業も転職制。かつ、ステータス的にも男女で向き不向きが存在しないので、ジェンダーロール的には平等。

ドラクエ10
主人公:任意(勇者ではない)
回復役:任意
解説:勇者は女性。プレイヤーキャラクターは、あくまでも多くのプレイヤーの一人なので、勇者ではなく「勇者の盟友」という立場である。男女差によるステータスの違いも無し。

ドラクエ11
主人公の勇者:男性
回復役:セーニャ(女性)
解説:再び、キャラクターと職業がくっつく形に。結婚イベントもあり、ジェンダーロール的な偏りあり。

結論としては、「ドラクエでは回復役はいつも女性」とは言えないものの、ドヤ顔で「そんなこと、全くドラクエには当てはまらない。これだからフェミは」云々と偉そうに講釈を垂れるのは、明確な間違い。
転職システムを採用したシリーズ作品でも、ステータス的に女性キャラの力やHPが低く、かしこさやMPが高いという傾向があるなど、ステレオタイプなジェンダーロール的な傾向は無いとはいえないのが正直なところ。

だいたい、ドラクエ過去作の話で一番盛り上がるのが「ビアンカとフローラ、どっちを選んだ?」という話なのだから、ジェンダーロール的な不適切さを指摘されたら、「反省してま~す」くらいに軽く頭を下げるくらいはしておくべきだろう。

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