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薬疹とは? - 薬は毒にもなりうる

薬疹になった体験談がインターネットに少なそうなのでnoteに残します。病状の写真も挟み込むので閲覧にご注意ください(全身ブツブツは自重してますが)。

抗生剤による悪い反応では?

風邪をひいてしまった。喉が異常に腫れてしまったため、朝から耳鼻咽喉科に飛び込んだ。

処方された薬は下記の3点。

・抗生剤の「ジェニナック」
・炎症を抑える「トラネキサム酸」
・痛みを軽減する「ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)」

薬を飲み始めると、なんとなく左右の腕がかゆく湿疹が現れた(下の写真)。

そもそも喉の腫れも花粉症によるものかと思っていたくらいで、この湿疹も花粉症が皮膚に現れたのかと想像していた。

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処方された薬を飲んでから2日目、湿疹とかゆみは全身にひろがり、さらには股間がむず痒い。

気道も狭くなったように思え、呼吸がつらい。全身がかゆくてかゆくて、皮膚を掻き壊してしまい体液が滲み出て痛みに変わる。

これはヤバイと薬の副作用をインターネットで検索しはじめる。

原因の特定はインターネットで

どうやらジェニナックが悪さをしているのではないか。「ジェニナック 湿疹」で検索すると似たような症例の写真が出てくる。

そして薬による湿疹を薬疹ということを初めて知る。

薬を飲んで数時間から1日程度の短い時間で薬疹の反応があるということは、以前に同じような薬を飲んでいて、その薬にアレルギー反応を起こす身体になってしまっている「感作(かんさ)された状態」ということのようだ。

薬疹より重度なスティーブンス・ジョンソン症候群のようなアレルギー反応をおこれば死に至る場合もあるとか。薬への悪い反応は、調べれば調べるほどに心配ではあるが、ショック症状というのには程遠い状態なので、明日また病院に相談することにして寝る。

かゆかゆ……。

2回目の耳鼻科通院

耳鼻科でかゆい腕をみせると「ジェニナックのアレルギー反応だね」と即答する医師。

医者の診断を待つ前に自己診断ができるのがインターネット時代で、これから機械学習によるAI化が進むとたいていの診断はネット上で行えるようになってくることだろうと常々思っているのだが、今回も自己診断ができていた模様。

ひとまず、ジェニナックの服用停止と、アレルギー薬「オロパタジン」の服用で様子見することになったが、経過良好とはいかず、今もかゆいかゆいと思いつつ、薬疹を眺めながらnoteをしたためている。

重篤化した薬疹にはステロイドで対症することもあるようだが、今回はアレルギーの原因となったジェニナックが身体から抜けきるのを待つことになりそうだ。

ジェニナックをもう少し検索して調べてみると下のような文章が(引用元にリンクしようとしたんだけど不具合でたので引用のみ)。

これによると、同じロキノン系の抗生物質のクラビットとジェニナックの性質の違いもわかってくる。

クラビットは腎臓から排泄、ジェニナックは腎排泄・肝臓代謝型組織移行性以外にも、薬の排泄、代謝に関して違いが見られます。クラビットは、主に腎臓から排泄される薬です。服用後24時間で服用した薬のうち約80%が尿中未変化体として排泄されます。腎臓から排泄される特徴を活かして、腎盂腎炎や膀胱炎に高い効果を発揮します。一方で、中等度腎障害から薬の量や間隔を調整する必要があります。ジェニナックは、腎排泄・肝臓代謝型薬剤です。服用後24時間で34%が尿中未変化体として排出され、投与7日後までに尿中から41.8%、便中から45.8%排泄されます。腎臓からの排泄は少ないものの、高度腎障害がある場合は薬の量を減らすことが推奨されています。

ジェニナックの場合は解毒まで1週間近くかかると。水分を多めに摂って排尿してもなかなか抜けきらないのがジェニナック。そうなると、このかゆみが1週間以上続くのかも。と絶句。

3回目の通院は皮膚科へ(2019/04/08追記)

様子をみるも、かゆみ耐え難く、ジェニナックの抜ける過程を考えると先が重いので、もう耳鼻科には行くのをやめ、評判の良さそうな近所の皮膚科へ。

両腕、胸、腹まわり、首に出た湿疹を診てもらいながら、下の3点を伝える。

1)飲んで数時間で発疹が出た
2)3日目からはジェニナックを服用停止
3)3日目からのアレルギー薬「オロパタジン」の服用開始

薬疹の疑いが強いね」と、処方された薬は下の通り。

・内服用ステロイド「プレドニン」
・胃薬「テプレノンカプセル」
・抗アレルギー薬「ベポタスチン」
・ステロイドの「アンフラベート」と保湿薬の「ヒルドイド」を調合した外用薬

「内臓にもダメージがある可能性があるかも」と念のため採血(結果は後日)。そして「粘膜に異常を感じたら夜でもなんでも緊急で病院に行くこと」とアドバイスを受ける。

粘膜異常がおきていたら、上述のスティーブン・ジョンソン症候群を発症するかもしれないからだ。

ここで粘膜の話になったので「睾丸の表層にかゆみを感じる」ことも4点目として伝えると「排尿時に痛みを感じないようであれば、睾丸はほかの皮膚と同じようにかゆいだけであろう」とのこと。

とにかく粘膜、目の充血などにも注意して経過観察すること」と教えられる。

薬剤師の方にも「薬疹はこわいよ。粘膜に異常がでなくて良かったね」と言われる。

薬疹は油断してはいけない。

今このnoteを読んでいる薬疹らしきものが出てしまって、ひとりで悩んでいるあなたも、のんびりせずにすぐに病院へ行ってほしい。服薬の停止だけでは足りないかもしれない。

薬疹の疑いが強いとは?

今回の私の症状も薬疹の疑いが強いのであって、薬疹の確定には至っていない。なぜなら、薬疹と確定するには、再度症状の出た薬を飲んでみて再発するかどうかテストをするなど、じっくり詰めていく必要があるからだ。

薬疹にステロイドは効く

処方された薬を使った途端に、ここ数日のかゆみ地獄から一気に解放され、並の生活が送れている。あっという間に皮膚の状態も戻っていく。ステロイドは効く。のんびりと解毒を待っていてはだめ。

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4回目の通院は皮膚科へ(2019/04/09追記)

前回の診察で採血をしたので、その結果を求めてまた皮膚科へ。経過観察の診察もお願いする。

皮膚に症状が出ているってことは、内臓にもダメージがあるかもしれない。そもそも内臓の調子が悪かったから抗生剤に過剰反応してしまったのかもしれない。血液検査でそれらの異常をチェックする。

結果はシロ。腎臓、肝臓ほぼ問題なく、やはり薬疹の疑いは強そうとのこと。

先生はジェニナックとロキソニンを疑っている。おそらく初めて飲む薬ではないロキソニンによる中毒ではないかと。「ロキソニンに感作された状態」なのではないかと。

初めて飲む薬で薬疹は出にくいとインターネット検索で読んでいたので、先生はそのように推察しているのだろう。

「(いやでもね、先生、ジェニナックと同じロキノンの)クラビットは飲んだ記憶があるんですよね」と私が言うと「なるほど。ロキノンのクラビットを服用した過去があるなら、同じロキノンのジェニナックによる薬疹の線もありますね」と先生。

このようにインターネットで勉強しすぎて、筋書き通りの会話に。まぁ現実の診察が、インターネットで得た知識の確認作業になったとしても、それで良いと思う。

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「まだ発疹が少しとむくみもあるのでステロイドの服薬を徐々に減らしつつ、また火曜日に来てください。皮膚がポロポロと落ちるかもしれないですが、回復時に起こる普通の経過ですので心配ないですからね」と診察を終える。

正しい診断がされている安心感がある。2019/04/09現在、経過良好。このまま回復しそうだ。

経過

2019/04/10 日常生活に支障なし。風呂に入るとかゆくなる。
2019/04/11 悪化はしていない。完全回復はしていない。
2019/04/12 少しあった腕のむくみが良化。完全回復まであと一歩かな。

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2019/04/13 ステドイドを塗布していない部分がかさつきかゆい。
2019/04/14 昨日と大きな差はなし。かゆみあり。
2019/04/15 昨日と大きな差はなし。かゆみあり。薬をやめたらぶり返しそうな状態。

最後の通院(2019/04/26追記)

2019/04/26 最後の通院になった。季節の変わり目に出やすいもともとのアトピー体質があって、薬疹と関係のないところでかゆみがあるが、薬疹は治癒した。薬疹が出たのが今月の初めなので、治るのに約1ヶ月間……。

なにかあれば追記しますが、ひとまず薬疹体験のnoteは終わります。服薬は油断できないものです。軽い気持ちで他人に市販薬をあげることもしないほうが良いかと思います。



愛犬のおやつを買います。