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BTS:曲語り『記憶をなくした宇宙飛行士、否、宇宙人の物語』


おかしなタイトルにしてしまいましたね😅


今回の記事は他でもなく、JINさんの『The Astronaut』についての曲語りとなっております。



曲語りというよりはMVの行間を埋めて、お話を作ってみた!回という方が正しいかもしれません。


勝手にこじつけた創作部分が多いので考察ではないです。


きっかけは、こちら↓の記事に書いたのですが、この曲のTeaserで、『The Astronaut』のMVの世界観を予想したことにあります。


もし良ければ、記事をお読みいただければと思いますが、ざっくり説明すると、Teaserでたたずむソクジンさんを見て感じたのは、この主人公は宇宙人で、宇宙船が墜落して、どうにか逃げ延びたけれど、墜落の衝撃で記憶をなくして途方にくれているのでは?ということでした。

しかも、その前後の物語を他の楽曲のMV世界観につなげております。


『The Astronaut』のMVは宇宙船墜落前の宇宙空間物語を予想していたのですが、実際にはその後のお話なのかな、と思います。

しかもワタクシが考えた筋書にもピッタリはまりそう!、とくれば書かないわけにはいきません。


書いちゃいました!



そんなわけで、創作話にご興味ありましたら、この後の物語をのぞいていってくださいませ♪




では、始めます♪





**************






穏やかな風がそよぐ荒野。




ぼんやりと眼前に広がる世界を見つめる。



何度見ても同じだけれど、もう一度、視線をある方向へ預ける。



その先では、一隻の宇宙船が墜落し、激しく炎と黒煙を上げている。



風上にいても焼け焦げる臭いが鼻につく。

パチパチと火の手が広がる音が風の音に紛れて耳を掠める。





僕は、確かにあの船に乗っていた。


船の中にいて、気がつけば辺りは火の海。


どうにか脱出して、今、ここでぼんやりと燃える船を眺めている。




星の間を旅していた。


そして、この場所に墜落し、脱出した。


覚えているのはそれだけ。




僕は記憶を無くしている。




小高い丘の上で宇宙船を眺めながら、まるで他人事のように冷静に自覚した。


無くしたものは、記憶だけではないかもしれない。









それから数年後…。






あの時は、ひたすら宇宙船を眺めて、空腹でお腹が鳴る音で我に返った。

近くの道路で車に拾ってもらい、多くの人たちの助けを借りて、今は居心地の良い自分の部屋もあるし、勉強も、仕事もできている。



この惑星の言葉を話すことができたのは幸いだった。

以前にも訪れたことがあったのかもしれないが定かではない。




少しずつわかってきたことがある。


僕の名前はソクジン。

持ち物に書いてあった言葉だけれど、何となく自分の名前だとわかった。


いろいろと忘れてはいるものの、何となく星の位置は把握しているようで、大学に通いつつ、今は宇宙に関する研究所で助手の仕事もしている。

大学の授業で誰にも発見できなかった星の位置を特定したり、謎を解いたりしたから、教授にスカウトされて入所したものだった。




宇宙人である可能性は隠している。

知ってることでも、知らない振りをしていることが多い。

それは良い決断だったと思う。

もっとも、誰かに打ち明けたところで信じてはもらえないだろう。



身体検査をしても、他の人間となんら変わらなかった。

自分でも、もしかしたら僕は地球人で、たまたま墜落した宇宙船に乗り込んで頭を打って気を失って、また目覚めてすぐに逃げただけで、宇宙なんて行ってない可能性も考えた。

しかし、生々しいほどに感じる星々に関する感覚から、その可能性は間違いなくゼロだと思う。


宇宙飛行士の地球人で宇宙にも行った可能性も考えたけれど、あの宇宙船の技術は地球上のものをどれほどかき集めても作ることはできないから、やっぱり僕は宇宙人だという結論に辿り着く。



いつかは宇宙に帰りたい。

きっとそこが故郷だから。


でも、この惑星、地球でも好むものができた。



この部屋。

ギター。

音楽。

Coldplay。

美味しい食べ物。

ふかふかのベッド。

心地良いパジャマ。


そして、クロスワード。


しゃべったり、理解することはできるけど、読み書きは若干苦手なので、良い勉強にもなる。


ASTRONAUT
ARMY
STAR
MOON
COZY…


ここには何が入るかな…。



何かヒントがないかな。



壁に飾っているのは、あの子が描いてくれた絵。


あの子も宇宙が好きで、宇宙の研究をする僕のことを宇宙飛行士だと勘違いしているようだ。

現状から考えると、宇宙飛行士にならないと宇宙へ帰れないので、宇宙飛行士になれたらいいな、とは思っている。


もしかすると、あの子はとても勘の良い子だから、僕が宇宙人だということに薄々感づいているのかもしれない。




そうだ、クロスワード…。



ぼんやりと窓の外を眺めていたら、テレビでニュース速報が流れた。



謎の光線が目撃されたらしい。



謎の光線…。



あれは?!



光線だ。


そして、あの方角は、あの宇宙船がある方角に間違いない。





ついにこの時が来たかな。



あの光は僕を呼んでる。


正装で向かうべきだろう。



宇宙飛行士になるというとんでもなく遠回りな道を通らなくても、ようやく、故郷に帰って、僕が誰なのかを確認できるかもしれない。


このヘルメットは何かの証明になるかもしれないから持っていこう。





行かなきゃ。



僕は行かなきゃ。




外は太陽の光が優しくてあたたかくて、僕の好きな気候そのもの。



あの子だ。


ソクジンは長いからって僕のことを「ジン」と呼ぶあの子が家の前にいた。



太陽の光みたいな笑顔で僕に手を振っている。




やぁ。



この子に会うのも、これで最後かもしれない。



自転車に乗るにはヘルメットが必要だろう。


やっぱりこれは君にあげるよ。



君の安全のために。



そして、僕がここにいた証明のためにも。



この家ともここでお別れかもしれない。



でも僕は行かなきゃならない。



今では見慣れた通りを駆け抜ける。



僕の記憶にはっきりと刻まれた町並みが遠ざかる。



特に未練はないはずだ。



街は広いけれど狭くて、やたらと人とぶつかる。


人混みは好きじゃない。



こんなに人が多いけれど、ひとりだと感じる。



いろんな「ニセモノ」で溢れていることにもよく戸惑う。



ありえないところに、ありえないモノや人がいたりする。




街中に宇宙飛行士?



「ニセモノ」の前に立つ。



やたらと「ニセモノ」が多い。



けれどなぜかその「ニセモノ」に惹かれる時がある。




「ニセモノ」に映る僕も、地球人の「ニセモノ」だ。



それでもなぜか嫌な気がしないんだ。





自転車を調達して先を急ぐ。



この道を通るのはあの時以来。


最近では存在を忘れていることもあった。




自転車か…。



あの子に頼まれて、乗り方を教えてあげたことがあったっけ。



誰だって最初は手助けが必要だから。



僕は当たり前のように自転車に乗れたけど…。




かつては僕も、あの子みたいに支えられないと走れない時があったのだろうか。



失敗を重ねながらも乗れるようになって、支える手をはなして、僕の背中を見つめた人がいたのだろうか。




自転車に乗っていて、そんなことをふと思ったんだ。



そして、あの時、初めて感じたことがあった。



自然と腕に力が入って感じたんだ。


「うれしい」って。



そうだ、あの日が最初だった。



初めて、笑うことができた日。


笑って気づいた。


記憶だけじゃない。


感情も無くしていたことに。





記憶を無くす前の僕は笑っていただろうか。




またあの宇宙船に乗り込めば、答えがわかるかな。



そこには本当の僕がいるのかな。



家族はいるのかな。

ひとりじゃないかな。





あの光を知っている。



僕が来たよ。



さぁ、動け!



眩しい光が辺りを包む。





ここは?



僕の記憶、かな?



ここは…、地球からでは観ることができない場所だ。


ようやく帰れる。



そう、思うのに、なぜだろう。



うれしくない。




数多の星々よりも、あの時の水しぶきが輝いて思い出される。



小さな手の温もりが思い出される。




宇宙はこんなに美しくて広大なのに。



なぜだろう。




あの子が描いた紙一枚の世界の方がずっと輝いて大きなものに思えるんだ。



ニコリとも笑わないし、おかしなことも言えない僕に、飽きもせず話しかけて、笑いかけてくれた。




写真を撮って、僕の記録を残してくれた。




いつも宙を彷徨って、何かを掴みたくても掴めなかった僕の手をとってくれたんだ。




ふいに仕掛けられるいたずらも嫌ではない。




掴む力が強すぎるんじゃないかと思ったことはあったけれど…。




何だか、夢の中にいるみたいだ。



逆に、これまでのことがすべて夢だったとか?




掴みかけて、掴み損ねた何かがそこにあるはずなんだ。


いつでもあとちょっとのところで、目の前で消えてしまった何かが…。





ふと、現実に引き戻される。




光が宇宙船に吸い込まれる。




一瞬の静寂。




次の瞬間、大量の土煙をあげて、宇宙船は動き出した。




動いた。




「ジン!」




あの子の声だ!




とても、大切なことを思い出した。


僕はあの子にさよならを言ってない。

僕はあの子やいろんな人たちにありがとうを言ってない。

やりかけのクロスワードの答えも解いてない。



答えがわかった。



今の僕が選ぶべき答えが…。



これから先、あの子みたいにもっと笑えるようになるだろうか。



僕は、この選択を後悔しないだろうか。



後悔したってかまわない。


僕は、居心地の良い場所で、笑っていたいだけだ。





地球の重力は重い。

すぐに疲れる。


誰か止まってくれてもいいじゃないか。



あぁ、これは怒りとか、悔しさって感情だ。


見よう見まねで大地を蹴り上げてみたものの、ただ足先が痛みを覚えるだけだった。

怒りを忘れて、何だか笑える。



あの時もそうだったけれど、必ず立ち止まり、助けてくれる人が現れるんだ。


世界は優しい。



そして、美しい。



帰ったら何を食べようかな。



麺かご飯か悩ましい。




そう、ココが「HOME」だ。


僕の居場所。


僕が生きる場所。




もうこの道を通ることはないだろう。


でも、この道は、これからもずっと僕の生きる道につながっている。




そして、僕は何事もなかったようにこの部屋にいる。



そうそう、ようやく答えがわかったんだ。



ココは「FAMILY」だ。



よし、できた。



あなたも「FAMILY」だよ。



だから、ずっと一緒だ。




そろそろかな。


リンリン!


ベルがなる。




あの子が来た!


行かなきゃ。







**************




以上です。



冒頭で、ご紹介したこちら↓の記事に書いた通り、『My Universe』やBIGHITへの加入、BTS結成までも絡めたスペクタクル巨編となっております😅


Coldplayも実は宇宙人で、かつて一緒に戦った仲間ですし、他のBTSメンバーも同様で、なんやかんやあって、みんな地球に集結している、という突き抜けた妄想のストーリーです。


『The Astronaut』でのソクジンは大学生なので、地球に残ることを決めた後、バス停でスカウトされて、まさかの芸能の道を歩みます。


もとは寡黙な人でしたが、何のスイッチが入ったのか、何かの反動か、喜怒哀楽が激しめのワールドワイドハンサムへと進化していくわけですね。





Facebookの『The Astronaut』ページからお写真お借りしております。

他にも素敵な写真があるので、ぜひのぞいてみてください。



本当に素敵な素敵な楽曲、そしてMVだと思います💜


JINさんが宇宙飛行士になって、これからも我々が見たこともないような美しくて広大な景色を見せてくださる。

そんな光り輝く未来を思わせてくれる世界観に感じます、というお話でした💜


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