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デザインプロデューサーをしています。 ブランディング・マーケティング・デザインをサポートする会社:株式会社アイディーネットの代表  www.idnet21.com

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    デザイン系の記事を収集してまとめるマガジン。ハッシュタグ #デザイン のついた記事などをチェックしています。広告プロモーションがメインのものは、基本的にはNGの方向で運用します。

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「デザインは感情面へのアプローチによって競争力を生む」 その理由

デザイン周りのあれこれを綴っている福本徹@idnet21.comです。前回から少し時間が空いてしまいました...。楽しみにして頂いていた方、ごめんなさい。それでは気を取り直して。 人の感情に働きかけるデザイン使いにくさを改善したり、ちょっとした工夫を凝らすことなど身の回りの問題を解決する事はデザインの機能的な側面ですね。 でもその役割以上に感情に訴えることが年々重要度を増してきました。デザイン思考をはじめイノベーションを起こそうとする活動が盛んな点も実は今まで通りの論理

    • イノベーションとデザイン

      前回のnote(持続的イノベーションと破壊的イノベーション)では、 「持続的イノベーション」による過度な付加価値変調の開発競争によって生活者はモノの価値を再考する様になり、その後ローエンド型や新市場形成型の破壊的イノベーションが起こった。という事について綴りましたが、今回のnoteでは、これらのイノベーションの背景には考え方の変革が必要とされていたと言う趣旨で綴ってみます。 そもそも、付加価値偏重型の開発競争の背景には、市場シェアの奪い合いが大きく関わっており、そもそも誰が

      • 持続的イノベーションと破壊的イノベーション

        先にPLC(プロダクトライフサイクル)について投稿しましたが、 デザインとプロダクトライフサイクル 今回はその続きとしてイノベーションのお話しを綴りたいと思います。 ITバブル以降、技術革新が停滞し始めたために様々な場面でイノベーションというコトバを見聞きするようになりました。 では、そもそもイノベーションとは何を意味することなのか簡単におさらいしておきましょう。 英語でのinnovationは、「革新する」という意味になりますが、この言葉が日本に輸入された1958年

        • デザインとプロダクトライフサイクル

          製品が市場に投入され衰退するまでのサイクルと利益回収との関係を表すプロダクトライフサイクル(以降PLC)。利益のお話しは他に譲るとしてデザインに関わるお話しを綴りたいと思います。 プロダクトライフサイクルPLCには「導入→成長→成熟→衰退」という段階があります。導入期に投入されるイノベーティブなプロダクトには、さほどデザインは重要ではありません。 理由は簡単で、「出来ないことができる様になった」だけで商品価値が十分にあるからです。そしてデザインが重要視されるようになるのは

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          デザインと因数分解

          人の価値観とデザインの話(価値観とデザイン)から製品価値の話に戻しましょう。「エッセンス・ベネフィット・スペック」のうち情緒的な価値を形作るための「感情を表す表現」はかなりざっくりしていると綴りましたが、その感情表現を食リポの様に因数分解(因果関係を紐解く)することでこのざっくりした感情表現を正しく定義、共有する事が出来ます。 この様な因数分解を製品価値の構造の中身 全てに反映することはコトバレベルでデザインの役割を規定することに繋がります。先の「80点と20点」(デザイン

          デザインと因数分解

          価値観とデザイン

          価値観は、何に価値を見いだしているかという事なので、物事に対する評価基準とも言えます。その評価基準が分かれば物事に対する期待を読み取ることが出来ます。その期待を「欲求の本質」としておきましょう。たとえば、先の8つの価値観分類から「01:自己向上による達成感と先進的生活を望む人たち」を例に説明してみましょう。 先ず、彼ら彼女らは日本に約10パーセント程度出現します。そしてこのクラスターの欲求の本質は、クラスターの名称の通り「自己向上による達成感と先進的生活」にあります。年収、

          価値観とデザイン

          ターゲットとデザインの話

          情緒的な価値を定義する上で感情表現の因数分解が有効になると記しましたが、もう一つ定義しなければならない事があります。記述が前後してしまいましたが「ターゲット」のお話しです。 価値観でターゲティング現在では、市場調査の手法が多様化したことや低コスト化によりターゲット分析が容易になりました。ところがまだまだ性、年齢、年収などデモグラフィック中心のターゲット情報を元に企画を行うケースに出会います。もちろん製品によってデモグラフィック情報でターゲティングする方が良い場合もありますが

          ターゲットとデザインの話

          言語化しづらい情緒的な表現

          製品の価値は、「エッセンス・ベネフィット・スペック」と3つの構造で成り立っており、それぞれに役割があります。そしてその価値構造によってデザインを行わなければなりません。ではデザインを行うに必要十分な情報をどのようにして用意すれば良いかという点にフォーカスして説明してみましょう。 曖昧さが生む不幸製品価値構造をデザインで形に置き換えて再現する為には、製品価値構造の中身が必要十分な情報で満たされていなければなりません。この情報が不十分な場合、曖昧な製品価値となります。そして、こ

          言語化しづらい情緒的な表現

          デザインコンセプトの怪

          続きです。(情報伝達の仕組み) 「デザインで製品価値の構造とは異なる基準によって新たな伝達情報や優先順位が設定される」という問題について。 これは、企画段階でつくられたコンセプトと異なる デザイナーが独自につくる「デザインコンセプト」と呼ばれるものなんですが、企画者にとっては、折角つくったコンセプトと異なる基準を突きつけられるために混乱の種となります。この混乱を回避するためにどう対処すべきなのでしょうか。その方法を説明しましょう。 デザインコンセプトの背景には「独創性

          デザインコンセプトの怪

          情報伝達の仕組み

          前回、 製品キャラクターの再現をデザインで行うという事についてさわりを記しましたが、デザインの話から少し上流のコンセプトについて整理してみたいと思います。 「製品コンセプト」のフォーマットは検索してみると様々なものが存在する様ですが、コンセプトの中核となるのは製品の価値構造を規定することとして共通しているようです。製品の価値構造って何よ?と思われた方に向けて説明すると、製品はターゲットが望む(であろう)ありがたいことを提供し価値あるものと認識してもらい対価を得るためのもので

          情報伝達の仕組み

          デザインは情報を伝達するもの

          皆さんは一人の生活者として何かを選択する際にどのような基準で選んでいるのでしょう?生活者は、自分に関係がありそうなコトに反応します。好きなもの、楽しそうなこと、便利そうなもの、等々。しかしそういったモノは多かれ少なかれ競合となるモノが生活者の身の回りを取り囲んでいます。そんな中で貴方は何かを選んでいると思うのですが、そこには何らかの理由があり、その理由と製品のメッセージが重なっているからこその選択ではなかったでしょうか。もちろんブランドイメージというものも影響したでしょう。こ

          デザインは情報を伝達するもの

          デザイナーに感じる違和感

          皆さんの多くは、「デザイナー」と関わったことがあると思いますがどんな印象を抱かれているでしょうか?かっこいい、カッコつけている・おしゃれな・こだわりのある・個性的・融通が利かない・話がかみ合わない・個人主義・センスが良い等々。良い印象や悪い印象...もちろん皆さんが接したデザイナーによって印象は異なることでしょう。しかし、ややステレオタイプな表現になりますが共通して皆さんがもたれているのは、「個性的」という印象に集約されるのではないでしょうか。 当たり前の話ですが、「個性的

          デザイナーに感じる違和感

          商品企画のビギナーさんやデザイナーとのつきあい方に悩んでいる方へ

          この投稿を見ている方の中には、製品を企画し市場へと送り出す中、デザイン部門やデザイナーとの接し方に悩みを抱いている方がいらっしゃるのではないでしょうか。 デザインを依頼する際の悩み。デザインの提案を受けたときに生まれる疑問。望ましいデザインに導くためのディレクション方法などなど。デザインとのつきあい方に悩みを抱えている人は思いの外沢山いらっしゃるのです。 しかし、私の知る限り、これらの問題の向き合い方は、暗黙知であることが多く、且つ業際的な悩みでもあるため、かゆいところに

          商品企画のビギナーさんやデザイナーとのつきあい方に悩んでいる方へ