デザインコンセプトの怪

続きです。情報伝達の仕組み
「デザインで製品価値の構造とは異なる基準によって新たな伝達情報や優先順位が設定される」という問題について。

これは、企画段階でつくられたコンセプトと異なる デザイナーが独自につくる「デザインコンセプト」と呼ばれるものなんですが、企画者にとっては、折角つくったコンセプトと異なる基準を突きつけられるために混乱の種となります。この混乱を回避するためにどう対処すべきなのでしょうか。その方法を説明しましょう。

デザインコンセプトの背景には「独創性を発揮する」というデザイナーの命題が横たわっています。この命題をどのように達成させてあげるかという事について...言い換えるとどのように利用すべきかという事になりますが、そもそもデザイナーは独創性を求め表現に差別性を持たせようとします。しかしこの差別性は使う場所を間違えると単なる「変わりもの」と認識されてしまう危険をはらんでいます。そこで、先ず命題を達成させるための場所や範囲を決めましょう。そして、その範囲を決めるためには、私は「因数分解」という表現を好んで使用しますが、先の製品価値構造を更に細かく租借してデザインとの因果関係を規定する必要があります。そしてその「因数分解」によって導かれた因果関係を邪魔しない範囲でデザイナーに自由度を与えます。又はデザインコンセプトを反映させます。

そもそもデザインを効率的な情報伝達の手段であると考えているので必要十分な価値をデザインで伝えることが出来れば、ほとんど製品は望んだ存在になっており評価として80点は取れていることでしょう。では残りの20点をどう考えましょうか?もちろん獲得できなくても合格点で、大局に影響がないと考えることが出来ます。更にもし当たれば100点以上を目指すことが出来ます。これがデザインの命題を達成させる為の範囲となるわけです。もちろん80点を取るためにデザインは「正しく伝える」ことに注力してもらいますが、ここは職人的な安定を求める領域でイノベーションとはやや距離を置く役割です。反対に20点の領域は、チャレンジする領域としてデザイナーに開放します。もう一度書きますが20点の範囲で失敗をしても問題ないのです。いかがでしょう。デザイナーの活用方法を想像して頂けましたでしょうか?(なお、文中の80点や20点はイメージしやすくする為のたとえです)


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福本 徹 @idnet21.com

デザインプロデューサーをしています。 ブランディング・マーケティング・デザインをサポートする会社:株式会社アイディーネットの代表  www.idnet21.com

情報デザイン

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