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若者×選挙のリアルトーク!—―『学校総選挙プロジェクト』記者説明会レポート

本日10月18日(日)、CCCマーケティング本社にて、「学校総選挙プロジェクト」のローンチ説明会を、10月18日(日)に実施しました!本記事では、説明会の場で行われた「若者と選挙」をテーマとしたパネルディスカッションの内容をレポートします!

【パネラー紹介】
・株式会社arca CEO / クリエイティブディレクター 辻愛沙子さん
・浦和大学社会学部准教授 林大介さん
・高校3年生 小笠原萌さん(18歳)
・高校3年生 姫野美柚さん(17歳)
・株式会社CCCマーケティング「学校総選挙プロジェクト」 石井大樹
(※ディスカッション中の発言は敬称略にて表記しています。)


きっかけさえあれば若い人も動く。そのきっかけを作れていないのは大人たち。

石井:まずは「若者の政治離れ」と言われることについて意見を伺ってみたいと思うのですが‥‥。辻さんは、どのように捉えていらっしゃいますか?

辻:私は今年25歳になるので、若者である当事者として、投票率が低い事実には「うーむ‥‥」と思うところもありますね。一方で、みんな投票の仕方が分からないとか、声の上げ方が分からないといったように、一歩目をどう踏み出せばいいのか分からないだけなんじゃないかなと。
Twitterや私の友達の間でも「同性婚何が問題なんだろうね?」みたいに社会問題について話すことはあるので、若者が政治に関心がなかったり、当事者意識がないというわけではないのかなと私は思います。

林先生:たしかに、私も大学生を見ていて感じるのは、社会に対して関心を持っているけど言いにくい、どう言ったらいいのか分からないというところが非常に大きいんだろうなと感じています。

辻:そこのギャップを解決していけるといいですよね。

石井:辻さんは去年の参院選で、投票したらタピオカが半額で飲めるという企画をされていましたよね。なぜ、この企画をしようと思ったんですか?

辻:『Tapista』の立ち上げのクリエイティブを担当していた際、若い人たちに何を提供すべきなのかを真面目に考えました。当時、「いまの若者は社会のことを考えとらん!」というような論調を多く見かけたんですね。でも、本当にそうなのだろうか‥‥。 と思って。
それで、実際にこの企画をやってみると予想以上に反響があって。きっかけさえあればみんな動くんだなって。むしろ、若い人たちにそのきっかけを作れていないのは大人たちであるってことを上の世代も考えなきゃいけないなって思いますね。

姫野:行きたくなっちゃいますね。選挙に行くきっかけになると思いました(笑)

林:実は、今生きている社会と政治は切っても切り離せない関係にある。それについて、タピオカ片手にちょっと話してみる。そういった、ゆるやかなところから始められるといいですよね。

辻さん:知識のマウント合戦ではなくて、放課後どこ行く?みたいなノリで、選挙?行くっしょみたいな軽い空気感が作れるといいですよね。


同じ高校3年生なのに、18歳と17歳で分けられることで意識が変わってしまう

石井:小笠原さんと姫野さんは、学校で政治とか選挙について話すことはあるんですか?

小笠原:あんまりないよね。話題に出ることはあっても、メインで話すことは無いかも‥‥

姫野:私はまだ17歳で選挙権を持っていないんですけど、同じ高校3年生なのに18歳と17歳で分かれちゃうから、投票に行ったことある・ないで意識が変わるなって思いました。選挙もうちょっと先の話だし、まだ関係ないかなって思っちゃう。
政治の話を学校であまりしないのも、18歳と17歳でちょっと違うから話題に出しにくいって思うのもあるかもしれない。


「投票用紙って折るの?折らないの?」ー初めて行った選挙の話

石井:小笠原さんは18歳ですが、初めて行った選挙はどうでしたか?

小笠原:ド緊張でした。でもすごく楽しみで、前日からソワソワしてました。でも、両親にはドキドキしていることを悟られたくなくて、「明日何時に投票行くの?午後?ふ~ん。」みたいに、何でもないフリをしてました(笑)

石井:気にしてないフリしちゃったんですね(笑)  投票の当日はどうでした?

小笠原:私はお父さんとお母さんと一緒に投票に行ったんですけど、誰に投票するか迷ってる間に2人とも投票終わってて。「待って待って!次どこに行ったらいいの!? 」って焦っちゃいました。
あと、投票用紙を折るのか折らないのか分からなくて、投票所でキョロキョロしちゃって‥‥。 大変だったなぁって思い出です。

石井:実際この話って誰しも一度は通るものだと思うんですが、林先生これはどうなんでしょうか?

林:折っても折らなくても決まりは無いんです。でも実は投票用紙って特殊な紙で、折っても元に戻るようになっているんですよ。

石井:実は、今日はちょうど投票用紙と同じ紙を用意しています。ぜひ触ってみてください。

姫野:わ、ほんとに戻る!(笑)

辻:こんな紙でしたっけ?こういうエンタメ性が大事ですよね!10代でも触ってみる機会があるといいですよね。

姫野:私も何も知らずに投票所行ったらおろおろするなって思います。授業で投票の流れまでやってくれれば心配なくいけますよね。


「どうやって投票する人を決めればいいの?」ー現役高校生の率直な質問

石井:小笠原さんは投票してみて、「私こうしたけど合ってたのかな」とか疑問に思ったことはありますか?

小笠原:この前の都知事選で思ったのは、私は自分の考えに近い人に投票したんですけど、都知事って東京の代表なので、「私は東京はこうあってほしいと思う」っていう自分のワガママで投票していいのか、全体を見てみんなが求めてる人を選ぶべきなのかわからないです。
辻さんと林先生はどうやって選んでいるのか気になります。

林:どれでもいいのかなと思いますよ。選ぶ理由は人それぞれだと思うんです。そこに理由があればいい。自分が「この人に代表になってもらいたい」と思う人を選ぶので。学校の生徒会長だって仲の良いあいつにやってもらいたいって思って選ぶこともあるじゃないですか。自分に納得感があればいいと思います。ただ、選んだ以上はそこに責任を持とうよって話だと思います。

辻:学校は正解・不正解で決められていることが多いと思うんですが、選挙に絶対の正解はないと思っていて。みんな何を大事にして生きているかが違うから。最近は、Twitterのハッシュタグで候補者がどんなこと言ってるかとかを知ることできるから、そういう感じで選んでもいいんじゃないかなって思います。

林:日頃の生活の中で「これおかしいな」とか、「こうなったら自分にとって嬉しいな」とかを貯めとくといいですよね。
選挙権を持つ前でも、一人の市民としてちゃんと関わって考えていくことが大事だと思います。


#私たちが投票したいテーマ

石井:最後に、辻さんと高校生の2人には今後このプロジェクトで議論してみたい「投票テーマ」を伺ってみたいと思います。

辻:私は「女性の政治参画」にしました。
ジェンダーギャップ指数なるものがあるんですが、最新のランキングでは、日本は121位と世界のなかでもかなり低いんですね。特に政治経済がその足を引っ張っているんです。議員の割合をみても、衆議院だと女性議員は10%、参議院は20%しかおらず。
国民でも男女は半分半分なので、これからの社会を作る一員としても、自分たちの声が伝わる政治家さんが増えて欲しいなという思いがあります。投票ももちろんですし、出馬する権利という面でも、政治に興味を持つ女性がさらに増えるといいなと思いました。

小笠原:私は「キャッシュレス化」を取り上げたいと思いました。
日本はいまキャッシュレス化を進めてるじゃないですか。最近だとマイナポイントとか。でも、私の周りにマイナポイントの話をしている人いなくて。
キャッシュレスって言うけど、実際にどういう思いがあって賛成してるのか、反対してるのかなって気になりました。

姫野:私は「年金」について議論してみたいです。
私たちの世代は年金がなくなってしまうかもって言われてるじゃないですか。今まで年金を支払ったら将来返ってくるって話だったのに、払っても自分たちがもらえなくなってしまうんだったら、払わなくてよくない?って感じだし。だから、年金を払うことを選択性にしてほしいって私は思います。
今、そうやってモヤモヤしていることがあるので、話し合ってみたいと思いました。


学校総選挙プロジェクト、本格始動!

学校総選挙プロジェクトでは、今後もさまざななテーマを取り上げながら、みなさんと一緒に対話したり議論を深めていきます。

現在おこなっている第1回目の投票企画は『あなたが今、期待する政党は?』。ぜひ投票してみてくださいね!

▼投票はこちらから!