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「医局を辞めた体験談」と「医局をトラブルなく辞める方法」を退局経験者が解説する

現在医局に所属しているものの、種々の事情により

「医局を辞めたい」

と思っている方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、
医局を辞めるというのは、
大きなエネルギーを必要としますし、
現状維持バイアスも手伝って、
なかなか決断できずにいる方も
いらっしゃると思います。

かくいう私も、
かつて医局に所属していましたが、
あまりの奴隷っぷり
未来の見えなさに、

「自分の人生本当にこのままでいいのだろうか?」

「このままここにいたら
あの人たちみたいに死んだ魚の目をした
人間になってしまうのではないか?
それでいいのかい?
よくないのかい?
どっちなんだい!(©︎某筋肉芸人)」

と疑問を抱き、ある時思い切って辞めました

もちろん、実際に辞めるまでにはたくさんの葛藤がありましたが、一つ一つの問題点や検討事項に対して思考を進めれば進めるほどに、自分にとっては「医局を辞める」のが最善の一手だと思えてなりませんでした。

そして、晴れて脱獄退局を果たしました。

医局を辞めることを教授に告げ、
医局棟を出た私が『ショーシャンクの空に』状態に
なったことはここだけの内緒です。
(※ピンと来なかった方は「ショーシャンクの空に」で
パッケージを検索してみてください)

医局を辞めてからも、
この上ないほどにシャバの空気を楽しんでいます。

心の底から
「医局に所属していたい」
と思える人は別として、
少しでも「医局を辞めたい」
と思っておられる先生に向けて、
塀の外にも世界があるんだ
ということを知ってほしい。

最終的に医局を辞めるのか辞めないのかは
個々の先生のご判断にお任せすることしかできませんが、
医局の外の世界のことを知った上での判断なのか、
知らずに医局に留まることを選択「させられている」だけなのか、
この両者の間にはベルリンの壁くらいの大きな隔たりがあると言わざるを得ません。

そんな訳で本noteでは、
医局を辞めようか悩んでいる先生のために、
医局をトラブルなく、
円満に辞める方法や、
医局を辞める際に気になる諸々を退局経験者の私が、
自らの体験談や他に医局を辞めたドクターの話を
交えつつ解説しています。

全体の構成としては、
前半に私が医局を辞めるまでの心情や辞めた時の実体験、
後半に医局を辞める上で気になる諸々について解説している、

という形にしています。

医局を辞めた人の話を聞くことのできる機会は
そうたくさんあるものではないと思うので、
読んでいただいたあなたの参考になるよう、
そして、
少しでもリアルにイメージをしていただけるよう、
解説しています。

医局を辞める前の自分が
「こんな記事が読みたかった」と
思えるような内容を心がけています。

有料ですが、
医局を出ると経済的には格段に楽になるので、
ドクターの時給を考えたら、
一瞬でペイすると思います。

また、読んだ上で医局に留まるという選択をされた方にとっても、
(上述の通り)判断に必要な情報を揃えた上で敢えて選択していることは大きな意味を持ちます。

「この人がどんな感じの文章を書くのかわからない」
という方もいらっしゃるかと思います。

そんな方は参考までに
私のブログ『医局脱出計画』をご覧いただけますと、
だいたいの雰囲気はわかっていただけるのではないかと思います。

ボリューム的にも全体で1万3千字以上と後悔させない水準と自負しています。

本noteが、
医局を辞めたくてもなかなか一歩を踏み出せずにいる
あなたの背中を押せるような存在となることを願っています。

※本noteの記事は、
かつて私のブログ『医局脱出計画』の方で
公開していたのですが、
思いのほか反響が大きかったため、
私の体験談含め大幅に加筆したアップデート版を
noteの方で公開することにしました。

私が医局を辞めるまで

医師が医局を辞めるまでの経緯

私が医局を辞めようと思った経緯

医局に所属していた頃は、
臨床や研究に忙しく働いており、
それなりに得られるものもありました。

具体的には、
わかりやすい部分では
臨床能力研究成果・業績
がありますが、

無形資産に目を向けると
「自分は王道で頑張っていて、日々成長しているんだ」という実感(もしくは錯覚)

「このまま行けば将来大きく困ることはないだろう」という一定の安心感(もしくは錯覚)

細かいところも言えば、
大学の同級生や親などに近況を聞かれた時にも答えに困らない、等です。

ただ、そのメリットを打ち消して余りあるほどに、
医局生活においては、

・自由
・自分の人生の主導権や人権
・時間
・お金(→生きてはいけるが決して豊かではない)

といったものがありませんでした。

それ故、実際に医局を辞めることになる数ヶ月前から、漠然と、

「これは奴隷でしかない」

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