小説のプロモでプラモを作った話
6月9日にキノブックス文庫から出た『ゴールデンラッキービートルの伝説』という小説の編集を担当しました。
この小説は2012年に新潮社から出版されていて、通常の流れであれば新潮文庫から出版されるわけですが、なんやかんやと著者である水沢さんの男気によって、キノブックス文庫から出版されたのです。
(なんやかんやの詳しくは、こちらの記事に著者が書いています)
さて。
『ゴールデンラッキービートルの伝説』のプロモーションについて少し書きます。
僕はこれまでビジネス書を主に作ってきたので、ビジネス書のPR方法については多少知っているのですが、小説、とくに文庫のPRについてはよくわかりません。
というか、いろんな情報を集めてみても、実はほとんどPRをやってないんじゃないかと思えてきます。
なので、プロモーションのためにフォルクスワーゲンのプラモデルを作りました。(プロモとプラモがかかってしまったのは偶然です……)
結論が飛躍しまくってますね。
もう少し詳しく書くと、担当編集である僕がプラモを作るプロセスをSNSで発信して、話題作りにしたかったのもあります。
実際に、こんな感じでツイートしていました。
ですが、一番大きな目的は、「書店さんでの売り場面積を少しでも大きく確保したかった」というもの。
どういうことかというと、これは僕が前に在籍していた早川書房で1年間ほど書店営業をしていたときに、営業部の部長から言われたことから来ています。
「いいか岩崎、営業部の仕事は大きく言えば3つある。その書店内の【よく売れる場所】に、【少しでも長い間】、【たくさん置いてもらう】ことだ」
つまり、売れる本というのは、その書店の良い場所に、長期間、大量に置かれている、ということです。
それをどうやって演出するかを考えていたところ、
「プラモを隣におけば、プラモの面積も必要だし、なぜプラモを置いてあるのかの理由を書いたパネルも必要だし、そこまでしたのに本が3冊しか並んでなかったら変だから、多めに置いてくれるはず」
と思いついたのです。
ちなみに、文庫裏に書いたあらすじはこちら。
【「動かしてみようよ、ゴールデンラッキービートル!」小学6年生のジュンペイとヨータは、とあることをきっかけに、クラスから浮いた存在の女子・ヒナと仲良くなった。3人は、学校帰りにいつも立ち寄る秘密基地に捨てられている廃車を動かそうとするが……。交錯する過去と未来。一度離れた友情が再び交わる瞬間を描いた傑作小説。第7回新潮エンターテインメント大賞受賞作を文庫化】
「廃車=ゴールデンラッキービートル」とは、ドイツ車のフォルクスワーゲンのことで、ストーリー上、非常に大切なアイコンとなっています。
なので、フォルクスワーゲンのプラモを本の隣に置くのは、目立つのはもちろん、意味のあることなのです。
最終的に、プラモは紀伊國屋書店新宿本店さんで展開していただけることとなりました。
さらに、みんなでプラモを汚して完成させて、それを重版時のカバーに使ってしまおう、という試みも展開中です!
というようにがんばってプロモーションをしている『ゴールデンラッキービートルの伝説』
よろしくお願いします!
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