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映画エッセイvol.10

ROMA ローマ

あらすじ
「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が、政治的混乱に揺れる1970年代メキシコを舞台に、とある中産階級の家庭に訪れる激動の1年を、若い家政婦の視点から描いたNetflixオリジナルのヒューマンドラマ。キュアロン監督が脚本・撮影も手がけ、自身の幼少期の体験を交えながら、心揺さぶる家族の愛の物語を美しいモノクロ映像で紡ぎ出した。70年代初頭のメキシコシティ。医者の夫アントニオと妻ソフィア、彼らの4人の子どもたちと祖母が暮らす中産階級の家で家政婦として働く若い女性クレオは、子どもたちの世話や家事に追われる日々を送っていた。そんな中、クレオは同僚の恋人の従兄弟である青年フェルミンと恋に落ちる。一方、アントニオは長期の海外出張へ行くことになり……。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、最高賞にあたる金獅子賞を受賞。第91回アカデミー賞でも作品賞を含む同年度最多タイの10部門でノミネートされ、外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞した。

祝10本目!
まずは!とりあえず、やっとこさ10本挙げることができました。プロフィールには不定期投稿と言い訳してしまっていますが、これからは更新頻度を上げていけるように、文章力あげていけるようにしていきたいと思っております。

Netflix
このローマ/ROMAという映画はネット配信サービスのネットフリックスがオリジナルで製作した映画である。
もともとネットフリックスはDVDを郵送でレンタルするサービスで事業を立ち上げた。ゼロ年代にはいると、ネット上の会員相手に定額制のビデオ・オン・デマンドのサービスを開始、劇的な成長を遂げたのである。今でこそ、サブスクリプションが定番のビジネスモデルですが、ネットフリックスはその先駆けとして成功し、潤沢な資金を獲得していった。その資金をもとにネットフリックス・オリジナルのドラマ、映画の製作に進出していったのである。

より多くの観客のために
作家性が高い監督の作品を豊富な資金と宣伝力でバックアップして、映画祭の賞レースで勝たせることによって商業的にも成功に導く。しかしながら、ネットフリックス・オリジナル作品は原則として劇場では観ることができない。それなのにも関わらず、ローマ/ROMAはあくまでも劇場で観られることを想定した映画なのである。
熱心なファンのリクエストに応えて、アメリカの大都市の劇場で限定公開したらしいのだが、興行収入が190万ドルまで達したというのだ。ローマ/ROMAの出演者はほぼ無名の存在であり、映像はモノクロなうえに言語はスペイン語なのである。外国語映画としては最高レベルのヒットを遂げた。どういうことかというと、普通に劇場公開されて集まる観客とは別に、ネット上で膨大な数の観客を獲得したことになるのだ。
某一流映画雑誌さんでは、この現象のことを
「熱心な映画ファンになればなるほど、”劇場で映画を観ないなんて、本当に映画を愛していない証拠だ”と思いがちだ。でも現実的には映画を最優先にして人生を生きている人間なんて僅かしかいないし、仕事や子育て、親の介護、そして自分の健康状態と、映画を劇場に観に行くハードルは年々高くなっていく。」と記している。皮肉が効いているw。
まるで、マイブックショップの保守派とフローレンスの描写の様だw。(映画エッセイvol.9でマイブックショップについて書いてます。ご覧になっていただければと。)
とにもかくにも、ネットが普及した背景があって、映画体験はいつでもどこでも世界中の作品を鑑賞できるようになっている。それが劇場公開されるとなれば、潜在的熱狂映画ファンもついてくるわけだし、戦略としてはかなり現代に合っているんだなと感じた。


あれっ、ちょっと待てよ。

作品についてまだ一言も話せてない...

足りない!!ということで、PART2に続きます!しくよろ!

参考文献:キネマ旬報4月上旬号

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